なんてことでしょう。
今月は1回しか更新していませんでした。
こちらのブログ、『去年のあなたはこんな記事をUPしていましたよ』とか、
知らせてくれるのですが、それによると私は、ケニア旅行について書いていたらしい。
去年の今ごろ、学生生活がスタートする前に、
友人を頼って、シンガポールからケニアに2週間ほど旅したのです。
あれはシンガ帰国後、6回目まで書いたところで学生生活が忙しくなり、頓挫したもの。
6回目でまだ旅は3分の一。
あの調子で書いていたら、全20回くらいいきそうで。
あと1回分、最終回用にと書いたものがお蔵に入っていたので、出してきました。
なつかしいな。
では、突然ですが、
当時の原文そのままで眠っていたものをどうぞ。
(ひとり盛り上がっていて恥ずかしい文章だけど、修正する余裕がないのであります。)
「なんのことやら?」と首を傾げていらっしゃる時間のあるあなたは、
こちらの方から順にお読みください。→ケニアの旅1.到着
本当に突然でスイマセン。
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友人には、
「プライバシーに配慮して、住まいの様子は写さないから」と断っていたのですが、
「別にいいよ。どこでも撮って」と言ってもらっていたので、最終日に室内も何ショットか写しちゃいました。
彼女の人格が否定されない範囲でここにも載せていいかな、と。
彼女の人格…
ちらっと見えてしまった彼女の寝室、写真は撮っていませんが、あれを公開したら、
仕事ができる!
いつも身ぎれいで美しい!
そこから形成された彼女のイメージが、雪崩のごとく崩壊すると思います。
では、
友人宅での暮らしを紹介します。
彼女の住むフラット。
このあたりでは有名な高級マンションです。
行き先がここだと言って、トゥクトゥクに乗ってから、(同じ方向の乗客を拾いながら進むシステム)
建物の前に来たら「ここです!」って言わなくちゃ、と、きょろきょろしていると、
「みんなそこ、知ってるから。大丈夫だから」と乗り合わせた人たちが口々に言ってくれるくらい。
でも、この立派な住まいは彼女としては不満だそう。
ケニアンと同じ視線で生活できるよう、平均的ケニアンと同じ暮らしがしたかった、とか。
その考え方、えらいなあ。
部屋から見える風景をいくつか。
マンション敷地内の駐車場。
この塀で囲った中に、盗難防止のため、夜は車を入れます。
左は放牧された牛。背中にコブがあるのはマサイ牛。ケニアではよく見ました。
普通の牛より高いらしい。
裏の空き地には、ゴミをあさるニワトリと犬たちも。
よく犬がニワトリを襲わないな、って思います。
ごみ、見たところ食べものなんてあるように思わないのですが、
犬、ニワトリ、ヤギ、カラスと、入れ替わり立ちかわり色々な動物が訪れます。
時にはヒトも。
目の前の道路をまっすぐ右に進むと、サイタマ中心に到着します。
トゥクトゥクのある風景、なつかしいな。
うらのベランダで彼女が洗濯物を干していると、ちいさいお友だちが寄ってきてくれました。
はき物、持っているのに、こっちの子たちははかないことも多いそうで。
「ゴミだらけなのに、裸足で大丈夫なの?」
友人に聞くと、
「よく、足の裏にくぎが刺さったとか言って、自分で引っこ抜いてたりする」とか。
痛いのと血がダメな私には、聞いてるだけでもコワイ。
右が玄関の様子、左が部屋の窓の様子。
玄関は鉄の扉で2重の鍵、扉の向こうにさらに鉄格子の厳重さ。
これが重くて、立て付けが悪くて…私にはかんぬきの抜き差しが大変難しかったです。
窓にも当然鉄格子。
そして、ガラスではなくて、アクリル製です。
簡単に割られないように、ということらしい。
友人が仕事に出た後に、水没した部屋の掃除と洗濯に追われていると、
ちいさいお友だちがやってきて、「ここを開けろ~!!」
左端に見える青いのは、私が使わせてもらっているマット、スポンジみたいにしっかり吸水しちゃいました。
ちびっこたちは何やら色々話してくれるのですが、スワヒリ語かカンバ族の言葉なので、サッパリ。
「ごめんね。私、J(←友人の名前)と違って、あなたたちの言葉、まったくわからないの」と言うと、
「あらそうなの?あなた、日本人ね。Jはどこ?」と、英語に切り替わる。
こんなにちっこくて、ばっちくてぼろっちい服を着ていても、バイリンガルですかっ!
