旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

静岡県訪問

2014-02-28 23:43:49 | 日記
浜松市で開かれる在宅医学会の役員会の前に、榛原(はいばら)総合病院と菊川市家庭医療センターを訪問しました。

榛原総合病院は二つの市町による公立病院ですが、管理委託を徳洲会が受け、今村院長が奮闘しています。佐野潔先生の地域家庭医療センターはこれからという印象を受けました。

佐野先生からは徳洲会全体の今後の家庭医療の教育・研修の夢を聞かせていただきました。離島・へき地に展開できればすばらしいことなのですが、どのように展開できるか課題は多いように感じました。

菊川市家庭医療センターは病院とは独立して離れたところにあります。入院施設はありませんが、巨大な建物です。前は市の保健センターとして使われていたそうです。



待合室も明るい雰囲気。



診察室には津田司先生の思い入れの長椅子が患者さんの椅子の後ろにあります。家族が一緒に診察室に入ったときに座る椅子です。



診察室は10室。毎日100名を超える患者さんが外来に来てくれるそうです。

ケイトン先生

2014-02-27 22:42:25 | 地域協働
米国で精神疾患や慢性の身体疾患のコラボレーティブケアの有効性が話題になっています。そのリーダーはウェーン・ケイトン先生です。

昔、自治医大の地域医療学教室はシアトルのワシントン大学と交流プログラムを持っていました。ケイトン先生は我々への教育のために3週間ほど滞在されました。ご家族で来られ、お子様が風邪をひかれて1週間早めに帰国されました。

ケイトン先生は米国で最もプライマリ‐ケアに貢献してきた精神科医の一人です。

来ににされたころは身体化(somatization)の研究をされてました。心理的問題を言葉で表現できずに身体で表現する人が多いことを見出し、原因やメカニズムの研究をされました。

最近はうつ病などの精神疾患と高血圧・糖尿病などの身体疾患を併せ持つ人が、訓練された看護師やケアマネジャーが継続的ケアを実施することで疾患の改善が見られることを証明したのです。

昨年6月19日発行の米国医師会雑誌(JAMA)にインタビュー記事がのってました。

やや年老いた先生の写真とコラボレーティブケアの図があります。あの優しい目は健在です。

図は患者さんが中心におります。左にプライマリ‐ケア医が、右に精神科衣がおり、上に三者と協働するケアマネジャーがいます。

これから進むべき道を示していただいている図です。


うーん 転送ですか?

2014-02-26 23:18:07 | 診療
ようやくわが町のクリニックを利用してくださったのに。

「腹減った」と元気が出てきたのに。

遠い病院に送ることになって、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

救急車同乗の陽子先生。車で追いかけた福祉の皆様、本当にお疲れさまでした。

講演原稿の整理

2014-02-24 23:10:03 | 日記
昨年12月島根で講演した内容を報告集に掲載してくださるとのことで、テープ起こしした原稿を整理しています。

前沢節は、いつもながらまわりくどい表現で修正が大変です。もう少し、きちんと伝わるように話さないといけませんね。

クセもよく分かります。

「一所懸命」

「すごく

「がんばりました」

「やっぱり」

が何度も何度も出てきます。お聞き苦しいでしょうね。きっと。

反省頻りの整理でした。


日本心身学会北海道支部第39回例会

2014-02-23 23:29:33 | 学会活動
本日は上記の会がありました。今回は一般演題のほか、緩和ケア特集です。

午前中は教育講演二つ。

札幌医療生協ホームケアクリニックの前野宏先生の「在宅緩和ケアの現状と課題」は家族の協力のもと、抗がん剤池沼を避け、葬儀の仕方まで準備された方の例が印象的でした。前野先生のバックボーンである聖書やマザーテレサの話からdoingよりもbeingの大切さを再認識させられました。

北大精神科の田中輝明先生は「緩和ケアとメンタルケア―緩和ケアチームにおける精神腫瘍医の役割―」のテーマでリエゾン精神医学と精神腫瘍学の違いが少し分かりました。医療モデルから心理モデルの違い。震災後のケアも心理モデルの活用が必要。グリーフ(同時多発的喪失体験)に相対する際には「ひと」が問われるとのことです。

午後の特別講演では市立札幌病院精神医療センターの上村恵一先生が「がん患者のこころのケアについて今我々ができること―精神心理的ケアの専門家としての役割はどこにあるのか―」を語りました。

「distress(悩み)をバイタルサインのひとつに」「困った患者はその人独自の現実感をだいじにする」「生まれ方は選択できない。死に方は選択できる。だから後悔もある」などたくさんの教訓をいただきました。

一般演題では腰痛のユニークな治療法が興味深く、活用してみたいと思いました。