ひねりのないタイトルですいません。
昨日のMRTのお話がらみで、
シンガポールっていいなあ、シンガポーリアンっていいひとたちだなあ、
そう思ったところをご紹介します。
*注:日本にたくさん寄付してもらえるように媚びているわけではありません。
それは、
電車でもバスでも、ご高齢者、体の不自由な方、妊婦さんなど、
いわゆるシルバーシートの対象となるようなひとたちには、必ず席をお譲りするところです。
私が見た限り、今のところ確率100%です。
特にご高齢の方には率先して席を譲られている印象を受けます。
相手がよろよろヨボヨボなんかじゃなく、背筋がしゃんとしている方であってもです。
時には自分の座っているほうへその方を招くようにして、お譲りします。
そこには、一切のとまどいも、ためらいもありません。
当然、対象となるような方が乗ってきて、座っている自分の前にお立ちになったら、
となりの友人とおしゃべりしていても、読書に熱中していても、居眠りしていても、
さっと立ち上がらないといけません。
ハンカチ落としでハンカチが落とされたときのように、
瞬時にその気配を察し、間髪いれずに立ち上がって、問答無用で席をお譲りするのです。
すごいです。
さわやかというより、その瞬発力は鮮やかでさえあります。
タヌキ寝入りなんてもってのほかです。
だから自分が座っているときも、おちおち居眠りできません。
さらに、すごいなあ、と思ったのは、
席を譲ると、どうも譲ったひとには次に座る優先権のようなものがあるみたいです。
つまり、それを見ていたひとが降りるときに「ここどうぞ」って言ってくれたり、
譲られた方が空いた席をキープしてくれたりするのです。
そんな光景を何度か見たのも、偶然ではないと思います。
それに、私自身が当事者になったこともあります。
反射神経に問題のある私は、シンガポーリアンのように颯爽と立ち上がれるのか、
「どうぞ」のひと言がアワワワになったりしないか、座っている時はいつもどきどきしています。
あるとき、座っている私のほうに近づいてくるちょっと年配のおばちゃんに、
われながらまずまずのスピード感でもって、席をお譲りできました。
車内は夕方のラッシュアワーでそれなりに混んでいました。
「あれでよかったかな」、「もうちょっと早いほうがいいのかな」、
「でも早かったら手前の若いおばちゃんが勘違いしたと思うし」。
気恥ずかしくなった私は、彼女に背を向けてちょっと離れて立って、ひとり反省会をしていました。
ちなみに、私も紛れもなくおばちゃんです。
するとしばらくして、
「となりが空いたよ~」って、
私が席を譲ったおばちゃんが、わざわざその席を離れて、車内を歩いて私を呼びに来てくれたのです。
その間、隣りあわせの空席ふたつはキープされたまま。
そこまでするのか、シンガポーリアン。
誰も座ろうとしない、いや座れなくて当然か。
すごいです。
そうそう、「電車内で居眠りするのは平和な国の日本人ならでは」、
昔、そう教えてもらったことがあるのですが、この国の方もよく居眠りなさっています。
韓国でも中国でもヨーロッパでも居眠りする方は見かけましたが、
そして私は、モロッコでもエジプトでもタイでもベトナムでも、
おそらくどの国でも毎度毎度うかつにも船を全力でこぐ勢いで居眠りしてますが、
この国の乗客の居眠り率の高さは日本といい勝負だと思います。
なんだか親近感。
いい国だなあ、シンガポール。
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