ぽれぽれ百綴り

犬好きおばさんのんびり雑記。

社会復帰かもかも。

2012-09-30 21:36:28 | 日記
最近、忙しい、忙しい、と、何にそれほど時間を割いているのか?
 
こんなへっぽこブログでも、更新を気にしてくださっている方は、訝しくお思いのことでしょう。
そのへんの事情について、確実になるまでは、と思っていたのですが、
確実になったので、お話します。
 
あ、その前に説明しておきます。
本日の写真は昨日のシロさんのお散歩風景です。
 
  彼岸花、満開!
 
私、明日、10月1日から働くことになりました。
 
私が5月から通っていた平日の学校というのは、『求職者支援訓練校』という職業訓練校のようなもの。
去年できた制度による学校だそうです。
制度的には職業訓練を受けられない雇用保険の受給資格の対象外の方が対象。
 
私は雇用保険の受給資格はあったので本来、受講対象外なのですが、
「することがないから、なにかしたいな」
「お金を使わないことがしたいな」(←相変わらずケチ)
「交通費も使いたくないから、近所で将来役に立ちそうな習い事でも」(←そして、どこまでもご都合主義)
と思って、ハローワークに行って、このシステムを紹介してもらったのでした。
 
 明日香村にある古いお家。壁には水車が。
 
シロクマ相方の都合で、もしかしたら6月に次の国へ行くことになるかもしれない。
そういう懸念があったので、働ける状態じゃない。
だからたくさん税金を使って就職を支援するシステムに乗っかることはヒレツではないかな、とか。
一時マジメに考えたのですが、
雇用保険の受給資格があり、相方の扶養に入っている私は、
幸か不幸か月10万円の手当ての受給対象外であるらしい。
しかも、定員割れの学校もあるので、私のようなターゲット外の人間が通うことになっても、
迷惑度や税金の負担はそれほどではないようで。
せっかくいい制度なのに、定員割れなんてもったいない。
「定員割れしている学校なら入る余地がありますよ」と、ハローワークの人も。
 
   おみ足にひっつきムシがついてますよー。
 
それで片道徒歩40分かけて、
パソコンやら簿記やらを教えてくれるとある学校に平日は通うことになりました。
(ケチだから、電車にもバスにも乗らないのー。
でもこの夏の酷暑で、
通学途中で意識が遠のいて倒れそうになって、徒歩通学は断念したのー。)
 
が、クラスメートの大半はターゲットの人たち。
お金をもらっていることもあって、
課されている月に一度のハローワーク通いでは、
担当の方に、熱意を持って就職活動に取り組むよう、厳しく指導を受けているらしい。
 
だけど、
今はこんな時代だから、そうそう簡単にお仕事は見つからなくて。
そんなクラスメートたちのため息交じりの嘆きを耳にしていると、
「私も何かアルバイトでも探してみるべきかな」と思うようになりまして。
だって、みんな大変そうなのに、
ひとりのほほんとしているのはどうかと思うし、同じ気持ちを味わうべきかな、と。
そもそもが就職を支援するためのシステムなんだし、習い事感覚でいてはイケナイのでは。
何より、私自身、生来のビンボー性なので、
お金を使う一方という生活が、本当にしんどくて。
精神衛生上、これはマズイ。
『働けど働けど…じっと手を見る』こそ、私の人生。
 
 
それが、7月なかば。
「そろそろ次の国かも」という6月を乗り越えて、生活も落ち着いてきました。
 
と同時に、
もともと知っていることも多かった授業内容に物足りなさを感じるように。
 
それで、土日に自分で見つけてきた英語関係の学校へ、平行して通うようになりました。
 
アルバイトについては、
ハローワークの求人で「1日4時間、来年3月まで」というのを見つけたので、
「これならノロマな私にも家事や勉強と両立できそう。
扶養控除の範囲内で働けそうだし。
それに短期っていうのも、今の状況だったらかえってありがたい」と思って、応募してみました。
仕事の内容も興味の持てる分野だったので。
応募が多そうなので、年齢的に厳しいかもしれないけれど、前向きな取り組みが大切。
 
