
近年、医療の現場では「緩和医療」と「根本治療」という言葉をよく耳にするようになりました。これらの言葉は、どちらも患者さんの健康と生活の質(QOL)向上を目指すものですが、そのアプローチは大きく異なります。
■ 根本治療とは?
根本治療とは、病気の原因そのものを解消し、完治を目指す治療法です。例えば、感染症に対する抗菌薬治療や、がんに対する手術や化学療法などが挙げられます。
病気の根本的な原因に対処することで、患者さんが健康を取り戻すことを目指します。そのため、早期発見・早期治療が重要であり、適切な治療を受けることで、病気の進行を抑えることが可能となります。
■ 緩和医療とは?
一方、緩和医療は、病気による苦痛を和らげ、患者さんが自分らしく生きることを支える医療です。痛みや吐き気などの身体的な苦痛だけでなく、精神的な苦痛、社会的な問題など、患者さんと家族の抱える様々な苦痛に対応します。
特に、進行がんや慢性疾患など、完治が難しい病気に対しては、緩和医療が大きな役割を果たします。単に症状を抑えるだけでなく、患者さんが穏やかに生活できるように支えることが目的です。
■ 両輪で支える医療
本来、病気になった際には、まず根本原因を探り、生活習慣や栄養指導などで改善を図る根本治療が重要です。しかし、高齢化が進む日本では、慢性疾患や進行がんなど、根本治療が難しいケースも増えています。
そのため、症状を和らげ、QOLを向上させる緩和医療の重要性が高まっています。近年では、がんと診断された時から、がん治療と並行して緩和ケアを行うことが推奨されています。
根本治療と緩和医療は、相反するものではなく、互いに補完し合うものです。根本治療が難しい場合でも、緩和医療によって患者さんのQOLを向上させることができます。また、緩和医療によって症状が安定すれば、根本治療の効果を高めることも期待できます。
■ これからの医療
これからの医療は、患者さんの状態や希望に合わせて、根本治療と緩和医療を適切に組み合わせることが重要です。両方の医療が連携し、患者さん一人ひとりに寄り添うことで、より質の高い医療を提供できるでしょう。
■ まとめ
根本治療は病気の原因そのものを解消し、完治を目指す治療法
緩和医療は病気による苦痛を和らげ、QOLを向上させる医療
両者は互いに補完し合い、患者さんの状態に合わせて組み合わせることが重要
このブログ記事が、緩和医療と根本治療について理解を深める一助となれば幸いです。
■ 読者への問いかけ
あなたは、ご自身の健康について、どのような医療を望みますか?
緩和医療について、どのようなイメージをお持ちですか?
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