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瀬川昌久&蓮實重彦『アメリカから遠く離れて』その2

2021-05-09 06:02:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。

・「(前略)ごく最近のアメリカ映画を見ますと、その『グリーンブック』もそうなんですが、その前に、スティーヴ・マックイーン監督の『それでも夜は明ける(12 Years a Slave)』(2013)という、これも実話を基にした映画が2014年にアカデミー賞作品賞をとり、今回の『グリーンブック』も作品賞でした。一時、黒人がまったく受賞しなかった時期がありましたが、それに対する反動なのか、最近は黒人が非常に頻繁に賞をもらうんです。」(蓮實)

・「(前略)『嵐の中の青春』はイギリス映画で、これがなかなかいいんです。ヘンリー・コーネリアスの作品です。(後略)」(蓮實)

・「(前略)これも「ヌーヴェル・ヴァーグ」には属しておりませんが、何人かの作家たちがジャズを使ったことはあります。エドゥアルド・モリナロなどという監督の作品にジャズを使った映画が何本かあったように記憶しています。(後略)」(蓮實)

・「(前略)国民投票で憲法改正を決めるといった一部の動きにも、それこそ悪しき「共和主義」幻想だという理由で、反対の立場を立っております。」(蓮實)

・「そもそも、その人が何かをいったということを完全に証明するものは、その人が実際にしゃべっているところか、あるいはその人の署名以外にないんです。(後略)」(蓮實)

・「(前略)今も苦しんでいる人が、いるということをね。ですから、その意味じゃ、沖縄、長崎、広島の甚大な被害をうけた後に完全降伏したからこそ、いまのわれわれは、アメリカのジャズや何かをエンジョイできるんだということはよく承知しないといけない。」(瀬川)「そう、そのことを絶えず頭に置きながら、しかし一方でジャズを聴き、一方で映画を見なきゃいけない。」(蓮實)

・「(前略)醜い現実から逃れるため、三島由紀夫は死に急いでいた。そうとしか思えません。わたくしたちは、かりにいかに醜いものであれ、この世界を否定することだけはしないでいるつもりです。」(蓮實)

・「(前略)一点突破は妥協がない。しかし、真の偉大さは妥協することでしか達成できないものだと思っています。」(蓮實)

・「(前略)ところが、1930年代の中ごろになると、何かが変わってきます。『人情紙風船』(1937)を遺作として中国で戦病死した山中貞雄(やまなかさだお)監督が、自分はこれからソ連のプドフキンではなくハリウッドのマムーリアンを相手にするのだといいきっていたからです。(後略)」(蓮實)

・「(前略)一般には上品な美人女優と思われているであろう原節子として、『東京の女性』と『颱風圏の女』の二作は、異色的傑作と思いました。」(瀬川)

音楽と映画への欲望をやたらに掻き立てられる、そんな本でした、

 →サイト「Nature Life」(表紙が重いので、最初に開く際には表示されるまで少し時間がかかるかもしれません(^^;))(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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