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宮田珠己『旅の理不尽』

2008-11-07 18:20:31 | ノンジャンル
 オバマ次期米大統領の人事が取りざたされています。パウエル元国務長官の起用など、派閥(?)にとらわれない、実力主義のものになるようです。ブッシュ現大統領が、利益を共有する仲間で固めていたのとは大違いです。周囲の浮かれ騒ぎにも同調せず、未来を冷静に見据えているオバマ氏には、好感が持てます。

 さて、宮田珠己さんのデビュー作「旅の理不尽」を読みました。宮田さんが自費出版した「旅の理不尽~アジア悶絶編」に2つの章を追加して出された本で、会社員時代に行った海外旅行でのエピソードが書かれています。
 内容は「そんなんじゃだめだ熊男(トルコ)」「中国悠久のやっちゃえ、やっちゃえ(中国)」「まずはインド人から悔い改めよ(スリランカ・インド)」「アイスウーロン茶の謎(香港)」「南の国で戒める(ベトナム)」「全面的に私が漕いだ件(ネパール)」「スーさんの屁こき馬(ミャンマー)」「ウミウシを呼べ、ウミウシを(バリ島)」「標高5545メートルの真実(ヒマラヤ)」「謎の女一号二号(タイ)」「死海と肛門の秘密(イスラエル)」「出張の海(パラオ)」「雪山を勘弁してやる(日本)」「不幸の小包(ベトナム)」「坊主オブ・ザ・イヤー(ブータン)」「花畑パカパカ王子(シルクロード)」からなっています。
 上の見出しからも分かるように、デビュー作から軽妙な文体は全開で、それだけで楽しませてくれます。また、中国の列車の車内で、乗客が手鼻をかんでは窓の外や床に振り捨てていたり、食べかすも床に捨て、赤ん坊に小便をさせている母親もいたりすること、ベトナムの女性がきれいなことなどは、高野秀行さんが書いていたのと同じでした。マジックマッシュルームを食べると、髪の毛が緑色や紫色に見えたり、床が波打って見えたり、顔のまわりがネオン状に光って見えたり、目を閉じると万華鏡のようなのが見えたりすること、パスポートにイスラエルの入国スタンプが押されると、アラブ諸国には入国できなくなってしまうこと、エルサレムのユダヤ地区は高級マンションが立ち並ぶが、アラブ地区はスラム化していて、格差が猛烈に激しいこと、死海に入ると2~3分で肛門が痛くなること、ブータンは観光客を年間3000人しか受け入れておらず、必ず全行程にガイドが同行することなどを初めて知りました。
 痛快この上ない本です。オススメです。

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