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増村保造監督『爛(ただれ)』

2006-06-25 16:47:50 | ノンジャンル
 増村保造監督の'62年作品「爛(ただれ)」をW0W0Wで見ました。
 以前はバーのホステスをしていて、今は自動車のセールスマン(田宮二郎)の愛人をしている若尾文子は、田宮の離婚を待って結婚しますが、間もまく田宮の別れた妻は狂い死にしてしまいます。そこへ若尾文子の姪が上京し、東京の学校で裁縫を習うために同居するようになり、若尾が妊娠するために入院している間に姪と田宮ができてしまいます。その現場に踏み込んだ若尾は激怒し、姪に前から打診があった田舎での縁談をまとめて、姪を追い出すことに成功します。そして田宮を自分が独占することに成功するのですが、二人の間には既に深い溝ができていた、という話です。
 この映画の見せ場は、若尾文子の色気もそうなのですが、夫と姪との不倫現場に踏み込んだ時のその激怒の仕方で、まさに鬼の形相といった感じで、若尾文子を改めてすごい女優だと見直した次第です。彼女は'33年生まれですから、当時29歳、油の乗り切った時期だったようです。
 先日見た「清作の妻」と同じく、不安な音楽が絶えず流れていて、映画に暗さを加えています。いわゆる「女の情念」を感じさせる映画ということでしょうか?

奥田英朗『イン・ザ・プール』

2006-06-24 17:53:33 | ノンジャンル
 奥田英朗氏の「イン・ザ・プール」を読みました。
 伊良部総合病院の地下の神経科の伊良部一郎医師(病院の跡継ぎ?)を訪ねる五人の患者の話です。第一話「イン・ザ・プール」では、最近運動をしていないと気付いた患者が水泳をやりだし、それが中毒となっていき、一緒に水泳を始めた医師は50分ごとに水泳を中断されるのを嫌い、夜のプールに忍び込もうをする話。第二話「勃ちっ放し」は性器が勃起したままになってしまった患者がいろいろ苦労した後、医学生の見せ物になったことに激怒することによって治るという話。第三話「コンパニオン」は、常に誰かから見られている気がして、夜も眠れなくなったコンパニオンが、オーディションでいたずらをされ、それまで気を張って生きてきたのをそれを機にやめたら、治ったという話。第四話「フレンズ」は、携帯のメールを常に打って無いと落ち着かない青年は、携帯を無くしたことをきっかけに本当の友人が自分にはいないことに気付くが、伊良部の開いたクリスマス・パーティーに行き、少し元気になるという話。第五話「いてもたっても」は、火の元が気になって何度確認しても不安になる男が、次第に症状が悪化していくが、二つの事件で偶然に自分がヒーローになり、家も賄い付きの下宿に引っ越すことになる話。
 医師がとびっきりの変人で、患者に触発されてすぐ奇行に走り、患者が注射されるのを見るのが趣味で、ただ一人いる看護婦も美人だが無愛想で刺激的な制服を着て、患者をどきりとさせる、といったキャラクター。
 かなりコミカルで面白い小説で、奥田さんの新境地といったところでしょう。エキセントリックでコミカルな小説が好きな人にはオススメです。

井筒和幸監督『パッチギ!』

2006-06-23 16:11:25 | ノンジャンル
 井筒和幸監督の'05年作品「パッチギ!」をWOWOWで見ました。
 朝鮮学校と日本の高校生との抗争であけくれる京都で、朝鮮学校の吹奏楽部でフルートを吹く美少女に恋をした、人のいい日本人の高校生がフォークギターを練習し、日本ではフォーク・クルセイダースが歌って発禁になった「イムジン河」を歌うことによって、在日朝鮮人の人々に受け入れられる、という話です。
 高校の左翼系の教師がロシア人のストリッパーとつき合っていて、最後には教師を辞め、看板持ちになるなど、面白いサイドストーリーもありますが、やはりこの映画の最大の見どころは喜劇的な暴力描写と「イムジン河」という歌のもつ力でしょう。特に、「イムジン河」にこめられた民族分断の悲しみ、またこの歌をともに歌うことによって、その悲しみを共有し、敵対していた者を和解に導く力に、歌のすばらしさを再認識しました。
 井筒監督の映画は、今まであまり見てこなかったのですが、これからはもっと見ていこうと思いました。「パッチギ!」オススメです。

