カトリック菊池教会 


毎週の福音書と典礼にそって人生の素ばらしさを探る一言
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山鹿教会の心の物語

2009年04月06日 | メッセージ(その他)
ブラジルのクリスマス!

その日、司祭は信者でいっぱいの彼の教会に入りながら、すべてに満足してつぶやいた。「信仰は人々の心の中に生きている!」
教会に集まった人々は、クリスマスのミサを祝うためにリオデジャネイロの貧しい地区からやってきた労務者たちである。司祭は信者でいっぱいの聖堂に幸せを感じながら聖なるミサを始めた。しかし、どこからともなく「A B C D…」と繰り返す小さな声が聞こえてきて、集会のじゃまをした。
司祭は、やめるように注意したが、その小さな声は続いた。司祭は声のしている方へ行き、小さな男の子にたずねた。「何をブツブツと言っているのか? 我々の祈りのじゃまをしているのがわからないのか?」 
男の子は恥ずかしさで赤くなり、涙があふれて頬を流れ落ちた。
「お前のお母ちゃんはどこだ?」 司祭は続けた。「ミサでは静かにしているようにと、お前に教えなかったのか?」
男の子は下をむいたまま答えた。
「神父様、ごめんなさい! 誰もぼくにお祈りを教えてくれなかったの。ぼくは、お父さんもお母さんもいなくて、町の道端で育ったの。今日はクリスマス! ぼくは神様と話がしたい! でも、神様の言葉がわからないの。
だから、アルフアベットの文字を全部言えば、神様は、ぼくのアルフアベットを全部聞いて、ぼくの心の中にある神様への言葉を組立ててくれると思ったの。」 
それから、男の子は立ち上がった。「ぼくは、もう行きます。神様と話すことのできる人達のじゃまはしません。」
司祭は言った。「私と一緒に来なさい。」 
男の子の手をとり、祭壇の方へ導いた。そして、信者の方を向くとこう言った。
「今晩、ミサの前に特別な祈りを唱えましょう。アルフアベットの文字だけの祈りを! 私たちが心から神に言いたいと願っている言葉を書きとめてくれるのは神です。神だけが我らの祈りを書くことができるのです。」
司祭は目を閉じて、アルフアベットを唱え始めた。 
彼と一緒に教会全体がくり返した。「A B C D…」
(牧山 文再構成)


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