令和4年3月16日(水)
以上、五つの句に関連する
『荘子』の説話を、師匠は説明。
その説話を紹介。
無足という男が友人の知和に言った。
「人々は名声を追いかけて、
「人々は名声を追いかけて、
利益を得ようとするものだ。
ある人が金持ちになったとすると、
みんなへりくだって尊敬する。
ところが、あんたはそういう世間知が
がないらしく、
智慧が足りないのだな。」
知和は答えた。
「その名声を追いかけて利益を得ようと
知和は答えた。
「その名声を追いかけて利益を得ようと
する人々は、
金持ちを自分の同郷の人と考えたり、
並外れた能力の人物だと考えたりする。
だから、時代の変化や
だから、時代の変化や
ごく一時的な是非の区別をするだけで、
本当の洞察は出来ない。
そういう馬鹿者どもに、
そういう馬鹿者どもに、
尊敬されたからと言って、
長生きをして豊かに生きることが
出来る訳がない。
苦痛な病気と安らぎの健康を
苦痛な病気と安らぎの健康を
自分の体で確かめることもせず、
恐ろしい恐怖と
天にも昇る喜びとを
区別することも出来ない。
だから、馬鹿者どもにちやほやされた
ところで、
何一つ自分の得になることもない。
こういう名声と金持ちは、
こういう名声と金持ちは、
天子になって敬われても、
金持ちだと褒められても、
災いから逃れることは出来ない。
何とつまらない人であることか。」
何とつまらない人であることか。」
無足は、なおも言った。
~つづく~