 村の神社にも行きました。
 
 
が、
意外にも、その、たった1回の応募がとんとんと話が進み、
面接を重ねるうちに、
「フルタイムで来ませんか?」
「なるべく長い期間、働けませんか?」
となりまして。
「こういう業務があるのですが、興味ありませんか?」
お仕事の内容も、当初の募集とはちょっと違ってきた感じ。
 
   
  段々畑と彼岸花、とシロさん。トタンをならべてあるのは、たぶんイノシシ侵入防止のため。
 
 
アルバイト探しの気軽さで受けた会社で、
こういう展開になるとは考えもしていなかったので、相方に相談。
すると、
「いい話じゃない?
こっちは、しばらくは日本だなって、最近、そういう話になってきたんだよ」と。
 
あっさりとお話を受けられる条件が整いました。
 
そうして、
なんだか自分でも意外なほど順調に話が進み、木曜日、契約にいたりました。
 
もう一度働いてみたい。
ずっとひとつの会社しか知らなかったから、別のところで働いてみたい。
そう思ってはいたものの、私自身の年齢的なことや、相方の仕事都合上の放浪生活を考えて、
はなっからあきらめていたのに、こんなことになるなんて。
思えば、本当にありがたいことです。
 
  
 シロさん、笑ってるみたい…でも実は、早く行きたくてうずうず。
 彼岸花なんて、彼女にはどーでもいいのです。
 
と、謙虚に感謝していたのも最初のうちだけで、
「私の人生ってうまくいくように出来てるんだなー」とか言ってみたり。
 
冗談ですよ。
 
 
平日の学校は円満に中退することになりました。
そもそもが就職するための学校なので、問題ないそうです。
クラスでも就職を急いていなかった私が最初に決まった、というのも皮肉な気が。
私自身のエンプロイアビリティや状況をわきまえて、
あまり選り好みしなかったことも幸いしたのでしょう。
 
そういうわけで、就職先を何度か訪問したり、
業務のための資料を集めたり、読み込んだり、
それ以外の日は、学校に通ったり、ハローワークに報告に行ったり。
 
ハローワークのいつも優しい担当のおじさんが、
「おめでとう。もう戻ってくるんじゃないよ」と、心から祝福してくださったのがうれしかったり。
 
これって出所?」と、若干、女囚の気分を味わったり
 
平日が自由になるのはもうないのだから、と、犬ボランティアに行ったり。
いつもの通院やら、健康診断などで病院にも行ったり。
何かと忙しい日々を過ごしていたのでした。
 
 うずうずシロさんwith彼岸花をしつこく撮ってみた。  
 
 
さあ、後は、10月の出勤日を迎えるだけ、と充実した毎日。
 
 
と、
ここへ来て問題発生。
 
 
着るものが、なーい!
 
服が!
 
下着が!
 
 
OLらしいコましな服を実家に探しに行って仰天。
シンガポールでのびのびダラダラ生活をしていたせいで、
むくむく太って服が入らなくなってしまってたんですよ
 
全滅です。
 
新しい会社は制服がないのに、なんてことだー!!
 
下着はOLも主婦も関係ないので、今までと同じでいいんですよ。
そのはずだったんです。
 
が、
パンツスーツとか、きちんとした格好をすると、あきらかに下着が合ってないのがわかって。
20年くらい変わってなかったサイズが、たった1年でこんなことになるなんて。
 
実はシンガポールではひそかに、
「下着のへたるのが、なんだか早くない?」と思っていたんですよ。
でも、
「こっちって、水か洗濯機が良くないんだな」と、あっさり自分で結論。
(洗剤は日本製の輸入物を使っていました。)
 
それは、シンガの水のせいなんかではなく、
絶賛増量中の私のカラダのせいだったんですね!
年甲斐もなく成長したカラダが、
知らず知らずのうちに小さくなった下着を痛めつけていたんですね!
 
