仕事前の息子、娘たち、お母さんやお姉さん妹さん夫婦みんなして病院へ向かう、退院の日の朝。
大にぎわい、なんと言う幸せ。
初めて編んだのだと言う愛ちゃんの、愛情が編みこまれたおくるみにくるまって、ヒロくんは午前
早々と退院、パパに抱かれて。
朝の面会は許されず、仕事柄夜中帰宅の為生まれた我が子に会えなかった待ち遠しさが、
子供を見つめる目にいっぱい溢れている。 それを見るだけで胸がいっぱいになる。
愛ちゃん、生み終えたその瞬間から母親の顔になっているからすごいね、その力。
そうだよ、ママが植えたラナンキュラスが咲いているベランダ、ここがヒロくんの家、広いでしょう。
いっせいにカメラの攻勢、え！ 一、二、三、四、五・・ まるでスター、そう今日はヒロくんが主役。
後ろ髪引かれる思いで仕事へ向かうパパ。 がんばってよ、一人増えたのだから、大切な家族。
パパの仕事柄、みんなが色んな思い抱えていくと思う、ずっとずっと。
早く帰りたいパパ、早く帰って欲しいと思う愛ちゃん、そしてヒロくん。
みんな辛いと思うよ。 ばあばだってそれを思うと胸が詰まるよ、いつもいつも。
でも与えられた環境の中で、せいいっぱい喜んで生きて行ってよね。 きっといいことになるから。
まるで見えるような目、みんなに注目されながら、ヒロくんの名前と幸せな空気が漂う、部屋いっぱいに。
慣れない台所、お母さんもお姉さんも大変。 でも来て下さったことへの大いなる感謝。
夜は、愛ちゃんのお祝いの食事を囲む。 夕食時にはいつもいないパパに、心はせながら乾杯、
みんなが心の中で・・ね、きっと、多分。