見晴台学園トピックス

 1990年、学習障害や発達障害の中学生・高校生が学ぶ全国にも珍しい父母立の学園です。

20周年祝賀会準備、着々と…

2011年02月24日 | 日々つれづれ
教員募集のお知らせ

 2月27日(日)に行われる見晴台学園開校20周年記念祝賀会
むけて、着々と準備が進められています。

 実行委員会を立ち上げ、各担当にわかれて準備を進めているのですが、
さすが親の方たちはLD集会やみはらしだいまつりなど経験があるので、
手際も良く、忙しい中時間を作って学園に来て準備をしてくれています。

 生徒たちもフィナーレで出し物をするので、小道具作りに、日々の練習にと
大忙しです。

 

 みんなで力を合わせて20年間分のあるものを調べました。
さて、何でしょう?

 
 
 倉庫の奥深くにしまってあったアルバムを引っ張り出して、この機会に
データ化することに。気の遠くなる作業です。
 
  

 遊びに来ていたOBも手伝ってくれました。

 

 リコーダーの演奏、練習期間が短かったけれど、各クラスごとで毎日
自主練をし、きれいなハーモニーになってきました。

 現在190名近い方の参加が確認されており、うれしい悲鳴を上げています。
当日、懐かしい方々とお会いできること、楽しみにしています。

 なお、まだ申し込みをされていない方は、恐れ入りますが準備の関係上、
事前に学園の方まで連絡をしていただけるよう、お願いします。

052-224-7378

教員募集のお知らせ

2011年02月17日 | その他
 2011年4月採用の教員1名を募集します。
発達障害を抱える青年たちの教育に意欲ある方を求めます。
勤務条件等、詳しくは学園までお問い合わせください。

≪採用日程≫
 ・試 験 日:2011年3月12日(土)AM10:00~
 ・出願締切:2011年3月10日(木)必着
 ・試験内容:面接、小論文
 ・そ の 他:年齢29歳まで
       3月9日(水)までに事前見学を必ずしてください。(要予約)


       NPO法人学習障害児・者の教育と
             自立の保障をすすめる会
               見 晴 台 学 園

≪連絡方法≫
  電話:052-224-7378(月~金 AM9:30~5:00)
  E-MAIL:gakuen@miharashidai.com
       (必ずタイトルに教員採用の件と記入)

学園はどこに行っても授業!

2011年02月09日 | 日々つれづれ
 見晴台学園開校20周年記念祝賀会のお知らせ

1月29日・30日と静岡で行われた「高校教育シンポジウム」に
生徒二人+教員で参加してきました。



会場からは富士山も見えました。


 今回参加した分科会は「子ども・青年の発達課題と特別ニーズ問題」で
青年本人の声を聞きたいとリクエストいただき、本科3年生2人が代表で
行ってきました。

 本科3年生はちょうど1月から「専攻科移行プロジェクト」を開始
していたので、それとリンクして
「"ゆっくり学び 自分らしく成長す"ために」
~高等部本科から専攻科へ大きく一歩~というタイトルで発表を
していきました。

~本人レポート一部抜粋~

「自分の好きなことを納得いくまで追求する」
 
 僕は、高等部三年間を終えるけれど、今すぐに働くことは無理なので
専攻科でゆっくり自分の進路を決めたいと思います。これから社会に出
ていつか働くために、専攻科という所で自信をつけたいと思います。

 専攻科は職業人教育で働く技術をみがくのではなく、働くための心を
育てるのだと専攻科プロジェクトで聞きました。なので働く技術だけでなく、
自分の心を大きくするためにみんなといっしょに海外旅行に行きたいと思っ
ています。たとえばイタリアやエジプトです。今、ローマ帝国について調べ
ていること、ずっと前にテレビでエジプト関係の映画を見て、ローマ帝国の
領土をめぐって写真をたくさんとりたいです。そのために国について勉強し
て、アルバイトもして、いくためのお金を集めたいと思っています。他にも
卒論では自分の好きなことを一つにして、納得いくまで研究したいと思いま
す。