 
「助けてドライもーん!!」
 
面接試験のときのスーツを見繕ってくださったデパートの店員さんのところへ、
半泣きで駆け込みました。
 
「とにかく安く!
数がほしいから!
最新のでなくてもいいから!
ついでにこの浦島のび太郎に、最近のOL服のレクチャーを!
お願いドライもーん!!」
 
詰め寄る私。
そのお店にはまだ2回目の来店だったにもかかわらず、このずうずうしさ。
背に腹はかえられません。
  
無理を言って、私の希望にかないそうな色々を倉庫から出してきてもらいました。
20着くらい?
その中からと店頭に並んでいるもの、あわせて9着ほど買いました。
「これで1週間、着まわせます!」と、雑誌の特集のようなアドバイスを受けながら。
何度も何度もコーディネイトやサイズを変えて試着して、
電卓をたたきながら2時間半も店内で粘った末の決断です。
 
それから下着屋さんに直行して、サイズを測ってもらい、一式購入。
何着も買うと服と同じくらい高くつくので、
後は同じサイズのものをネット通販でバカスカ注文
 
ということで、
まだ1円も稼いでいないのに
手痛い出費を負って、OL服と下着がなんとか揃いました。
 
 
ああ、デブって罪!
 
デブって不経済!
 
 
まずは投資分回収のため、
週明けから、中年小太り体型にムチ打って、働きます!
 
  お散歩、お疲れさま。「おやつはまだ?」の視線。
 
こんな私を雇ってくださった奇特な会社の皆さまのことを一番に考えながら。
 
  金曜日は平日最後の犬ボランティアへ。
 このあたりはもう稲刈りが終わってて、赤とんぼがいっぱい飛んでいました。

ケニアの旅の思い出~友人宅での暮らし~

2012-09-29 00:24:27 | Singapore/たび・現実逃避
なんてことでしょう。
今月は1回しか更新していませんでした。
 
こちらのブログ、『去年のあなたはこんな記事をUPしていましたよ』とか、
知らせてくれるのですが、それによると私は、ケニア旅行について書いていたらしい。
去年の今ごろ、学生生活がスタートする前に、
友人を頼って、シンガポールからケニアに2週間ほど旅したのです。
あれはシンガ帰国後、6回目まで書いたところで学生生活が忙しくなり、頓挫したもの。
6回目でまだ旅は3分の一。
あの調子で書いていたら、全20回くらいいきそうで。
 
あと1回分、最終回用にと書いたものがお蔵に入っていたので、出してきました。
なつかしいな。
 
 
では、突然ですが、
当時の原文そのままで眠っていたものをどうぞ。
(ひとり盛り上がっていて恥ずかしい文章だけど、修正する余裕がないのであります。)
「なんのことやら?」と首を傾げていらっしゃる時間のあるあなたは、
こちらの方から順にお読みください。→ケニアの旅1.到着
 
本当に突然でスイマセン。
 
 
************
 
友人には、
「プライバシーに配慮して、住まいの様子は写さないから」と断っていたのですが、
「別にいいよ。どこでも撮って」と言ってもらっていたので、最終日に室内も何ショットか写しちゃいました。
彼女の人格が否定されない範囲でここにも載せていいかな、と。
彼女の人格…
ちらっと見えてしまった彼女の寝室、写真は撮っていませんが、あれを公開したら、
仕事ができる!
いつも身ぎれいで美しい!
そこから形成された彼女のイメージが、雪崩のごとく崩壊すると思います。
 
では、
友人宅での暮らしを紹介します。
 
彼女の住むフラット。
このあたりでは有名な高級マンションです。
行き先がここだと言って、トゥクトゥクに乗ってから、(同じ方向の乗客を拾いながら進むシステム)
建物の前に来たら「ここです!」って言わなくちゃ、と、きょろきょろしていると、
「みんなそこ、知ってるから。大丈夫だから」と乗り合わせた人たちが口々に言ってくれるくらい。
でも、この立派な住まいは彼女としては不満だそう。
ケニアンと同じ視線で生活できるよう、平均的ケニアンと同じ暮らしがしたかった、とか。
その考え方、えらいなあ。
 
部屋から見える風景をいくつか。
 
マンション敷地内の駐車場。
 
この塀で囲った中に、盗難防止のため、夜は車を入れます。
左は放牧された牛。背中にコブがあるのはマサイ牛。ケニアではよく見ました。
普通の牛より高いらしい。
 
裏の空き地には、ゴミをあさるニワトリと犬たちも。
よく犬がニワトリを襲わないな、って思います。
ごみ、見たところ食べものなんてあるように思わないのですが、
犬、ニワトリ、ヤギ、カラスと、入れ替わり立ちかわり色々な動物が訪れます。
時にはヒトも。
 
