貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

句会欠席の謝罪の句

2022-03-02 15:47:21 | 日記
令和4年3月2日(水)
升買(ますかう)て 
  分別かはる 
    月見かな
     (九月十四日)
 大坂の住吉神社の大祭では、
九月十三日に新米を供えるそうだ。
 神社に立つ市で升を買い、
日頃の用に用いると富を得るという。
 芭蕉は、その祭に出かけて
升を買うと、
昼頃より雨が降って、
十三夜の栗名月も見られないだろうと思い、
句会を欠席することにして、
宿に帰ってしまった。
 それまでの数日、
日暮れ時に熱が出て、
病んでいたので、そ
れを気遣ってのこともあった。
 翌日はすっかり気分が良くなり、
句会にも出かけていく。
 そこで、芭蕉は富になる升を買ったら、
分別変わって、
皆様の句会を欠席して失礼しましたと、
冗談のように謝ったのが、
この俳諧である。
 この頃、九月十日から二十日頃までは、
夕方に発熱があり、
悪寒、頭痛に悩んでいたと
伝えられている。
 体力も衰えて来た。