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佐藤多佳子『神様がくれた指』

2007-03-16 16:58:04 | ノンジャンル
 昨日書き忘れたのですが、サブカルサミットで出てた話で、沢尻エリカというタレント(女優)はひどい気紛れ屋で、現場入りする前のスタッフは「今日は機嫌がいい日でありますように」と祈っているそうです。中森明菜(これはウソだったらしい)以来、久々の大物登場です。しばらくは、沢尻エリカから目が離せません。

 ということで、今日紹介する佐藤多佳子作品は「神様がくれた指」です。
 スリで刑務所に入っていた辻は、出所時、育ての母に迎えられ、電車に乗りますが、母の財布が若いスリグループにスラれ、犯人を追った辻は暴力をふるわれケガをします。女装の占い師昼間薫は、その現場にちょうど居合わせ、辻を自宅に連れて帰ってやります。辻はそのお礼に、スリをしてお金を作り、昼間の借金を返してやります。昼間の家に居候するようになった辻は、暴力をふるう若いスリグループを許せず、彼らを捕まえるため、スリの親分西方に情報提供をお願いします。西方は仕事中のスリグループのボスを見つけだし、取っ組み合いになり、西方はホームから突き飛ばされ、電車に轢かれて右手首を切断されてしまいますが、スリグループのボスは昔有名だったスリの竹内の息子であることが分かります。辻は増々怒りますが、そんなある日昼間の家に来た昼間の客の女子高生が辻を見た途端逃げ出します。彼女を尾行した辻は、スリグループのアジトに行きつきますが、逆に捕らえられてしまいます。辻は何とか逃れるために、スリグループのボスの竹内にスリの勝負を挑みます。その挑発に乗った竹内は、辻とスリ合戦をするうちに、辻と気心がしれてきますが、辻が最後に狙ったのが警官だったことで、辻は捕まり、竹内は逃げおおせます。
 数年後、出所した辻は昼間を訪ね、西方一家が堅気になったこと、竹内の居所はまだ知れぬこと、などを語り、お守りにタロットカードを辻に渡し、二人はまた別の人生を歩んでゆくのでした、という話です。
 正体不明の若いスリグループを追って行くところなどは、かなり面白く読みましたが、昼間の客の謎めいた女子高生が、話し出すと普通の女子高生になっちゃうところなどは、かなりシラケました。
 読んでいてブレッソンの映画「スリ」を何度も思い出しましたが、スリの場面の描写はやはり映画にはかなわないな、と思いました。皆さんは楽しく読めるでしょうか? 興味のある方はご一読ください。

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