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ルイス・ブニュエル監督『皆殺しの天使』

2009-08-18 18:05:00 | ノンジャンル
 スカパーの260チャンネル「洋画★シネフィル・イマジカ」で、ルイス・ブニュエル監督の'62年作品「皆殺しの天使」を再見しました。
 20人の招待客を迎える準備をしている使用人たちは、なぜか皆理由をつけて屋敷を離れていきます。台所には熊と数匹の羊が歩き回っています。晩餐の後、ダンス、ピアノ演奏の鑑賞をし、唯一残った執事が明かりを消すと、男性客は上着を脱ぎ出し、女性客とともにその場に寝始めます。夜が明け皆起き出し帰ろうとすると、朝食が運ばれて来て足留めされ、次第に部屋から出られなくなっていることに気付きます。夜になり、食べ物も飲み物もなくなりパニックを起こす客たち。便器の中に崖が見えると女性客たちは話します。皆が寝ている間に老人が一人死にます。数日後、邸宅の外も騒ぎになっていますが、誰も中に入っていけません。中では壁を壊して水道管に穴を開け、皆水を飲みます。極限状態から来る精神的な疲労から侮辱しあう客たち。夜中女性客の一人が動く手首を見てそれを突き刺そうとすると、それは別の女性客の手で高熱ゆえの幻覚だと分かります。夜、言い争いをしていると部屋に数頭の羊がやって来て皆でそれを取り囲みます。しばらくするとクローゼットの中で一組の男女が心中し、隣の部屋では熊が徘徊します。ホストを殺せば外に出られるはずだと何人かの客が言い出し、ホストが自殺しようとすると、一人が今全員が最初の夜と同じ場所にいることに気付き、それからの行動を再現すると、皆部屋から出られるのでした。数日後、大聖堂のミサが終わるとまた誰も出られなくなり、銃声を上げながら逃げまどう市民を追い払う軍によって包囲された大聖堂には羊の群れが入っていくのでした。
 何度見ても面白い映画です。突っ込み所満載で、手首のシーンや客の夢のシーンなどにシュールレアリズムの痕跡が伺えます。'62年の作品とのことですが、もっと昔の作品だと思っていました。当時のヌーヴェル・ヴァーグの人たちの興奮ぶりが想像できるようです。映画好きの方なら文句無しにオススメです。

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