旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

プライマリ-ケア連合学会の支部

2011-10-31 23:53:32 | 学会活動

学会の支部はなかなか統一がはかれません。3つの学会が合併して問題が生じたわけではありません。旧プライマリ-ケア学会以外は、そもそも支部が成り立つほど会員数が多くはありませんでした。

昨日、北海道でも代議員に集まってもらい、話し合いましたが、多くの意見が、団体ではなく、連合学会の会員のみの支部にしようということでした。

すっきりはしますが、発展性は望めません。

しかし、焦らずいこうと思います。

ぼくの理想は、もう少し医師以外の方々が、全国学会は遠い存在であっても、地方の会には気軽に参加できる。日頃の保健・福祉・教育・医療のネットワークづくりに結びつくような組織です。


第1回北海道地域医療教育研究会

2011-10-30 22:08:08 | 学会活動

9時半から午後1時40分まで教育研究会を開催しました。

主催は当研究所。道の医師確保室が共催。北海道厚生局(国)と道医師会が後援してくれました。50~60名は集まりましたでしょうか。

第1部は医学部卒業直後の臨床研修で1か月行われているプログラムの工夫。

第2部は後期研修に位置づけられている総合内科医養成研修センターのあり方に関する討論でした。

これら二つを合わせて、臨床研修において総合医コースをつくり、熱心な病院の定員を増やしてはどうか、という議論もありました。実現できたらいいなと思います。

きょうの準備もあって二晩ほど深夜に2時間起きて仕事する日々が続きました。昨日今日も研究会で緊張してましたから、右側の額は三叉神経痛のような痛みがあります。神様からの注意信号です。今晩はぐっすり眠りたい。


北海道地域医療研究会

2011-10-29 23:48:38 | 学会活動

1996年からスタートした北海道地域医療研究会が本日開催されました。

いつもと違って「一般演題のポスターセッション」(山田康介委員のアイデア)を設けました。25の演題が集まって大盛況でした。夕張が11題と大奮闘。

基調講演は「働く人の雇用と健康と安全および生活保障を考えながら:地域医療を担う人々へ期待すること」と題して岸玲子先生が熱く、語られました。雇用問題がいかに人々の健康を蝕んでいるか。

雇用の実態は暗澹たるものです。

WHOが世界を蝕んでいる最大の死因は貧困であるという言葉を、ぼくは改めてかみしめました。


『ひとはなぜ、人の死を看とるのか』(鈴木荘一著)

2011-10-28 22:56:19 | 交友

プライマリ-ケア学会の尊敬する先輩鈴木荘一(しょういち)先生から、最新のご著作が送られてきました。

荘一先生からは1987年ごろ、学会で在宅ケア制度の検討委員会で直接ご指導をいただきました。

先生は日本人医師としてはじめてイギリスのホスピスを見学に行きます。創設者であるシシリー・ソンダーズ先生から多大な影響を受け、日本でがん末期患者の疼痛対応に先駆者として活躍されます。

人間と歴史社の佐々木久夫代表が聞き手です。見事に荘一先生の「魂の歴史」を引き出しています。ターミナルケアはプライマリ-ケアの一部として、その哲学が描かれています。

お二人はこのインタビューを1年もかけて行ったそうです。400ページの大著です。死の受容、宗教、安楽死と尊厳死、日本人の死生観、医師教育などなど琴線に触れる言葉がちりばめられている。

魂の歴史をどう継承するか。課題は大きいと思います。


保育所健診から

2011-10-27 23:18:41 | 地域協働

午前中に倶知安町内の3か所の保育所を回りました。

1歳くらいから6歳までの子どもたちの健康状態を観察します。

町内には数名の小児科医がおられますが、なぜか一番暇そうなぼくが引っ張り出されます。

少しふっくりした子、アトピーと思われる子がいました。

前回は年少組から診察を始めると、泣く子が連鎖反応的に多くなるので、今回は年長さんから診察を受けるようにお願いしました。これが大成功。ごく幼い子の一部が泣くだけでした。

「爪どうでしたか?」ってベテランの保母さんに聞かれました。実は前回、爪を長く伸ばした若い保母さんがいたので、子どもを守ろうとして傷つけることを心配したのでした。ぼくから注意したので、今回はそのような保母さんは見当たりませんでした。

一緒に厚生病院から行った看護師のオグラさん。おとなしく優しい方なのですね。膝で立って子どもの診察位置を決めてくれて感激。なかなか言い出せなかったのですが、子ども用の小さな椅子に座ることを勧めました。

まだ幼い子たちですから挨拶もなかなか出てきません。でもしっかり「おはようございます」と言ってくれる子がいて、こちらも元気になります。

「ありがとう」の言葉はもっと出にくいらしく、南保育園の年長クラスのみ全員が「ありがとう」って言ってくれました。とても「健康」を感じました。辻一郎先生の本で「感謝」という心がけが一番健康に通じるという言葉を思い出しました。

*辻一郎:病気になりやすい「性格」5万人調査からの報告(朝日新書)2010年