目の前の道路をまっすぐ右に進むと、サイタマ中心に到着します。
トゥクトゥクのある風景、なつかしいな。
 
うらのベランダで彼女が洗濯物を干していると、ちいさいお友だちが寄ってきてくれました。
はき物、持っているのに、こっちの子たちははかないことも多いそうで。
「ゴミだらけなのに、裸足で大丈夫なの?」
友人に聞くと、
「よく、足の裏にくぎが刺さったとか言って、自分で引っこ抜いてたりする」とか。
痛いのと血がダメな私には、聞いてるだけでもコワイ。
 
右が玄関の様子、左が部屋の窓の様子。
玄関は鉄の扉で2重の鍵、扉の向こうにさらに鉄格子の厳重さ。
これが重くて、立て付けが悪くて…私にはかんぬきの抜き差しが大変難しかったです。
  
窓にも当然鉄格子。
そして、ガラスではなくて、アクリル製です。
簡単に割られないように、ということらしい。
 
友人が仕事に出た後に、水没した部屋の掃除と洗濯に追われていると、
ちいさいお友だちがやってきて、「ここを開けろ~!!」
左端に見える青いのは、私が使わせてもらっているマット、スポンジみたいにしっかり吸水しちゃいました。
ちびっこたちは何やら色々話してくれるのですが、スワヒリ語かカンバ族の言葉なので、サッパリ。
「ごめんね。私、J(←友人の名前)と違って、あなたたちの言葉、まったくわからないの」と言うと、
「あらそうなの?あなた、日本人ね。Jはどこ?」と、英語に切り替わる。
こんなにちっこくて、ばっちくてぼろっちい服を着ていても、バイリンガルですかっ!
聞けばケニアは幼稚園から授業は英語で行われ、小学校から国語としてスワヒリ語を学ぶとか。
だから学校教育を受けていれば、誰しもバイリンガルなのです。
シンガポールと同じだ。
参考までに、ケニアの識字率は70%を超えているそうです。
途上国としてはこれは大変高い。
アフリカ諸国の中でも南アフリカの80%超えに次ぐ数字。
蛇足ですが、世界最貧国のひとつ、ニジェールは識字率も世界最低レベルで28%。
(だからどんな国なのか、行ってみたかったわけです。)
教育はその国の発展と密接に結びついているのです。
 
家の近所の商店街、っていうか路地の売店。
私たちの目にはおんぼろで廃屋みたいですが、
どれも現役の店舗、野菜や果物など、チマチマと売っています。
「家のまわりでなんでも手に入るから便利だよ~」
「野菜なんて買ったらその場で刻んでくれるから、料理もラクチ~ン」
日本人には衛生面が気になるところですが、
ご機嫌に語る友人はそんなこと考えたこともないんだろうな。
 
料理上手な友人が作ってくれた最終日の朝食。
フライパンで焼いたトーストと、アボカドとトマトのサラダ、チャイ、というメニュー。
大変美味、ご馳走さまでした。
アボカドとトマトのサラダはケニアではポピュラーみたいでよく食べました。
アボカドは日本で売られているものよりずっと大きくて、ひとつ30円くらい。
濃厚でとろけるようなおいしさ。
シンガポールでアボカドは日本より高くて手が出なかったのですが、
安いスーパーを見つけた今は、私もこのサラダをよく作っています。
後日レシピ公開しますね。
 
