WOWOWで'06年の映画『デス・ルーム』を見ました。蓮實先生がよく書いていたモンテ・ヘルマンを含む監督のオムニバス映画とのことで見たのですが、モンテ・ヘルマンのエピソードは、いきなり二人の主要人物がジャン・ヴィゴの『アタラント号』の話を始めるので、すぐにそれと分かりました。映画自体はどうってことなかったのですが‥‥。
さて、北尾トロさんの'10年作品『全力でスローボールを投げる』を読みました。'08年1月17日号から'09年1月1・8日号までの「週刊文春」に「ガラスの五十代」のタイトルで掲載された北尾さんのエッセイに、一部加筆・修正して作られた本です。
エッセイは大きく分けて、自分が疑問に思っていることを自ら体験して、その体験記を書くというものと、興味ある行動をしている中年男性を観察した結果を書くというものから構成されていました。その中から「へえ~」と思ったものを書き出してみると、
・カルチャー教室のエッセイ講座というのは、年配の女性たちが「切磋琢磨しながらオノレの能力を磨き、共通の趣味を持つ仲間と知り合う」コミュニティの場として機能しているということ、
・ニューヨークのゲイでは、色んな色が共生する「虹」が性の多様性を表す象徴として使われていること、
・京都の縁切神社には、不倫の成就を願うなどの絵馬が本名でガンガン書かれていること、
・日比谷の地下に60畳の禅室を備えた座禅カフェがあること、
・自民党政権の時、総理大臣が代表質問の答弁をする際、与党側の女性議員数名が「ソーリ!」とかけ声をかけていたということ、
・苦労して登った末に至る富士山の山頂には何軒も茶屋があり、興醒めであること、
・宝塚歌劇団は組同士で競い合い、それぞれの組の中で、厳しいレッスンの日々を過ごしながらトップを目指すシステムとなっていること(これはAKB48を秋元氏が作る時、参考にしたのではと思いました)、
・長野県伊那市と下伊那郡大鹿村の境にある分杭(ぶんぐい)峠は、磁場ゼロというパワースポットとして賑わっているということ、
などなどで、勉強になるとともに、北尾さんの謙虚な人柄とこなれた文章力によって、楽しく読ませていただきました。また北尾さんは私と1年しか生まれた年が違わないこともあり、映画月刊誌「スクリーン」のエロ洋画紹介ページに心踊らせたり、シカゴの『サタデー・イン・ザ・パーク』やスピッツの『ロビンソン』が好きであることなど、共通点も多く、今回も不思議な縁を感じました。
こんなに楽しい本なのに、アマゾンの古本ではもう400円を切る値段で売られているというのは驚きです。楽しいエッセイをお探しの方、文句無しにオススメです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
さて、北尾トロさんの'10年作品『全力でスローボールを投げる』を読みました。'08年1月17日号から'09年1月1・8日号までの「週刊文春」に「ガラスの五十代」のタイトルで掲載された北尾さんのエッセイに、一部加筆・修正して作られた本です。
エッセイは大きく分けて、自分が疑問に思っていることを自ら体験して、その体験記を書くというものと、興味ある行動をしている中年男性を観察した結果を書くというものから構成されていました。その中から「へえ~」と思ったものを書き出してみると、
・カルチャー教室のエッセイ講座というのは、年配の女性たちが「切磋琢磨しながらオノレの能力を磨き、共通の趣味を持つ仲間と知り合う」コミュニティの場として機能しているということ、
・ニューヨークのゲイでは、色んな色が共生する「虹」が性の多様性を表す象徴として使われていること、
・京都の縁切神社には、不倫の成就を願うなどの絵馬が本名でガンガン書かれていること、
・日比谷の地下に60畳の禅室を備えた座禅カフェがあること、
・自民党政権の時、総理大臣が代表質問の答弁をする際、与党側の女性議員数名が「ソーリ!」とかけ声をかけていたということ、
・苦労して登った末に至る富士山の山頂には何軒も茶屋があり、興醒めであること、
・宝塚歌劇団は組同士で競い合い、それぞれの組の中で、厳しいレッスンの日々を過ごしながらトップを目指すシステムとなっていること(これはAKB48を秋元氏が作る時、参考にしたのではと思いました)、
・長野県伊那市と下伊那郡大鹿村の境にある分杭(ぶんぐい)峠は、磁場ゼロというパワースポットとして賑わっているということ、
などなどで、勉強になるとともに、北尾さんの謙虚な人柄とこなれた文章力によって、楽しく読ませていただきました。また北尾さんは私と1年しか生まれた年が違わないこともあり、映画月刊誌「スクリーン」のエロ洋画紹介ページに心踊らせたり、シカゴの『サタデー・イン・ザ・パーク』やスピッツの『ロビンソン』が好きであることなど、共通点も多く、今回も不思議な縁を感じました。
こんなに楽しい本なのに、アマゾンの古本ではもう400円を切る値段で売られているというのは驚きです。楽しいエッセイをお探しの方、文句無しにオススメです。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
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