一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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外壁防水検査

2007年11月28日 11時15分35秒 | 住宅検査・トラブル相談
▲検査でおかしいと思い、剥がして見ました。

みなさん、おはようございます。

昨日は、現場での外壁部分の防水検査でした。

業者も現場監督も誠実で、職人さんも手抜きはしない人でも気づかないうちに問題が隠れてしまっている場合があります。

この写真は、検査のときに見つけたのですが、サッシの上部に防水テープがありません。コーキングはしてあります。そしてその上から黒い布のようなもの(手でめくっているもの)が、防水のための強い素材で念のため行ってもらったものです。

なぜこういうことが起こったのかと推測すると、ここまでやっているから大丈夫だろうと進んで行きます。隠れてしまっているので、現場監督も職人さんも気づきません。検査でも通常の検査では、わかりませんからOKでしょう。これがわかったのは、わざわざ剥がして見たからです。

これでも、通常の雨では漏りません。台風で強い風向きがこの方向でというタイミングで初めて雨が染みこんできます。風の吹上と毛細管現象で水が窓の上に登っていき、サッシのツバと外壁下地の間から水が染みこんで雨が漏ります。この程度のコーキングでは完全には、水を止められません。

みず道ができてしまえば、後は外部からコーキングをしても台風が来るたびに雨が漏るというパターンが多いです。止まってくれるときも、確率は低いですが原因によってはあります。


私が木造住宅で一番恐れるのは、雨漏れです。そのため、その原因となりそうな部分には神経質なくらい確認します。ホームページを見て頂ければ、築20年程度で外壁はもちろん、柱や土台が気づかないうちに腐っていたというケースは珍しくないからです。

この部分を慎重にしないと、政府の200年住宅の構想どころか地震がくれば30年も持たないということになります。

200年住宅の構想は、メンテナンスを行って200年持たせようという考え方ですが、構造体をかなり交換しなければならないということは、解体することと同じになることがあります。木造の構造体を守るには雨漏れに関して、どこまで慎重に工事を行うかです。


すべての工事の職人さんや現場監督が毎回私の現場を行ってくれれば、考え方の違いは無くなるのですが、そういうわけにはいきません。

幸いにも今までに私が設計監理をした現場で完成してから雨漏れがあったことは無いですが、どんなに慎重に行っても、雨漏れすることもあるでしょう。

ポイントがわかっていながら、少なくともその部分をおろそかに工事をすることはもちろん、確認や指示を安易に考えることはできません。

この雨漏れのポイントをわかっているというのは、実は非常に大切な知識なのですが、あまり重要視されていないのが不思議です。





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