コロナ元年10月3日
WITHコロナの真っ只中、ここ数日、学問の自由の危機が叫ばれ始めています。日本学術会議の推薦した6人が菅総理から任命されなかったのです。学問の一大事と学術会議が色めいたのも致し方ないことだと想います。
学術会議は科学に関する重要事項を審議したり、研究の連絡をすることを目的にした科学者の組織です。政府に対して提言をするのが役割の一つで、210人の会員は非常勤特別職の国家公務員です。この210人の半数の105人が3年ごとに入れ替わります。
今まではすんなり推薦が通っていたのに6人だけが今回落とされました。しかも、その理由は現状では、何も明らかになっていないようです。そこがまず、問題です。
学問研究についてはその性質からは本来は自由に委ねられるべきです。明らかに反倫理的な人体実験や人類の将来に対する危険となる事等は一定の規制が必要だという事はわかります。
憲法、「第二十三条学問の自由は、これを保障する。」と、あります。この憲法の精神を守って欲しいと想いますが、今回の処置を見ていますと、まさに学問の危機的状況だと想います。
これでは、本来、自由であるはずの学問も時の政権に都合のいい研究ばかりをすることになってしまい、学問でいう真理の追究が危うくなってしまいます。
法律では総理から任命されることになっていますから、この法律がある限り法的には任命権を総理大臣が握っていますので、法の趣旨に照らして任命されないこともありうるでしょうが、こと、憲法ではしっかり保証されていますので、最高裁まで争うことになれば憲法論から、倫理面で問題のある研究等を除いては任命がOKとなるはずだと想いますが、今回はまだ、理由を知らせれてないので、どこの研究で落とされたかは定かではありません。
いずれにせよ、この法律では理由により違法となることも、十分ありますので、最終的には裁判で争われることになるでしょう。それにしても、しっかり理由を言うべきだと想います。