旅芸い者放浪記

前沢政次 ブログ

根本原因の探求

2013-07-31 22:12:34 | できごと
「根本原因分析」は医療安全の分野で重要な基本原則の一つとなっています。

JR北海道はその原則を避け、特急のエンジントラブルを繰り返してきました。

数年前の経営会議で社長が投げかけた疑問は、「根本問題まで掘り下げていったら、何年もかかって経営が成り立たない」との技術部門の発言で揉み消された形だったようです。今晩のNHKニュースから、そう読み取れました。

部品ではなくエンジンそのものの構造的問題があったようですから、エンジンの交換となれば確かに相当な創意工夫がないと乗り切れないと役員のほとんどが考えたのでしょう。

残念ながら北海道は危ういところにあるようです。

多くの人が観光に来てくださるのに、鉄道も危ない。観光バスもスピード狂の運転手さんをよく見かけます。このブログでも、その驚きの実態を取り上げてきました。それは効率を上げるといったたぐいのレベルでなく、競争から狂走になっているのです。

この機に北海道人の生き方を根本的に見直してほしい。医療の世界も同じです。

野中猛先生ご逝去

2013-07-30 23:08:48 | ケアマネジメント
7月24日に野中猛先生がご逝去されました。謹んで哀悼の意を表します。

先生はぼくよりも若くまだまだご活躍可能な年齢であったので残念な思いがします。

ただ先生が残されたものは少なくないのでそれが救いです。ひとつは膨大な著作。もうひとつは先生が魂を注ぎ込んで育てた11人のお弟子さんたちです。

精神科医である先生は患者さんのリカバリーを援ける実践からケアマネジメントの重要性を体感され、その研究と教育に心血を注がれました。

ぼくは最近ようやく先生とお付き合いできるようになりました。ケアマネジメント学会の役員として、そして認定ケアマネジャーの会の取り組みを通してです。

そして病気を知りました。

親しくなったときにご著作を送ってくれました。

『心の病 回復への道』(岩波新書)そして『ケア会議で学ぶ ケアマネジメントの本質』(中央法規)です。

しっかり読んで先生のご遺志を継いでいかなければなりません。この2冊は遺書であるような気がします。

地域ケアネットワーク研究会の準備

2013-07-29 22:56:17 | 地域協働
今週末に開かれる第1回羊蹄地域ケアネットワーク研究会の後半部分の準備で、倶知安厚生病院の林久美子看護部長と日座みどり地域連携室師長を訪ねました。

前半の大原昌樹先生のお話は日本の最先端。羊蹄では何ができるか、現場の経験から積み上げていかなければなりません。

いろいろ苦労話をお聴きして、少し光が見えてきました。

各施設の実力情報を集めて冊子を作る

足りない技術を磨いていく

などがまず課題でしょうか?

羊蹄地域のお住まいの読者の皆様ぜひ8月3日(土)14:00から倶知安町保健福祉会館にお集まりください。

「人情力」(清水克衛)

2013-07-27 23:50:51 | ケアマネジメント
「武士道」と対比して登場したのが「商人道」でした。元祖はジェイン・ジェイコブス。カナダの社会学者です。世界中の倫理をシンプル化して2群に分けたのでした。「市場の倫理」と「統治の倫理」

日本では山岸俊男、松尾匡が「市場の倫理」を「商人道」として主張しています。

清水克衛さんは「読書のすすめ」という名前の商店主。2010年に出版した本の題名は 『商売はノウハウよりも「人情力」』(現代書林) 副題は石田梅岩に学ぶ“ちょっとおせっかいな”働き方

マンガで書かれた部分もあってあっという間に読めました。

なぜ読んだかというと、これからのケアマネジメントのあり方を考えていて、基本は技術のノウハウよりも人情力だ と想えたからです。

過疎地における地域包括ケアシステム構築

2013-07-26 23:50:04 | 地域協働
午前中東京での会議のため1便で上京しました。夕方の札幌での会議のためとんぼ返り。

東京は国診協が、北海道は道庁からHIT(北海道研究調査会、五十嵐智嘉子理事長)が研究委託を受けています。

実は2つとも同じテーマでありました。これはぼくだけの幸運なめぐりあわせです。

国診協は委員の一人にすぎませんが、調査研究がワンパターンになりやすいので、医療主導の包括ケアのみを調査対象としないようにお願いしました。住民主導の地域から学ぶ姿勢を持たないと医療機関は進歩しないという危機感をぼくは持っているからです。

北海道は過疎地の研究のはずなのに調査対象はけっこう大きな市。その市の中の過疎地を対象とするのだそうです。調査が市全体となって漠然としたものにならないようにお願いしました。

過疎地の医師不足も話題になりました。

もちろん教育・育成は重要な課題ですが、医師がいなくてもできることはあるので、その点はきちんと調査していくべきと考えました。