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唱元 四つの幸せの条件

2008-08-03 | 無能唱元・唯心円成会
四つの幸せの条件
 今日は本物の徒然草を読んでいて 心からなるほどなあ、と思い入った部分について お話してみたいのです。
 それは徒然草の第一二三段です。
ここには 人間の次の四つの条件さえ守れば本当に幸せに生きられる、と書いてあったのです。
「無益なことをして時をすごす人を 愚かな人とも,間違ったことをする人ともいっていい,君のために,否応なしにしなければならないことは多い。
それをしたあとの余暇などどれほどもない。よく考えてみるがよい。人間の身として、やむにやまれずあくせくするのは、
 第一に食うもの,第二に着るもの,第三に住むところである,人間にとって大事なものは、この衣食住の三つにすぎない。飢えることもなく,寒くもなく、風雨にも侵されないで,心静かに日々をすごすことを人の楽しみというのである。
 ただし,人は誰でもみな病気になる。病気にかかってしまうと、その苦悩は耐えがたい。だから,医療を忘れてはならない,衣食住に薬を加えた四つのものが手に入らない状態を貧しいという。
この四つに不足のない状態を富んでいるという。
 この四つ以外のものを求めてあくせくするのを贅沢というのである。この四つのものを求めて倹約するならば,誰も不足を感じることなどないはずだ」(以上監修・荻野文子 大人の古典より)
 ところで,以上の徒然草を監修された荻野文子氏は、かつては経済的に困窮していた時代があったそうです。
 そして,徒然草のこの段を読むことによっておおいに力づけられたとのことです。

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  感情のままに行動してはいけない 超然としていよう
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感情のまま・・理性的・・理性を超えた・・真理・心理
四つの幸を  食・・安全な物・・国として自給自足の精神で,大多数が輸入食品では
       着・・流行を追わなければ、背広・シャツにしろ,良く持ちますね   住・・落着く場・居場所が,磁場が良い・・
       薬・・健康の維持ですね

徒然草・・・
122
人の才能は、文明らかにして、聖の教へを知れるを第一とす。次には手かく事、旨とする事〔專門にする事〕はなくとも、これを習ふべし。學問に便りあらむ爲なり。次に醫術を習ふべし。身を養ひ人を助け、忠孝のつとめも、醫にあらずばあるべからず。次に弓射(い)、馬に乘る事、六藝〔支那の教養ある者の修めた六科、禮、樂、射、御、書、數〕に出せり。必ずこれを窺ふべし。
 文武醫の道、まことに缺けてはあるべからず。これを學ばむをば、いたづらなる人〔無駄な事をする人〕といふべからず。次に、
 食は人の天なり〔書經に「夫食爲2人天1。」天が人を養ふからだ〕。よく味ひをとゝのへ知れる人、大きなる徳とすべし。
次に細工、よろづの要多し。この外の事ども、多能は君子のはづるところなり〔論語に「吾少也賎、故多2能鄙事1。君子多乎不レ多也。」〕。詩歌にたくみに、絲竹に妙なるは、幽玄の道、君臣これを重くすとはいへども、今の世には、これをもちて世を治むること、漸く愚かなるに似たり。金(こがね)はすぐれたれども、鐵(くろがね)の益多きに如かざるがごとし。
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123
 無益の事をなして時を移すを、愚かなる人とも、僻事する人ともいふべし。國の爲君の爲に、止む事を得ずしてなすべき事多し。その餘りの暇、いくばくならず思ふべし。人の身に止む事を得ずして營む所、第一に食ひ物、第二に著る物、第三に居る所なり。人間の大事、この三つには過ぎず。飢ゑず、寒からず、風雨に冒されずして、しづかに過(すぐ)すを樂しみとす。但し人皆病あり。病に冒されぬれば、その愁へ忍び難し。醫療を忘るべからず。藥を加へて、四つの事、求め得ざるを貧しとす。この四つ缺けざるを富めりとす。この四つの外を求め營むを驕とす。四つの事儉約ならば、誰の人か足らずとせむ。

124
是法法師〔兼好と同時代の僧にして歌人〕は、淨土宗に恥ぢず〔同宗中誰にも遜色なきを云ふ〕と雖も、學匠をたてず〔學者として居ない、學者ぶらない〕、たゞ明暮念佛して、やすらかに世を過すありさま、いとあらまほし。
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125
人に後れて、四十九日(なゝなぬか)の佛事に、ある聖を請じ侍りしに、説法いみじくして皆人涙を流しけり。導師かへりて後、聽聞の人ども、「いつよりも殊に今日は尊くおぼえ侍りつる。」と感じあへりし返り事に、ある者の曰く、「何とも候へ、あれほど唐の狗に似候ひなむ上は〔唐の狗は狆で、涙を絶えず湛へて居るが、此の僧も自ら説經に感激して涙を流して居る點が狆に似て居たのである〕。」といひたりしに、あはれもさめてをかしかりけり。さる導師のほめやうやはあるべき。また人に酒勸むるとて、「おのれまづたべて人に強ひ奉らむとするは、劒(けん)にて人を斬らむとするに似たる事なり。二方は刃つきたるものなれば、もたぐる時、まづ我が頚を斬るゆゑに〔兩方に刃のある刀で振り上げると自分の頭を斬るといふのである〕、人をばえ斬らぬなり。おのれまづ醉ひて臥しなば、人はよも召さじ。」と申しき。劒にて斬り試みたりけるにや。いとをかしかりき。