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2024.10.09 長い間、大切にしていた赤い服。

三宅一生のプリーツプリーズは、今年の5月に、創立30周年を迎えたとのこと。

私は、その最初の頃に赤いトップスを買った。

私は阪神大震災で、家が全壊したが、大勢の友人達の献身的な協力によって、

1年半後に、神戸の地へ戻らせていただき、再出発した。

その戻ってきた5月4日、庭に鮮やかな真紅のガーベラ(昔の原種のガーベラは真っ赤であった。)

が咲き誇り、私は泣きそうに感動した。

それは、私の職場の方が、英国から輸入した球根を分けて下さったもので、それを、

母が庭に植えて、咲いた花を見て、母はその気品と美しさに大感激して、母の大の

お気に入りになった上品な真紅の花であった。

 

1年半後、神戸に戻った日、その花盛りの花壇を見た瞬間、私は耳を疑った。

私の耳には、父と母の「おかえり!おかえり!」という連呼が聞こえた様に思った。

「あ、そうか、私は自分の力で戻って来たのではないんだ。」

これが、私の一生忘れられない思い出になった。

その後、私にとって、ガーベラが私の幸せの象徴であり、赤色が私の幸せの色となった。

着るもの、履く靴(その頃赤い靴は、滅多になく大変珍しかった)、ハンドバッグも、コートも、

全て、私は赤を身に付けていた。それから10数年間は、すっかり「赤狂い?」になっていた。

 

その頃、三宅一生のプリーツプリーズが発足し、その後私は、ここの赤いトップスを買った。

プリーツプリーズ発足の数年目ではないかと思う。私は、これが七部袖であることも気に入った。

その後、合わせにくくて、ほとんど着ていなかった。

わたしは、この赤いトップスに、トランプ柄のパンツを合わせたく、ずっと探していた。

トランプの柄のハートとダイヤの赤を、トップスの赤と合わせたかった。

今から1年前の去年、お隣のブティックで、ようやく念願のトランプ柄のパンツを見つけた。

 

昨日から、急に寒くなったので、七部袖の出番だと思った私は、今日、これを着て出かけた。

赤のトップスは、長く着なかった間に、なんだか、古っぽい感じがして、感動が湧かなかった。

 

しかし、何と!

お隣のビルで、エレベータに乗った時、同時に乗ってこられた60代ぐらいの女性が、「この

お洋服素晴らしいですね〜。綺麗な赤ですね〜。」と言われた。

え〜?私は、びっくり!

なぜなら、思ったほど、この服良くはなかったな。着ない間に古臭くなったのかなと思って、

気落ちしていたので、「古い服なので感動がなくなって、気落ちしていましたけど、そうですか?

うれしいです。」と大喜び。

その人は、「古くないですよ。素晴らしいですよ。」と言ってくださった。

生きていると、良いこともあるもんだなという感じがした。(ちょっと、大袈裟だけれど。)

このトランプ柄のパンツを買ったお店「ラ・シュシュさん」へ行って、このことを

報告して、それから写真写真!。

買ってから、30年近く経ってから、褒めてもらったなんて、なんと嬉しい。

この服、今の気温なら、まだしばらく着れそうですよね。

あ〜!良かった! 私って、単純ですね。

トランプ柄のパンツです。

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