ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

トリは吉弥さん~久しぶりのパンジョ寄席

2009-07-25 06:33:50 | パンジョ寄席
今日は久しぶりのパンジョ寄席。
新顔の米市さんに、雀々さんと吉弥さん、
そして米團治さんの豪華メンバー楽しみですな。



・・・・・・・・・・・・・・・・・ひな壇になって見やすい会場・・・・・・・・・・・・・


一、桂米市・・・・・・・・・・・・・・「東の旅・・・発端」

出てくるなり、名前の自己紹介もなく、即「東の旅」へ。
ハリ扇と小拍子でリズムをとるが、そのリズムが不安定。
はなしと叩きの両方に神経がいっているのが分る。

途中から、それに下座の鳴物が入ると、更に合せる難しさ。
普段なんともない噺が、手を汗握るスペクタルに変身。

でも、最初に教えられる噺で、笑いはいたって少ないだけに、
最後まで、完走できたこと、立派ですな。

続々入門してくる落語家の初高座に出会えるのは幸せですな。
(今日の米市さんは正直、何度目でっしゃろか)

出囃子の「石段」のように、一段一段、・・・期待してまっせ。


二、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・「茶漬幽霊」

噺の筋は、省きますが、「ほたらなんですかい」ではじまる。
茶漬けを食べているところへ、幽霊が出てくるという・・・
・・・あれまと・・・・・それだけの噺。
ネタづくりは「茶漬けえんま」と一緒。

まあ落語の題は、楽屋での符丁とか。、
「ろっくろ首の女房」でもなく、「そんな青菜」でもない。
茶漬けを食べている時に、幽霊が出てきたら・・・の発想。

今日初めて聴いたので、どう展開するのか、新鮮でしたが
前半は幽霊が怨念で出てくる、夏の怪談噺かと思いきや、
後半、茶漬けを食べている処に前の女房の幽霊が出てくる、
それも昼間に、そして気は弱く、遠慮がち。
その落差が、この噺のおもしろさか。

まあ、あんまり美味しいとは思わんですが、
夏には食べる、鱧料理みたいでおますな、・・・・この噺。
雀々さん、めったに聴けぬ夏の噺、ありがとうでおます。


三、桂米團治・・・・・・・・・・・・「青菜」

聴きなれた噺だけに、各所の科白が抜けるのは、
それでいて同じ内容の繰り返し、言い直しはあるが・・・・・。
まるで、生ぬるい気の抜けたビールのようで、スッキリしない。

そして、お咲きさんが、ダミ声で15才年上のお咲き婆さんに。
お屋敷の広さ、長屋の狭さ、など噺の仕方ひとつで変わる。
「青菜」ひとつでも、一流料亭の食材にもなるし、それ以外にもなる。
今日の米團治さんで、よう解りましたで。

やはり、「青菜」は、九雀、こごろうさんの味付けが好きですな。



四、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・「親子茶屋」

今日は、おまえも一人前か、大先輩がたてて頂いてトリをとれと。
二人とも、早く帰りたいだけでは・・それで最後まで居て頂こうと、
あえて、鳴物が入るネタで、あしどめをいたしました。

男の煩悩から、のむうつかう。
今は、ヤクルトを飲む、バッティングセンターで打つ、パンジョで買う
年配の噺家は、薬を飲む、点滴を打つ、大人用おしめを買うと
いうのもありますが。

「爪で火を、とぼして貯めた親の子が、ロウソクで読む傾城の文」
親が貯めた財産を、道楽息子が食い潰す。
「Y團治」さんそのままと・・・本日共演でよろしいが、
いない処では、笑えないだけに角がたちますな。

この噺、親が大事か、芸妓が大事か、それを聞かせてもらいましよ。
それなら、話させてもらいまひょの、親子の掛け合い・・・・・・・・・
私、この噺でここが一番好きでおますな。

噺の品格、質感、吉弥さんの噺、すべてクオリティは高いですな。
吉弥さん、ほんま立派な、トリでおましたで。

ちりとてちん終了して、一年半経ちますが、更に人気があるのは
なるほどと・・本日も、感心も得心も致しました、一席でおましたで。



パンジョ寄席
2009年7月25日(土)午後4;00開演
泉が丘・パンジョホール


一、桂米市・・・・・・・・・・・・・・「東の旅・・・発端」
二、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・「茶漬幽霊」
三、桂米團治・・・・・・・・・・・・「青菜」
四、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・「親子茶屋」

09-52-239

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