貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

髑髏の世界が美の世界、風雅の誠!

2022-03-28 16:19:39 | 日記
令和4年3月28日(月)
 荘子の哲学は、
説話によって表現されている。
 その散文の世界は
、世の中の常識をひっくり返して面白いが、
美の観点から言うと、
まだるっこくて、
冗長であるとも言える。
『荘子』は、言葉の美という観点からは、
芭蕉によって糾弾されるべき存在である。
 はっきり言って、
『荘子』には、簡潔な文章を目指し、
そういう文章の美を創出することに
人生を賭ける気概がないとも言える。
 ところが、芭蕉は、
俳諧の美の世界を生涯の到達領域と
見定めていた。
 虚実を含めた美の領域が
彼にとっては生涯の到達点であり、
それを達成できるならば
死も望むところだという気概が
彼にはある。
 それが、『荘子』の
無常迅速、
百骸九竅、
行き倒れの髑髏に出合って、
芭蕉を奮い立たせたとも・・・。
 荘子の考えが目指した
髑髏の世界が、
芭蕉にあっては、
美の世界になり、
風雅の誠となった。
 これを言い換えると、
荘子の哲学に動かされて
髑髏の世界を理想として
導かれた芭蕉は、
哲学を美学に延長して、
俳句、俳諧の礎になったと
言い換えてよい。