貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

人の幸福は、知足を知ることだ!

2022-03-18 13:57:42 | 日記
令和4年3月18日(金)
 無足が言った。
「自分の名声を守ろうとして
暮らさないと、
貧乏暮らしをしなければならんぞ。
 苦労していて、
うまいものも食べられぬぞ。
 それは、長患いの人生と同じでは
ないか。」
 知和は答えた。
「余分なものは要らないのだ。
金持ちを見ると、
財物はたくさんあるのに、
それを大事に持っているだけで、
それが必要な貧乏人を助けよう
とはしない。
 人生の幸福は、
金持ちではなく、
煩わしくない平和な生活だ。
 金持ちになると、
音曲に囲まれて、
自分は楽な仕事をして、
体を太らせている。
 家にいては、強盗を怖れ、
外に出ると、盗賊に襲われると、
心配が絶えない。
 ついには、体がぶくぶくと太って、
苦しむことになる。
 体を駄目にして、
どこに幸福があろうか。」
  (盗跖(とうせき) 篇)
 要するに、金持ちは、
儲けた金を盗賊に奪われはしないかと
いう心配ばかり、
さらに余計な心配と不必要な病気で
苦しむばかりだ。
 老子の言う
「足るを知る」程度の生活こそ、
人間に幸福をもたらすというのが、
荘子の理想とする境地である。