見晴台学園トピックス

 1990年、学習障害や発達障害の中学生・高校生が学ぶ全国にも珍しい父母立の学園です。

学園親のハナシ15

2015年08月20日 | 父母の声

私の娘は、本科3年生。

いまだに会話がトンチンカンな娘との楽しい(^^;)18年間については次の機会に譲って、

今日は、いつもたくさんの感動をもらう見晴台学園の子供達との忘れられないエピソードと私の思いを綴ります。

 

初めてのことが苦手な娘の「ぶどう実習には行かない。お休みする!」との泣きながらの訴えに屈しては、

これから永久にぶどう実習には参加できなくなる…と思い、

急きょ本科3年生のぶどう実習に同行させていただいたときのことです。

 

私は、娘以外の本科3年生の子ども達3人と同じグループでぶどうの袋掛けをやりました。

子ども達は、普段あまり直接には接したことのない私のアドバイスを素直に受け入れて、

一生懸命取り組んでくれました。

それだけでも、うれしかったのですが、バスの中や電車を待つ時間に、

他の子ども達も私に自分の好きな電車のことやアルバイトのこと等いろいろな話をしてくれました。

 

そして、同じグループだった2人の男の子が帰りの電車から先に降りていくとき、

私は、「今日はありがとう。とても楽しかったよ。」と声掛けして、車内から思い切り両手を振りました。

すると、2人ともホームからにっこり笑って手を振ってくれて、

なんと特急電車の通過待ちをしていた6分程の間ずっとそこで待っていて、

私の電車が発車するときも一生懸命手を振って見送ってくれたのです。

 

子ども達の純粋な優しさが心に沁みました。

いつも時間に追われてせかせかしている自分が見失っていた大切なことを2人から教えてもらった気がしました。

このとき、私は、彼らの話の中に垣間見えていた夢を叶えてあげたい、一緒に未来を拓いていきたいと心底思いました。

 

 しかし、まだまだ社会の中で、彼らに対する理解と支援は十分ではありません。

 2006年12月に国連で障がい者権利条約が採択されてから、

日本がこの条約を批准するまでに丸7年もかかりました。

日本の国内法が条約の求める水準以下だったため、

法律の改正を先行させる必要があったからです。

日本は、ようやく2014年1月に世界で140番目の批准国になりました。

このことは、障がい者に対する施策において日本がいかに遅れているかを如実に物語っています。

 

 こうして条約の理念を盛り込んだ法律はできましたが、

これを本当に子ども達のために生かしノーマライゼーションを実現するには、

これから私達当事者が社会を巻き込んで活動していく必要があります。

(是非、名古屋市交通局・JR各社・名鉄等の皆様には、電車をこよなく愛し、

律儀で真面目な彼らに適した仕事を振り分けて就労の場を作っていただきたいと思います。

彼らには、その仕事をやれる力があります!)

 

発達障がい児・者に対する理解と支援を得るためにも、

いろいろな面で社会に開かれた学園にしたい、

そして、たくさんの方々と支え合う仲間になりたいと思っています。

 

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