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フィリップ・バランティーニ監督『ボイリング・ポイント/沸騰』

2022-09-27 06:16:05 | 日記
 フィリップ・バランティーニ監督の2021年作品『ボイリング・ポイント/沸騰』を、先日、「あつぎのえいがかんkiki」で観ました。

 パンフレットの「STORY」の文章に一部加筆修正させていただくと、
「ロンドンでも指折りの人気を誇る高級レストランのオーナーシェフ、アンディ・ジョーンズ(スティーヴン・グレアム)は、今まさに人生の崖っぷちに立っていた。つい最近、妻と別れて家を出たアンディは、事務所を寝床代わりにしていて心身共に絶不調の状態だ。おまけに、最愛のひとり息子ネイサンとの約束をうっかりすっぽかしてしまい、せめて電話で謝らなくてはと考えている。しかしアンディには、その時間の余裕すらなかった。今日はクリスマス直前の金曜日。彼の店には予約がぎっしり入っていて、通常よりはるかに大勢の客をもてなさなくてはならないのだ。
 スタッフが開店準備に奔走している店内に入ると、いきなりアンディは嫌な問題に直面した。何かとうるさい衛生監視官が抜き打ち検査にやってきて店の安全評価を「5」から「3」に落としたのだ。それはアンディが衛生管理ファイルの記入を怠ったせいだった。さらに食材の発注を忘れていたアンディは、セレブシェフのアリステア(ジェイソン・フレミング)が来店すると聞いて胸騒ぎを覚える。テレビの料理番組で人気を博しているアリステアは、アンディの元同僚にして因縁浅からぬライバルでもあった。
 18時過ぎに店がオープンすると、フロア係が次々と客をテーブルへと案内していく。オープンキッチン形式の厨房でアンディとともに腕をふるうのは、頼れる女性副料理長カーリー(ヴィネット・ロビンソン)、キレやすい性格が玉にキズの男性料理人フリーマン(レイ・パンサキ)という顔ぶれだ。アンディの共同経営者の娘である支配人ベス(アリス・フィーザム)が取り仕切るフロアスタッフも大忙し。(中略)パティシエや洗い場担当のスタッフが働く厨房の奥のスペースでもトラブルが持ち上がっていた。
店内はたちまち満席となり、厨房には怒涛の勢いでオーダーが舞い込んでくるなか、来店したアリステアを出迎えたアンディはまたも動揺させられる。アリステアが事前の予告なしにグルメ評論家のサラ(ルルド・フェイバース)を同伴してきたのだ。そんなとき客から突き返されたラム肉料理の焼き加減をめぐって、カーリーとベスの口論が発生した(中略)日頃の予約過剰と仕事量に見合わない給料に不満をため込んでいたカーリーは、「あんたが大嫌い。みんなの嫌われ者よ」とベスを激しく責めなじる。
 アンディはアリステアが注文したカモ料理を自らテーブルに運ぶ。「おいしいよ。だが、ソースがちょっと深みに欠けるな」。そんな嫌みたらしいセリフをつぶやくアリステアに、アンディはなぜグルメ評論家を連れてきたのかと問い詰める。するとアリステアは態度を一変させ、脅迫じみた取引を持ちかけてきた。アンディが背負っている20万ポンドの借金の埋め合わせとして、この店の経営権を譲れというのだ。
 アリステアの理不尽な要求を拒んだアンディに、さらなる追い打ちをかける緊急事態が勃発した。恋人とともに来店した女性客が突然アレルギー発作で倒れ、救急車で搬送される騒ぎが起こったのだ。ここぞとばかりにアンディに歩み寄ったアリステアは、副料理長のカーリーに不手際の責任をなすりつけろと悪魔のように囁きかける。
 発作を起こした女性客からは、事前に「アレルギーのため、ナッツ類はNG」というリクエストを受けていた。厨房スタッフ全員が集まって検証した結果、サラダのドレッシングにクルミ油が使われていた事実が判明。しかも、新人スタッフにそのドレッシングを使うよう指示したのはアンディだった。「あんたって本当にバカだな! 遅刻するわ、発注も仕込みもしない。酒臭いクソったれ、反省しろ!」。その場でぶちキレたフリーマンから容赦ない罵声を浴びせられたアンディは、自分の最大の理解者であるカーリーにまで愛想を尽かされてしまう。
 密かにアルコールに依存していたアンディの心身の不調は、とっくに限界点を超えていた。家族の愛もスタッフの信頼も失った彼の周りには、もはや何も残されていない。なぜ、こんなことになってしまったのか。それでもまだアンディには、かけがえのない家族に伝えたいことがあった。しかし深酔いしたアンディはアルコールを置いてある部屋を出ると、床に転がってしまうのだった。」

 全編ワンシーン・ワンカットで撮られた映画ということで話題になっているそうですが、それ以上でもそれ以下でもない感じでした。ただ、全編を自然光だけで撮影したマシュー・ルイスの仕事ぶりには誉め讃える価値があったと思います。全編ワンシーン・ワンカットということなら、やはりヒッチコックの『ロープ』の方が100倍面白いと思いました。


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