一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

注文住宅を考えたら「住宅の考え方が180度変わる」住宅勉強会やセミナー、他では聞けない住宅や建築がわかるブログ。

住宅トラブル相談から

2010年07月01日 14時07分08秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲ ラスベガスの音楽と噴水のショー  
写真は今回の本文とは関係ありません…(^^)ゞ



今年の後半と新しい月が始まりました。
今朝は全体ミーティングを行い、これから2つの現場へ行ってきます。


その前に、昨日のメールや面談でのトラブル相談について
3つコメントしておきましょう。


質問その1

「間口6メートルの土地に、車庫スペースを造るとき、
道路に平行に車を置くのでしょうか?
それとも直角に縦に置くのが普通でしょうか?」


という質問です。
土地の奥行きも書かれていますが、一般例とするため省略します。

一般的には、その間口では縦列駐車はしにくいですから、
道路と直角に置くことを考えると思いますが、一概には言えません。

常に駐車されているのか?
知人が来たときに、道路にはみ出てもちょっと留める程度か?
将来、縦列駐車用の機械を使う?
土地の高低差は?
前面道路の幅は?


ということで違いますし、

最も大切なことは
家に対する要望や優先事項によって変わってきます。

私が設計する場合は、人と車を少しでも分けたいという
気持ちもありますし、多分、車を縦に置くプランを作成します。

それが無理であったり、
平行に置くことによって要望を叶えることができたり
生じるメリットが大きければ、
そのプランも作成してご提案します。

これは、1階リビングか2階リビングかによって
かなりメリットがかわる場合も2つのパターンを示して
説明しているのと同様です。


今回、トラブルになってからの相談ですので、
どちらが良いかというよりも、そういう説明が
無かったことが一番問題でしょう。

ハウスメーカーの営業や設計は、少しでも早く注文を取り
確定することを会社から求められます。

説明をすると迷うので、省略したのかもしれません。

通常考えれば、6メートルに普通自動車を入れるのは
かなり面倒ですから、説明があってしかるべきでした。



質問その2

「内覧会で障子と建具の隙間が空いていたので指摘し、
「調整します」と回答をもらった。本日引渡し、
「調整はしたが、木自体のそりなのでそれ以上の調整は無理」との回答。
許容範囲なのでしょうか?

下は閉まっていて、真ん中に隙間がある感じ。
反対側はピッタリとしまります。」


というご相談です。

「障子と建具の隙」?というのは、
文面からすると障子同士の隙ということでしょうか?


見ていませんし、それ以上の情報がありませんので
その隙間が許容範囲かどうかは判断できません。


・それは構造的には問題のない隙間なのか?

・構造的に問題があって生じているものなのか?


というのは、敷居や床、建具枠の水平や垂直を
レーザーレベルという器械等で測定します。

また、必要であれば床下に入り土台と基礎の水平も測ります。

家や構造体が傾いていないとか、
水平の誤差が僅かであれば、その時点では問題ありません。

半年後にそれがひどくなっていれば、傾きが進行している
ということになります。

いずれにしても、メールや電話では判断することはできないでしょうから
心配ならば、お近くの信頼できる建築士に見てもらってください。

探す方法がわからない場合は、例えば

建築士事務所協会の名簿から電話を掛けてみて
話を聞いて、この人ならばと思ったら見てもらえば良いでしょう。

有料ですから費用も事前に聞いてください。





質問その3

耐震補強工事について面談で相談された方から、

「この耐震診断で良いのでしょうか?」と質問がありました。

普通は、人が行った耐震設計を現場も見ないで判断はできません。
しかし、図面とその耐震診断の内容を拝見すると
疑問に思える点が多かったので、お答えしておきました。


耐震診断や耐震設計について、無知な工務店や建築士は
たくさんいます。コンピューターを使って計算していますが

理解していないので、その入力の前提が間違ってしまいます。
そうすると正しい答えは出ません。

また、間違っていなくても、
耐震設計の方法は、たくさんありますので、
どれがベターか、べストかは個別の事情や状況に違ってきます。


横浜市であれば、横浜市の無料耐震診断を受けることを
お勧めしますし、

それをもとに工事を行うにしても、
工事を行う業者の言うことが正しいとは限りません。

できるだけ、耐震設計に詳しい設計事務所に設計と監理をお願いして
工事業者とは別にするのが本当は良いのです。



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こんにちは、ミタス一級建築士事務所の清水です。
住まいに興味のある方はもちろん、無い方にも
何となく役立つか、楽しめる内容になることを願いながら書いています。
ご意見があれば、お気軽にどうぞ!

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