どおどおと 唸りをあげて街に轟く
希望に満ちた卒業前夜
宮城県気仙沼高文芸部員の作品。
卒業式を明日に控え、わくわく高揚した気分に満たされていたその日に起きた大地震、大津波。
大人と子どもの境目で、傷つきやすい半面、しなやかで逞しい少年少女。
10月頃になってやっと歌を詠む気持ちになったという。
その苦しみ、健気さ、素直さが、まっすぐに伝わってくる。
涙の中に強さと優しさが見える。
隠していた記憶、意識してなかった気持ちを歌に刻むことによって、前に進もうとしているかのよう。
明らかに風化している私の記憶を恥じながら、せめてここに記したい。
・ 「家なき子」 笑って話す友人に
かける言葉が見つかりません
・ 死に顔を 気持ち悪いと思ったよ
ごめんじいちゃん ひどい孫だね
・ 見つからない 友を想って泣いたのは
やっと四月の中頃だった
・ 「頑張れ」と 言われる度にのしかかる
踏み出す足へ 希望の重さ