Reflections of Tomorrow

シンガーソングライターを中心に、知られざる未CD化レコードを紹介していくページです

Meisburg & Walters

2007-03-23 | SSW
■Meisburg & Walters / See The Morning Breaking■

 窓から外を眺める二人。 通り過ぎる優しい風が目に見えているかのような表情をしています。 ジャケットの雰囲気からして、ジェントルな SSW アルバムに違いないと想像できるこのアルバムは、Steve Meisburg とJohn Walters のユニットのファーストアルバム。 1975 年に Parchment というマイナーレーベルからリリースされました。
 ジャケットから来る印象の通り、二人の優しい声とコーラス、時折はいるペダルスティ-ルやハーモニカが郷愁を誘うような、そんな心温まるアルバムとなっています。アップな曲ではカントリー寄りの傾向が強まりますが、ミディアムやバラードに聴かせる曲が少なくありません。

 なかでも「The Drifter」が群を抜いて素晴らしい出来栄えです。 John Walters のペンによるこの曲は、父親もしくは神父が息子に語りかけるような内容で、「♪Son , life is worth living. Son , live for today♪」と優しく歌われるサビの部分には心打たれます。ラストの繰り返しでは、半音上げる転調をするなど、日本人好みのアレンジとなっています。 この曲だけで、このアルバムは十分というと言い過ぎですが、それほど気に入っています。 しかし、「The Drifter」というタイトルにハズレ曲は無いですね。 Roger Nichols の名曲(本来はシングル盤のみのリリースでした)や、キリンジの「Fine」に収録の名曲のことを思い出します。 個人的には、この 3 曲を「3大ドリフター」と命名したいと思っています。
 A 面では、トラディショナルの「See The Morning Breaking」や、Steve Meisburg のペンによる「I Need You After All」などがほんわかして気持ちのいい曲です。「Ginny Breeding」は人の死を題材にしているだけに、リコーダーなどの音が悲しげに響きます。
 B 面でお薦めなのは、Steve Meisburg 作の「If You Go」や「You’ve Got A Hold On Me」です。ともにミディアムな曲ですが、ふたりのコーラスや優しいアレンジが堪能できる曲です。 他の曲はアップでややカントリー色が強くなっています。ラストの小曲「Just Because You’re You」は、John Walters の曲。 「君は君だから」などと言う歌詞はまるで日本のニューミュージックか叙情派フォークのようです。 日本もアメリカも同じような世界観があるのですね。

 さて、この Meisburg & Walters について調べてみました。 僕の持っているレコードはこのアルバムだけなのですが、Meisburg & Waltersとしては後にメジャーの Casablanca Records から 2 枚のアルバムを発表しています。 1977 年の「Just Like A Recurring Dream」(NBLP7039)、と同年の「Love’s An Easy Song」(NBLP7067)なのですが、前者のアルバムには、この「See The Morning Breaking」に収録している曲が「The Drifter」を含め 4 曲もダブっています。 これは同じ音源なのでしょうか、それとも別なのでしょうか。 とても気になるところです。 1970 年代後半の Casablanca Records は Donna Summer や KISS が爆発的に売れていた時期です。 そんななか、ひっそりと地味なデュオである Meisburg & Walters をプッシュしている余裕などなかったのでしょう。 Meisburg & Walters の音楽は多くの人の耳に触れることもなく、彼らもやがてシーンから消えていったのです。

 

■Meisburg & Walters / See The Morning Breaking■

Side-1
See The Morning Breaking
The Drifter
She’s Still On My Mind
I Need You After All
Ginny Breeding

Side-2
High Country
If You Go
Trust
The Medicine Man
You’ve Got A Hold On Me
Just Because You’re You

All Songs composed and arranged by Steve Meisburg and John Walters
Except ‘See The Morning Breaking’ is traditional , lyrics to ‘The Medicine Man’ by Wayne Bourgeous

Vocals : Steve Meisburg and John Walters
Acoustic Guitars : Bobby Thompson , Johnny Christopher , Steve Meisburg and John Walters
Harmonica : Charlie McCoy
Pedal Steel Guitar : Russ Hicks
Bass Guitar : Henry Strezelecki and Don Smith
Electric Guitar : Jim Colvard , Dale Sellars and Steve Gibson
Drums : Kenneth Buttrey and Jim Isbell
Percussion : Farrell Morris
Dobro : Dale Sellars
Banjo : Bobby Thompson and John Walters
Fiddle : Buddy Spicher
Piano : Bill Pursell , Bobby Woods and Ron Oates
Recorder : Bill Puett
Strings : Shelton Kurland and the Members of Nashville Symphony

Parchment Records  PR1002


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1 コメント

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Unknown (william chin)
2010-05-24 18:14:15
Hi, I have been looking for this album all my life, I used to have this album but lost it. Is there a possible you can share this with me, can you convert it to mp3? How much your charging? Please.

My email pixonegrafx@gmail.com
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