旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

先輩 お疲れさま

2017-12-31 23:33:13 | ケアマネジメント
1年の最後の一日も看取りです。

不思議なご縁で、この方とぼくとは誕生日が同じ。20年ジャスト先輩。

最初の出会いはこの方の住む町内会の集まりでした。焼肉でした。声がとても大きくて、診療所、いや病院を厳しく批判していました。

そのしばらく後、外来でのお付き合いが始まり、大きな声でいつも説教されている感じでした。でもいつも的を得ていて、こちらは反省しきり。

信頼してくださったのは、この方が通っていた札幌の病院の主治医がぼくと知り合いだったからでしょうか。

難しい病気が見つかっても毅然としておられました。生きる姿勢があれば病気なんか消えちゃうんじゃないとよく言っておられました。

強烈な個性があっても、ご家族からも周りの人からも愛される人でした。

最後はたくさんのご家族に囲まれて安らかに眠られました。長い間、京極町のために奮闘されて、本当にお疲れさまでした。ご冥福を祈ります。

白魚のような指

2017-12-26 23:27:17 | 診療
当地はきのう、きょう、明日と雪嵐です。強烈に横殴りに降る雪、猛烈な風。

そんな中、ゆうべは老人ホームでの看取りをしました。

前回は深夜で、一人の介護員が薄明かりの中、20人のお年寄りを見守り、ひとりの人を看取る、やああ、簡単に「福祉施設での看取り」を提唱してきたけれど、大変なことなのだ、軽く考えていて申し訳なく反省したのでした。

今回は午後10時過ぎ、まだ宵の口でした。猛吹雪の中を自分で運転し、ホームの玄関についたらS君。「待機なのです」と出迎えてくれました。中に入ったらYさんも来てました。介護系のチーフです。夜勤の介護担当者も心強かったろうなと思います。

亡くなられたのは100歳に近い女性。物静かな素敵なご婦人でした。原因不明の熱も出たりはしましたが、比較的穏やかに過ごされ、最後は少量の点滴をしました。

死亡確認をして、失礼しようとしたら、「先生、ルートをはずしていただけますか」と声をかけられました。右手の甲に留置針がありました。しっかりとめたテープをぼくの左手指で一枚ずつはがしながら、右手で握手をするようにして彼女の指を見ました。

白く透き通っていて、その美しさに圧倒されました。白魚のような指。

100年近くを生きて、その美しい指は、やさしさを家族や友人、おそらくさまざまな人に伝えたに違いありません。

帰りの車に突き刺さるような雪。2度ほど強烈なホワイトアウト。

ほのかなせつなさと哀しみを運んだゆび。フロントガラスに幾度となく浮かんでは消えてゆきました。

12月から

2017-12-01 23:07:15 | 診療
きょうからクリニックの診療をひとりでします。
来週、再来週は応援がありますが、1日目はどうだったのでしょう?

インフルエンザの予防接種は隣町から来てくださるので大繁盛(なぜか、わがクリニックは料金が安いという評判らしいです。

で、咳のひどい方もおられたり、新患さんも数名、うーん、なかなか忙しい一日でありました。

まあ、こんなときこそ笑顔でがんばらないといけませんね。

そうだ、とても小さいお子さんが、痛い注射に耐え、泣かずにバイバイと手を振る時の笑顔には救われますね。