旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

地方市町村の医療経営

2014-08-09 00:02:17 | 医療制度
8月8日北海道新聞朝刊には地方の市町村立医療機関の問題が取り上げられています。

提案されているのは「市町村を超えた役割分担と連携」と「大手民間病院に指定管理者になってもらう」ことです。

前者は弱小市町村では当然なされているでしょうが、後者はまだ少数ではありますが北海道でのトレンドになりつつあります。

さて果たして良い方向に進むでしょうか?

月刊誌『北海道の国保』に次のような文章を寄せてみました。


 もともと医療は非営利事業である。民間に経営のノウハウを学ぶことは有用だが、果して公的医療機関のミッションがどれほど実現できるのか。
 本当に必要な地域の医療は何であるか。大病院の専門医が交代で応援に来て、それがいかほど実現できるのか。その医師が持つ医療に対する考え方で町村の医療が大きく左右されてしまってよいのか。医師免許を持つ人がいてくれさえすればよいという昔の状況に逆戻りしないか。
 依頼する側の自治体が地域包括ケアに関する先見力ある見識を持たなければ、危うい医療が展開されるだけである。
 一番大切なのは職員のミッション(使命感)とパッション(情熱)から生み出される仕事に対する姿勢ではないか。町村民が少しでも健康的な生活が送れるように。

医師・看護師 大リストラ

2014-05-19 06:56:39 | 医療制度
週刊ダイヤモンド 2014年5月17日号が面白い。

病院が大リストラ時代に突入するというのです。特集名は「医師・看護師大激変」

元凶は7対1病床(患者7名に対して看護師1名)。2006年にスタートしました。濃厚な看護体制で重症患者を収容する病棟。厚労省の見込みは4万床。増えるは増えるは36万床もできてしまいました。

ベッドが増えても、重症者が増えることにはなりません。多くの病院が重症患者不足。病床稼働率が低下しました。医師、看護師は業務量が減る事態。厚労省が2014年改定で7対1病床の資格条件を厳しくし、2年間で9万床を減らすとのことせす。それによって、7対1病棟所属の看護師は他の部署や医療施設への移動をしなければならなくなります。医者も同じです。

さて、訪問看護ステーションや地域包括ケアへの移動がどの程度行われるのでしょうか?


第8回在宅医療推進会議

2014-03-21 09:39:21 | 医療制度
年1回のみ開催される会議に参加しました。

第8回ということは8年間継続されたことになります。

最初は日本に在宅医療を定着させるにはどのような方法でいくかということが中心的課題でしたが、今や国の医療政策にも大きく取り上げられ、在宅医療の質を問う時代に入ってきたといえるでしょう。

会議の前半は厚労省からの説明。医政局、老健局、保険局の課長クラスが説明しました。

「人生の最終段階における医療にかかる相談員の育成」に予算がついたとも。「夕暮れガイド」も政策的に反映されるようになりました。これはビックリ。相談員の要件が看護師、MSWとなっているのはどうなのでしょうね。

日本医師会からは熱のこもった報告がありました。さて郡市医師会がどれだけ動くでしょうか。医師会が動けば自治体も動く?

スウェーデンの介護事情

2014-02-02 10:00:02 | 医療制度
昨年の5月に国診協の視察団がスウェーデンに視察研修に行かれた時のレポート『スウェーデンの保健・医療・介護・福祉』が送られてきました。

その一部は国診協発行の『地域医療』51:2、3に大原昌樹先生がレポートしています。

充実した福祉介護サービスを謳っていたスウェーデンですが、近年の事情は大きく変わってきたようです。

①ヘルパーはコーヒータイム3分、排せつ介助5分など時間が決められていて、ゆっくり利用者と接する時間がない。
②ヘルパーは外国人が増加し、利用者は昔話ができなくなった。
③田舎では自宅が分散しているので、ヘルパーの派遣効率が悪く、利用者本人が望まない集合住宅に集められている。
④グループホームは効率が悪いので、アパート型や施設型に移行している。

とレポートされています。

うーん。「効率化」が進行し、利用者中心でなくなってきていますね。日本はどうなるのでしょう?

さて、本論の医療は?



病院のゆくえ

2013-10-11 23:58:00 | 医療制度
きのう、きょう 日本の病院の将来見通しの講演を聴きました。

国保連合会事務局長と道保健福祉部からの話で、いずれも出展は社会保障制度国民会議です。

「かかりつけ医」の普及は必須。大病院は紹介状のない患者が外来受診する際に自己負担すべきことが論じられています。

病床の機能分化がはかられ、高度急性期、一般急性期、回復期、長期療養の4種に分けることになります。

北海道では入院患者数は横ばい、外来患者数は減少していくと推定されています。