「自己決定力が問われる専攻科で、いざ勝負」

 現在本科3年のクラスは、専攻科へ向けた授業「専攻科移行プロジェクト」がスタートしています。この授業で専攻科へのイメージはがらりと変わりました。これまでのイメージに比べて厳しい感じがしました。その理由は「自己決定力」が問われるからです。今の自分は、何もかもが優柔不断、決断力もないに等しい。今までの自分も決断することはあったけれど、そのほぼ全て失敗。それからというもの決断という決断は僕自身していませんでした。
しかし、「自己決定力」が問われる専攻科ではそうは言えません。数多の決断を経て次へと進む。そして最後の最後には卒業論文。記録にも(卒業論文と言う書物)、記憶にも残る(作るまでに体験した苦労など)“卒論”を決断の中から書き上げよう、と思う僕でした。


 会場には高校や大学の先生、大学院生などが参加しており、
熱心に聞いてもらえました。

 質疑応答の時間には、自分たちが大変だった時期、誰に何をしほしかった
ですか?と質問があり、「中学三年の冬で先が見えていなかった。
(進路先が決まっていなかった)そんな時に先生から学園の資料を
もらい、先が見えた」と応え、会場中が「う~ん」とうなづいていました。

 これは中学→高校の接続・ネットワークの困難さと大切さを
意味しており、発達障害を抱える子どもは中学3年の2学期以降に
大変になってくるという現状も報告され、彼らの発言でそれが
浮き彫りになりました。



 夜は同じ分科会の人たちと交流を兼ねて夕食会。
友だちや家族とは違う雰囲気での食事は少し緊張しますが、これから先
こうような機会は多々あるので、一足先に練習。

 とりわけて食べるお料理は全体の量を見通して取る、お料理から遠い人にも
配慮をする、空いたお皿はテーブルの端に……などなど、最初は緊張から
ぎこちない動きでしたが、時間が経つにつれ会話も弾み、動きもスムーズに
なって楽しい時間を過ごすことができました。

 そして分科会終了後はお待ちかねの観光。
会場近くの「駿府城跡」をめぐり。



 今回のシンポジウムに参加することで、自分の今までの歩みや学園のことを
振り返り、それを自分の言葉でまとめる。そしてそれを人に伝える。
さらに、食事の場などでは大人としての扱われ、それにあった振る舞いをする。
最後に観光は頑張った自分たちへのご褒美として、自分たちで企画をすると
とても盛りだくさんのことが経験できた機会となりました。

 専攻科のカリキュラムに「生活者教育」があり、その一つに"研修への参加"
があります。これからも機会があれば、生徒と一緒にどんどんこのような
場に出かけていきたいと思います。

 

 

見晴台学園開校20周年記念祝賀会のご案内

2011年02月07日 | 学園行事
 学習障害児の学園「見晴台学園」は、1990年4月、義務教育終了後の
LD、ADHDなどの発達障害、学習の困難さを抱えた子どもを対象に、名古屋市
南区に全国初の"無認可の高校(5年制)"として開校し、20周年を迎えました。

 見晴台学園の開校は「特別支援教育」の先駆的役割を担うものでした。1人
ひとりの生徒のニーズに応じた豊かな教育内容づくり、卒業後の就労・生活を
見通した確かな育ちを親と共有し合う教育実践、在校生の親が主体となって
学園運営を行う、など公教育の枠にとらわれないカリキュラム、実践、活動は
全国的な注目を集め、発達障害の子どもたち、親、教育関係者などから、多くの
共感と期待が寄せられました。

 2010年11月12日にはその功績が評価され、財団法人博報児童教育
振興会第41回博報賞の特別支援教育部門、並びに文部科学大臣奨励賞を受賞
することができました。たび重なる運営の危機もなんとか乗り越えながら
今日の日を迎えることができましたのも、それぞれの時期に子どもたちのために
よりよい教育を求めてご尽力いただいた本当に多くの方の存在があったから
こそです。
 
 つきましては,開校時から今日までの間、学園でともに学び、支えあった
みなさま、お力添えをいただいた多くの関係者の方々をお迎えし、下記の要領で
「見晴台学園開校20周年記念祝賀会」を開催いたします。

 ご多忙とは存じますが、是非多くのみなさまと20年間を振り返り、
これからの見晴台学園のことを考えていきたいと思っています。
なお、参加可能な方は準備の関係で、事前に学園の方に一報いただけますよう、
よろしくお願いいたします。

                        祝賀会 発起人一同

 名 称:見晴台学園開校20周年記念祝賀会
 日 時:2011年2月27日(日)午後2時 (受付:午後1時30分)
 会 場:愛知県産業労働センター ウィンクあいち 1002室(10階)
       名古屋市中村区名駅4丁目4-38
 参加費:無料