暮らしの中での一番の思い出が、水にまつわるもの。
サイタマエリアは乾燥地帯で、水不足が深刻です。
水道水も乾季にはよく出なくなるそうで、
それぞれの住宅やビルで雨水をタンクに貯めたものを使ったり、外から買ったり。
 そのタンクが最上階の友人宅の天井上にあって、
 それが水漏れして私が泊まっている部屋が水没したというわけです。
友人宅の水も、さび臭いというか、泥臭いというか、歯磨きした後で、ずっと独特な苦い後味が。
そんな状況下でも、大切な水を使ってお風呂を準備してくれました。
これがバスルーム。
ホットシャワーがでないので、
お鍋や電気コイルで沸かしたお湯を、奥の青紫のたらいに入れて行水します。
赤道に近いから暑いと思われがちなケニアですが、
標高1,600メートルを越えているので、特に朝晩は大変肌寒い。
夜はダウンジャケットを着こんで寝ていたくらい、水浴びなんでとてもできません。
たった1杯のお湯で足りるのか、とっても不安で、
初日はシャンプーやボディソープを使えませんでした。
でも慣れてくると、シャンプーとコンディショナー、ボディソープ、クレンジングや洗顔料、
総動員してしっかり全身洗っても、お湯をいっぱい残せるようになりました。
いかに少ないお湯で、上手に全身洗って、かつ体も温められるか。
だんだんとコツもつかめるように。
「今日は半分以上もお湯が残ったの!」と、
うれしくなって、友人に報告したくらい上手になりましたよ。楽しかった。
ふだんどれだけ水を無駄遣いしているか、よくわかりました。
帰国してからはお金だけでなく、お水も節約上手になりました。
 
友人、本当にお世話になりました。
旅のプランから手配、そしてネットワークの駆使から、
週末旅行のおつきあいに、私の食事やお風呂の支度まで。
そこまでしてもらえるとは思ってなかったので、すっかり感激。
彼女が地域でも親しまれて、人々の中にすっかり溶けこんでいるというのも、納得です。
 
最後に、夕食に招待してくれた方のお家を目指す途中の、
村の子どもたちと仲良く手をつないで歩く、彼女の後姿を。
 
  
 
出会う人みんなが微笑みながら彼女に声をかけてくれて、ときにハグしてくれて、
それは夕暮れの美しさとあいまって、大切にとっておきたい、印象的な光景でした。
 
*************
 

犬ボランティアのはずが。

2012-09-07 21:27:06 | いぬ・シロさん
水曜日、私にとっては久しぶりの平日休みだったので、
犬ボランティアに行ってきました。
 
犬ボランティアも久しぶりです。
 
 
 
 
      天井がやたらにぎやかな電車に乗って。
 
 
 
単線の終着駅で下りて、バスに乗り換え、
信号がふたつしかない町を抜けて、田んぼのど真ん中で降り、
 
ずんずん、
 
  
 
ずんずん、
   
        
 
歩きます。
 
 
 
途中はずっとこんな田園風景。
 
稲穂の実りように秋の訪れを感じます。
 
 
そんなのどかな道中で、私の前に軽自動車が停車して。
 
 
 
 
運転席のドアが開いて…
 
 
 
「犬んところに行くんやろ?乗ってくか?」
 
 
 
ひとのよさそうなおじいさんが。
 
 
 
 
この道をよそもんが通るのは、犬ボランティアの施設関係ってお約束なんですかね。
 
 
ちょっと考えたものの、
 
ずっと上り坂を40分と、本当に長い道のりで、
秋の訪れを心底感じるには相当暑い日で、
しかも到着後はハードな散歩ざんまいが待っているため、
ここは体力温存のために、お言葉に甘えさせていただくことに。
 
 
おじいさん、相当な犬好きのようで
 
「前の犬とは、夏も冬も、ずっと一緒のふとんで寝てたなー」とか、
 
懐かしそうに話してくれます。
 
 
 
徒歩では途中で行き倒れそうになるほど遠い道のりも、車だとあっという間、
 
「何時ごろまでがんばるん?気をつけてなー!」と、
 
優しい言葉をかけてくださったおじいさんに何度もお礼を言って、施設に向かいました。
 
 
実は到着まで、ちょっとだけ心配だったんですよ。
ほら最近、ルーマニアで日本の大学生のお嬢さんが事件に巻き込まれてたでしょ?
空港で彼女に声をかけて、同乗した男が犯人だったでしょ?
 
いやだけど、冷静に考えようよ、私。
 
若くてかわいいお嬢さんと同じ目にあうかもなんて、
考える方がずうずうしいんじゃない?
 