聞けばケニアは幼稚園から授業は英語で行われ、小学校から国語としてスワヒリ語を学ぶとか。
だから学校教育を受けていれば、誰しもバイリンガルなのです。
シンガポールと同じだ。
参考までに、ケニアの識字率は70%を超えているそうです。
途上国としてはこれは大変高い。
アフリカ諸国の中でも南アフリカの80%超えに次ぐ数字。
蛇足ですが、世界最貧国のひとつ、ニジェールは識字率も世界最低レベルで28%。
(だからどんな国なのか、行ってみたかったわけです。)
教育はその国の発展と密接に結びついているのです。
家の近所の商店街、っていうか路地の売店。
私たちの目にはおんぼろで廃屋みたいですが、
どれも現役の店舗、野菜や果物など、チマチマと売っています。
「家のまわりでなんでも手に入るから便利だよ~」
「野菜なんて買ったらその場で刻んでくれるから、料理もラクチ~ン」
日本人には衛生面が気になるところですが、
ご機嫌に語る友人はそんなこと考えたこともないんだろうな。
料理上手な友人が作ってくれた最終日の朝食。
フライパンで焼いたトーストと、アボカドとトマトのサラダ、チャイ、というメニュー。
大変美味、ご馳走さまでした。
アボカドとトマトのサラダはケニアではポピュラーみたいでよく食べました。
アボカドは日本で売られているものよりずっと大きくて、ひとつ30円くらい。
濃厚でとろけるようなおいしさ。
シンガポールでアボカドは日本より高くて手が出なかったのですが、
安いスーパーを見つけた今は、私もこのサラダをよく作っています。
後日レシピ公開しますね。
暮らしの中での一番の思い出が、水にまつわるもの。
サイタマエリアは乾燥地帯で、水不足が深刻です。
水道水も乾季にはよく出なくなるそうで、
それぞれの住宅やビルで雨水をタンクに貯めたものを使ったり、外から買ったり。
そのタンクが最上階の友人宅の天井上にあって、
それが水漏れして私が泊まっている部屋が水没したというわけです。
友人宅の水も、さび臭いというか、泥臭いというか、歯磨きした後で、ずっと独特な苦い後味が。
そんな状況下でも、大切な水を使ってお風呂を準備してくれました。
これがバスルーム。
ホットシャワーがでないので、
お鍋や電気コイルで沸かしたお湯を、奥の青紫のたらいに入れて行水します。
赤道に近いから暑いと思われがちなケニアですが、
標高1,600メートルを越えているので、特に朝晩は大変肌寒い。
夜はダウンジャケットを着こんで寝ていたくらい、水浴びなんでとてもできません。
たった1杯のお湯で足りるのか、とっても不安で、
初日はシャンプーやボディソープを使えませんでした。
でも慣れてくると、シャンプーとコンディショナー、ボディソープ、クレンジングや洗顔料、
総動員してしっかり全身洗っても、お湯をいっぱい残せるようになりました。
いかに少ないお湯で、上手に全身洗って、かつ体も温められるか。
だんだんとコツもつかめるように。
「今日は半分以上もお湯が残ったの!」と、
うれしくなって、友人に報告したくらい上手になりましたよ。楽しかった。
ふだんどれだけ水を無駄遣いしているか、よくわかりました。
帰国してからはお金だけでなく、お水も節約上手になりました。
友人、本当にお世話になりました。
旅のプランから手配、そしてネットワークの駆使から、
週末旅行のおつきあいに、私の食事やお風呂の支度まで。
そこまでしてもらえるとは思ってなかったので、すっかり感激。
彼女が地域でも親しまれて、人々の中にすっかり溶けこんでいるというのも、納得です。
最後に、夕食に招待してくれた方のお家を目指す途中の、
村の子どもたちと仲良く手をつないで歩く、彼女の後姿を。
出会う人みんなが微笑みながら彼女に声をかけてくれて、ときにハグしてくれて、
それは夕暮れの美しさとあいまって、大切にとっておきたい、印象的な光景でした。
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