＊ 女たちの花見・・ ＊

愛ちゃんの出産の予定日を過ぎたと言う事で、みんなが密かに思っていた。
お花見をしようじゃないか・・と、予定日が来るまでは予定が経たなかったから。
夫も息子のお休みの日曜にでもしようかと言っていた。　
昨日長女から電話で「明日行こうよ、でないと日曜なんてもしも・・」そうなのである。
昨日その件を愛ちゃんにも伝えてあった。

朝夫とてん君にちょっと覗きよって言ったけど、無理無理、けど気になっているやろうね、二人いえ息子も。

西区、区民センターの西側の土佐稲荷神社、隣は土佐公園である。
夫も、長女の婚約者も、息子の太郎も、次女の夫てん君も、それぞれのパートナーは仕事だけれど、
申し訳ないかな一生懸命働いてもらって、女四人でいいじゃんいいじゃん、桜楽しんじゃおうよ。

「わぁー・・」　みんなで思わず言った。　神社も公園も桜の花でいっぱいだ。　満開である。
境内や公園には場所取り用にブルーシートがいっぱい敷かれてあった。　すでに宴会を始めている人、
ちょうどお昼時なので、サラリーマンや女子社員たちが楽しげにお弁当を広げている。
近くの人らしき子供を遊ばせているお母さん達も大勢いる。　みんなが笑顔でのどかな風景だ。
桜の花の下で次女がほぼ作ったお弁当をみんなで食べる、ゆったりとした時間。　　境内の桜を愛でながらお賽銭を投じみんなで拝んだ。　今日のそれぞれの思いは多分ひとつ？

愛ちゃんが朝からデザートにと苺のムースを作って来てくれた、ちゃんと冷たくして。

満開の桜の花の下、こんなデザートまで・・、私たちは幸せやねと言った。
沢山でている屋台で、みんなで旦那さんにと、お土産に鯛焼きを買う。　
そのお店の若いきれいな奥さんが、愛ちゃんに笑顔で言った。
「もう今にもぽん！って飛び出しそうやね！」　そうです、もうすぐ・・。
こんなに美しい桜の咲いているときに入院なんてね、可愛そうだよね。
赤ちゃんに桜の花見せてあげられて良かったよね、これで安心して生まれて来るよ。