 節分もすぎ、いよいよ春にむけての準備が忙しくなってきます。
春は旅立ちあり、出会いあり…。
わくわくします。

 「恵方巻き」作り。前日から具を仕込み、
 

 出来上がったら今年の恵方"南南東"に向かって一気に丸かじり
 

成人を祝う会

2011年02月03日 | 学園行事
 今年は5名が成人を迎え、在校生一同で学園らしく
アットホームな感じでお祝いをしました。

 この日のために在校生たちは準備を密かにしてきた訳ですが
お祝い会当日、なんと風邪など欠席者が続出。
一時は開催が危ぶまれましたが、ここはなんとかチームワークで
乗り切りました。

 午前中はみだしなみ講座で女子はメイク、男子は眉毛を整えて
もらい、



 プロの手にかかり、目がパッチリ、顔色もよくなりました。
ちょっと乾燥気味なのが気になったので日頃のお手入れは大切です。



その後「見晴台写真館」で記念撮影。
光集めに苦労していましたが、よい写真が撮れました。




 午後からはお祝い会。

学園長から、マッキントッシュでマウスの開発にかかわった人の言葉を引用し、

 ①Think like a traveler(小さな発見も記憶にとめよう)
 ②Treat life as an experiment(失敗を恐れるな)
 ③Nurture attitude of wisdom(いくつになっても学ぶ気持ちで)
 ④Use the whole brain.Tortoise mind.
         (すべての脳を使おう。亀のようなしぶとさで)
 ⑤Follow your passion.(自分の情熱のままに)

という言葉が送られました。一瞬英語にたじろぎながらも、じっくり
説明を聞くと、納得。

 在校生お祝いの言葉、お楽しみ企画「Wikipediaで調べた
"そうだったのか!"1990年クイズ」は三択の選択問題。
1990年は見晴台学園が開校した年でもあります。
そこにひっかけて1990年の流行歌やドラマなどが出題されましたが、
これに盛り上がったのは教員たち。それはそうでしょ!生徒たちは
生まれたばかり、または生まれていないのですから

 その後、後輩たちが"新成人"に送るをコンセプトに選んだプレゼントを
渡し、最後に新成人の言葉がありました。

 在校生を前に緊張した面持ちで、しかし、堂々と挨拶をしました

 *ダイエットやおしゃれをしたい
 *人と助け合えるひとになりたい
 *自分のことを自分で決められる人になりたい
 *下の人(後輩)たちに「あの人は成人なんだなぁ」と
    思われるように頑張りたい          ………

 ここでプログラムは終わりでしたが、この後サプライズ企画が
準備されていました。

 それは新成人を入学時から担任し、昨年学園を去った先生からメッセ
ージが届いていたのです。(後輩の粋な計らい)

 少し抜粋して紹介すると…

 ご成人おめでとうございます。
 2006年の4月、みなさんが本科に入学したときは15歳でした。
 成人を迎えた5人の皆さんは、あのときから今日までにたくさん学び、
経験を積んで、少しずつ大人になってきましたね。そして、これからも
たくさんの人との関わりの中で、大人として成長していくのでしょう。

 
突然ですが、君たちは、どんな大人になりたいですか?
 
 ・自分の仕事をバリバリこなし活躍する大人。
 ・自分のやりたい夢をみつけ、夢にむかって、努力出来る大人。
 ・家族や友だちなど、人との関わりを大切にする大人。
 ・自分の趣味に情熱を燃やし、夢中になれる大人。
 ・大切な人と出会い、恋愛や結婚をして幸せな家庭を築(きず)く大人。
 ・やりたいことは特にないけど、毎日、心おだやかに過ごすことのできる大人。 
などなど…

 大人になると、今まで以上に、楽しいことやワクワクすることをみつけることができ
ます。私も、子どもの頃より大人になってからの方が、また、20歳の頃より今の方が
充実しています。
だから、安心して、君たち一人ひとりが考える、素敵な大人になってください。
 ---ーー省略ーーーーー
最後になりましたが、これからも君たち一人ひとりを信頼しています。
10年後、素敵な表情のできる大人になっていることを願います。

 アットホームなプログラムで進んだ成人を祝う会に続き、
1月いっぱいで"ら・びすた"を卒業するSくんの「追い出しセレモニー」と
盛りだくさんの一日でした。

 学園はこれから2月27日に行われる20周年記念イベントと卒業式の
準備で忙しくなります。その様子はまた後日……