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エットーレ・スコラ監督『スプレンドール』

2008-11-14 16:08:16 | ノンジャンル
 昨日、下北沢440というところでライブを聞いてきました。出演者はsureという男女のグループと、はせがわかおり、neko★という女性ボーカルでした。一番インパクトがあったのは、大阪から来てくれたはせがわかおりさんで、素朴でありエネルギッシュであり、とにかく圧倒されました。これからちょっと追っかけてみようと思っています。

 さて、WOWOWでエットーレ・スコラ監督の'89年作品「スプレンドール」を見ました。
 ジョルダン(マルチェロ・マストロヤンニ)が経営する映画館スプレンドールが閉鎖されます。ジョルダンは少年時代、父の手伝いをして、村の広場に設えたスクリーンに「メトロポリス」を上映します。父が映画館を開館した時には人々が殺到し、ジョルダンはクラブの踊子のシャルタンを連れ出し、ネオリアリスモの映画を一緒に見、シャルタンは映画館で働くようになり、「甘い生活」「野いちご」が上映されます。常連のルイジはシャルタンとデートし、やがて映写技師として働き始めます。「Z」「アメリカの夜」「フェリーニのアマルコルド」が上映され、ルイジは好きな映画のコマを盗んで、スライドにして自宅で楽しみます。客が入らなくなったので、ルイジはカフェに客を求めて行きますが、「テレビで何でもやってるから」と相手にされません。ルイジが企画したソビエト映画週間は大赤字となり、ジョルダンに責められます。ジョルダンは客をつなぎ止めるために、映画の合間にストリップショーをやろうとしますが、やはり断念し、殺到した客は帰っていきます。ルイジは新しい恋人を見つけ、その幼い息子に映画の話を延々としてやります。そしてジョルダンは映画館を閉める決心をし、自分の映画館で「素晴らしき哉!人生」を見て涙します。最後の上映には観客が押しかけ、「ホタルの光」を全員が合唱するのでした。
 映画へのオマージュとノスタルジーに満ちた映画です。しかし、あまりにノスタルジーに浸るあまりに、このまま映画の歴史が終わっていくかのようです。そういう点ではかなり反動的な映画なのかもしれません。マルチェロ・マストロヤンニもシャンタルを演じた女優も、フェリーニの映画の中に生きているようで、とても若々しく見えました。フェリーニの映画をまた見直してみたい気持ちにもなりました。ということで、フェリーニ映画のファンの方にはオススメです。

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