存分に犬ボランティアできるよう、気合の入った汚いカッコだし
 
 
おじいさん、ちょっとでも怪しんだりして、ごめんなさい。
 
 
 
施設には、新顔の子犬が6匹もいました。
 
  
 
ううーっ。
 
    
 
子犬って、悶絶するくらいカワイイですね。
 
くーっ、たまりません。
 
 
シロさんの小さい頃も、こんなだったのかなー。
彼女はわが家に放浪の野良犬でやってきたので、私たちはその子ども時代を知らないのです。
 
 
他にも大きくなりかけの子が4匹いました。
 
みんな、元気に育って、いいひとにもらわれるんだよ。
 
 
 
私が担当する犬舎の方に行って、スタッフさんに声をかけると、
 
「猫アレルギーでなかったら、今日は猫をお願いできませんか?」
 
あいにく猫ボランティアさんがいらっしゃらないらしい。
 
猫を最後に飼ったのは、もう20年も前。
 
「扱い方のコツを忘れちゃってるし、私って犬臭いから嫌われるんじゃないでしょうか?」
 
すると力いっぱい、「いや、ぜーんぜんっ、大丈夫ですよ!!」と。
 
 
ここのスタッフは本当に動物にもひとにも優しく、気配りもしっかり出来てスバラシイ。
ボランティア側の希望重視で、担当させてくださいます。
 
それが、犬ボランティアでやってきた私への猫ボランティアへの熱烈な勧誘のしよう。
 
 
これは、相当な人手不足と見た。
 
 
ということで、その日は手始めに猫エイズキャリアの子たちを6匹、
次に別の猫舎に入って、健康な子たちを25匹くらい。
 
ブラッシングしまくりました。
 
散歩のいらない猫は、
 
ブラッシングでスキンシップを取るのが心身の健康によいらしい。
 
猫のふわふわと柔らかい毛とぐんにゃりしなやかな体の感触、久しぶりだなー。
 
そして猫も犬同様、みんな個性が色々。
 
 
ゴロゴロのどを鳴らしてすり寄ってきたり
 
ふーふー、しゃーしゃー、毛を立てて威嚇したり
 
とにかく気配を消して隠れたり、
 
自分の番は終わったのに、そ知らぬ顔でまた順番待ちに加わってたり、
 
あらよっと、軽い身のこなしで私の背中に跳び乗ったり
 
ばりょばりょと元気に私のジーンズで爪とぎしたり
 
すり寄るフリして、私のTシャツで鼻水や目クソをふいていたり
 
おしっこをかけようと虎視眈々とねらってたり
 
 
 
ひとつの猫舎に多いところでは数匹いっしょに暮らしているので、
そんな個性豊かな行動をいっぺんにやられると、
 
とーっても、あわわわ状態になります。
 
 
でも、いろんな性格の猫たちと思う存分ふれあえて、
 
楽しいんだな、これが。
 
結構毛だらけ、
鼻水と目クソでTシャツのすそをかぴかぴにして、
ちょっとだけおしっこ臭くなりながら(←やられた。)、孤軍奮闘しました。
 
 
猫のお世話だけでそろそろ帰らなくちゃいけない時間になったので、
最後にハブアゴーだけ散歩しました。
 
彼は被災地で保護された老犬。
目も耳もかなり不自由で、
そのせいか、状況がわからなくて不安なのでしょう、
人にかみつくことがあるのです。
被災地で事故にあったらしく、あごや目の手術からずいぶんたつ今も、ちょっとお顔が不自然。
だからたぶん、他のボランティアさんは好んで散歩に行かないんじゃないのかなー、と思って。
 
久しぶりのハブアゴーは、いっそう老けたように感じましたが、
散歩に出ると足取りは軽やかで、うれしくなりました。
 
私はしばらく来れないけれど、ハブアゴー、達者で暮らせ。
 
 
     栗の木。
 
 
そうして帰り道、下り坂だからラクとはいえ、
 
くたくたの体でやっとたどり着いたバス停でバスを待っていると、
 
 
今朝のおじいさんの車が!!
 
 
「乗ってくか?」
 
 
最後までいい一日でした。
 
 
                     葛の花。