先日、とある日曜日、見晴台学園では生徒と先生と親が一緒に鍋パーティーをしました。
実は、その1か月ほど前に、「みんなで鍋パーティーをしよう!」という提案があり、
親たちが学年ごとに集まって、どんな味がいいか、どんな具材を入れようか、
と打ち合わせをしたのですが……。
「うちの子は、好き嫌いが多くて……。」
「うちの子は、同じ食材でも味付けや調理方法によって食べたり食べなかったり……。」
世間では鍋パーティーは楽しいものなのでしょうが、親がそれぞれ我が子の姿を思い浮かべると、
不安要素がたくさんあることがわかりました。
どの子もおいしく楽しく食べられるようにするためにはどうしたらいいか、
わたしたちの学年はこんなふうに考え、計画を立てました。
① 大人数で1つの鍋をつつくのではなく、鍋を3つにする。
② 3つの鍋は、和風、中華風、洋風の3種類の味にする。苦手な味がある子も、どれかは食べられるかも。
③ 洋風鍋は、始めはコンソメ味でポトフみたいな感じにして、途中でトマトを加える。
そうすれば、トマトが苦手な子は、最初に自分の分を取り分ければいいし、
トマト味が好きな子は、後半に楽しめる。
どちらの味も食べられる子は2倍楽しめてラッキー!
同様に、中華風は後からキムチを追加して、韓国風にする。
そして、肉そのものより加工品の方が好みの子もいるから、ウインナーも用意する。
たかが鍋パーティー、されど鍋パーティーなのです。
1時間ほど続いたその打ち合わせは、持ち寄る食材の相談というよりも、まさに“作戦会議”でした。
そして、親たちの“作戦”は見事に効を奏し、いつもは遠慮がちな〇〇さんも、
好き嫌いの多い〇〇さんも、「おいしかったね。」「いろんな味で楽しかったね。」で締めくくることができました。
親子共々お腹いっぱいで帰ってきてその日は終わったのですが、後になってはっと気付きました。
こんな“作戦会議”が、見晴台学園では日常的に行われているのだろう、と。
我が子は、少人数だと安心して、自分の力やもち味を発揮することができます。
苦手なこともたくさんあるけれど、自分の得手不得手や希望に合わせて選択できる場面があるから、
自分なりにがんばっています。
集中力がなくてすぐに気が散ってしまいがちだけれど、授業の途中で休憩したり、
いくつかの学習内容が盛り込まれていたりすることで、1こま90分の授業にも取り組めています。
また、難しいと思う課題でも、ヒントをもらったり助けてもらったりすることでハードルが下がり、
「できた!」にたどり着くことができます。
我が子は、そんな数々の“作戦”に救われ、学園生活6年目を楽しく送っています。