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ポール・オースターの『ミスター・ヴァーティゴ』

2006-06-07 16:57:30 | ノンジャンル
 現在手許にあるポール・オースターの本では最後となる「ミスター・ヴァーティゴ」を読み終わりました。
 浮浪児だった主人公は師匠に拾われ、訓練の末、空中浮揚ができるようになります。各地の公演は大成功でしたが、ある事故がきっかけで、飛ぶと頭痛がするようになり、二人はショーを諦めます。そして次ぎの夢へと二人は行動を開始するのですが‥‥。
 全体が四部に別れていて、書きようによっては一部の内容で一冊の本が書けてしまうほど、中身が詰まっていて、すべてのエピソードを書いていたら、それで一冊の本が書けてしまうほどです。
 空中浮揚というエピソードだけで、一冊の本のテーマになると思うのですが、主人公が空中浮揚できなくなってから、また新たなドラマが始まり、読み終わると、2册の本を読んだ感じがします。本の詳細は「Favorite Novels」の「ポール・オースター」の項に掲載しておきましたので、そちらをご覧ください。
 抽象的な文章もほとんど無く、無駄な描写もなく、この後に書かれた作品をすぐにでも読みたいのですが、しばらく手に入りそうにもありません。ということで、今後はとりあえず、「サウスバウンド」ではまった奥田英朗さんの本を読んでいこうと思っています。どんな世界が待っているのか、楽しみです。