奥田英朗『東京物語』

2006-06-22 17:34:17 | ノンジャンル
 奥田英朗の「東京物語」を読みました。
 著者と同じく1959年生まれの青年が東京に出てきて、1978年から1989年までの中から6日間だけ取り出し、その6日間をどのように過ごしたか、を書いた小説です。第一話「あの日、聴いた歌」は'80年12月9日ジョン・レノンが暗殺された日、ラジオでレノンの曲がかかりまくる中、広告代理店の一社員として仕事に忙殺されていた話。第二話「春本番」は'78年4月4日、上京した日、後楽園球場で行われていたキャンディーズの解散コンサートの熱狂ぶりを外から友人と体験した話。第三話「レモン」は'79年6月2日、大学の演劇部の飲み会で女の子を侮辱し、その後泣いてたと聞き、謝るために彼女を探すが結局自分が騙されてたことに気付くが、その女の子とキスする仲になるという話。第四話「名古屋オリンピック」は'81年9月30日、名古屋で内装を営む実家がオリンピックの名古屋誘致を望む一方、主人公は使えない部下を抱えて仕事に四苦八苦するが、オリンピックは結局ソウルに決まり、名古屋の実家はがっかりするが、東京は無関心だった話。第五話「彼女のハイヒール」は'85年1月15日、親のだまし討ちにあってお見合いした主人公は相手もそうだと知って、急に親しくなり、その日を一緒にすごすことになり、背の高い彼女はハイヒールをパンプスに履き替えてくるが、気分を害するとまたハイヒールに履き替え、結局二人は親しくなるという話。第六話「バチェラー・パーティー」は'89年11月10日、独立した主人公は、取引先の地上げ屋に飲みにつき合わされ、同僚のバチェラー・パーティーに遅れていき、そこで将来のことをいろいろ考える。そしてその日ベルリンの壁は崩壊し、時代は着実に変わっているのだった、という話。
 私も主人公、つまり著者と同じ年の生まれなので、時代的な感覚はびったしでした。そこで、「シティーロード」が「ぴあ」に続いて隔週になったというのは間違いで、「シティーロード」は月刊のままだった、というような指摘もできる訳です。
 小説としては気軽に読める小説で、これまで読んだ奥田作品とはちょっと色合いが変わったな、と思いました。今後の小説の成りゆきを見守りたいと思います。

なまはげ兄弟

2006-06-21 16:49:51 | ノンジャンル
 「みうらじゅんと安斎肇の勝手に観光協会」を放送している、スカパーのEXエンタテイメント(275チャンネル)が、7月から「みうらじゅん&安斎肇のなまはげ兄弟」という新番組を始めるそうです。
 番組は2時間の生番組。一体どんな番組になることやら。「勝手に観光協会」の面白さが2時間に拡大されたとしたら、これは事件です。必見の番組となるでしょう。
 以前にも触れましたが、「勝手に観光協会」でなまはげを取材した時の二人の興奮度が尋常じゃなかったので、そこから「なまはげ兄弟」が誕生したのだと思います。
 それにしても気になるのは2時間という時間です。この長丁場を二人でどうもたすのか、見物です。
 これも以前にも書きましたが、スカパー未加入の方で加入したいという方は、電気屋さんに相談して下さい。大手の電器店なら無料でアンテナとその取り付けをしてくれるはずです。したがって、初期費用はスカパーへの加入料だけ。その後は、スカパーの基本料金410円に見たいチャンネルの料金(ちなみに275チャンネルは315円)を加えた金額を払えば見られます。