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ウ・フラ『ビルマ商人の日本訪問記』

2009-03-13 17:41:00 | ノンジャンル
 ウ・フラさんが'36年に日本を訪問した時に書き、'07年に翻訳された「ビルマ商人の日本訪問記」を読みました。当時イギリスの植民地だったビルマの現状を嘆き、日本に学んだことを同胞に伝え、鼓舞するために書かれた文章です。
 著者はビルマの問題点をいろいろと挙げています。例えば、国産品の質が悪いので、ビルマ人は輸入品を買いますが、それでは何の国益にもならないので、せめて自分たちで直接外国と商談をし、卸売りも小売りも自分の手でやるようにしようということ。(当時、ビルマの産業や不動産はほとんどがインド人と中国人に独占されていたようです。)そして、日本の長所として、1、清潔 2、人々が互いに尊敬し合う 3、勤勉で、青年に達すれば誰でも仕事につく 4、世帯を分割せず、財産をまとめておく 5、暮らしは質実に、望みは高く 6、金銀宝石を重視しない 7、20歳未満は喫煙禁止 8、賭博の禁止 9、命名法の合理性 10、整備された教育制度、そして短所として、1、語尾に「ね」をつける 2、やたらに「ありがとー」を連呼する 3、へっぴり腰で歩く 4、着物がみっともない 5、敬称が「さん」だけ 6、漢字が多すぎる、を挙げています。また面白かったのは、外国人の目から見ると、日本の土地は無駄なく有効利用されていると写る点。確かにそう言えば遊休地というものが田舎以外では今でもほとんど見当たらず、戦前もそうであったことが分かりました。
 書かれた動機からして、上から目線のエリート意識がありありで、その点に違和感を感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、示唆的な内容は今読んでもためになります。特に、成年に達すれば就業するというのは必ずしも普遍的ではないこと、日本は世界的に見て(いい意味でも悪い意味でも)勤勉なことは、生活の智恵として知っていて損はないと思いました。日本の生活様式を見直してみたい方にはオススメです。

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