一級建築士の「住宅のヒントと秘訣」

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住宅の床材提案と注意点・無垢材(4)

2006年11月17日 11時37分56秒 | 住宅の材料を考える
おはようございます。清水です。


4日連続の内容ですが、今日で無垢材を一度終わらせましょう。

工事の方法についての注意を致しましょう。

最近の大工さんは、意外に無垢の床材を張っていなくて、または張っていても私が思う正しい張りかた、無垢材が当たり前の北米などのテクニックを知らないというか、できない方が多いようです。


そのため、無垢材のクレームを多くしてしまっています。正しく張れれば、材質によっても異なりますし、感じ方の個人差はありますが、気になるほどではありません。

私が現場監督に伝えても、現場監督経由ですと正しく伝わらないので、いつも大工さんに直接お願いするようになりました。それでも、最初の大工さんは、「そんな簡単でいいの?それなら楽だ!」と言いながら、結局、不安からか慣れている合板フローリングの張りかたをしたがるのです。(^^;)

大工さんがいつものようにしたがる理由はいくつかあるのですが、ともかく要点を述べましょう。


1番大切なのは、周囲の壁から離して張ることです。1センチくらいといつも私はいいますが、これがなかなかできない。2度目の大工さんでも、つい突けてしまうのです。大工さんが2人いて、手元の大工さんがそうしてしまうのかもしれません。これさえ行って頂ければ、問題が発生するのは、床下収納庫の蓋が、梅雨時から夏にかけて開かなくなる程度の問題で済みます。これは、あとで蓋を削れば解消します。


2つ目は、それぞれを1枚づつ、ハガキ1枚分くらい離して張るのです。季節によっても床材の含水率によっても少し異なることもあるのですが、これは、何度言っても、初めての大工さんはなかなかできません。合板フローリングのように、ピタッと金槌とあて木を使って、押し込みたがります。


3つ目、これもできないのです。接着剤は最後の周囲だけで内部には使用しないということです。現在の大工さんは、接着材で床鳴りを防ぐ方法で工事を行っているので、床鳴りが恐いのでつい使ってしまいます。メーカーもクレームを防ぐため、床材用の弾力性をもった専用接着剤を薦めています。

ですが、健康面を考えても、無垢材が呼吸をすることを考えても、できるだけ避けたいものです。まして床暖を使用するなら健康面ではなおさらです。


そのほか、木を馴染ませるために、開梱して現場に数日置いておくとか、防湿フィルムや防湿シートを使用するなど北米で使われているテクニックなどもありますが、現場の状況によって異なることもありますので、あまり細かいことまでは言わないでおきましょう。


覚えておいて欲しいのは、「壁から離して張り、石膏ボードや幅木でその隙間を隠す」ということと「ハガキの厚み程度、少し隙間を空けて張るということ」です。もし、これを知らずにいつもの合板フローリングのように冬に無垢材を張ったら、多分梅雨時に床下収納庫以外でも苦労することになるでしょう。そして、無垢材は反るから、床鳴りがするから、トラブルから嫌だ、やはり合板フローリングにして接着剤でベッタリ付けよう、と業者は思うでしょう…。



明日は、ホームページで紹介している勉強会を行います。



神奈川県横浜市  ミタス 一級建築士事務所のホームページ 
http://www.mitasu.com/




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