3日前から朝日新聞の夕刊に、終戦時9割の学生が喜び、1割の学生が怒り狂ったという高校で自由主義を謳歌したという京大名誉教授の森毅さんのインタビューが掲載されていて、とても面白いです。オススメです。
さて、5月28日の夕刊に俵万智さんのコーナー「かーかん、はあい 子どもと本と私」にいい話が書かれていました。引用しますと、
「朝、子どもが幼稚園に行きたくないと言う。
『どうして?』『どうしても』『どこか痛いの?』『どこもいたくない』『なら、行こうよ』『いやだ、いきたくない』『そういうの、ずる休みっていうんだよ』『じゃあ、ずる休みする』
園バスを見送ったあとも説得したが、とにかく『いかない』の一点張りだ。あまり深追いしても、いい結果にならないような気がして、とうとうその日は休むことにした。
ちなみに息子は去年、年少児ではかなり珍しい『皆勤賞』だった。それが、こんな、なんだかよくわからない理由で休むことになろうとは。とんだ変化球に、私も戸惑ってしまう。
とりあえず、こういう時は気晴らしだと思い、二人で、近所の図書館に出かけた。児童書の並ぶコーナーへ足を運ぶと、懐かしい一冊が目にとまった。『いやいやえん』(中川李枝子作、大村百合子絵、福音館書店・1260円)。小学生の時、夢中になって読んだ記憶がある。息子もまた、題を見て目を輝かせた。
『これだよ。ようちえんじゃなくて、今日は、いやいやえんなんだよ!』
主人公のしげるは、ちょうど息子と同じ四歳だ。やんちゃ坊主で、叱られるようなことばかりしている。しげるがやった17のことが列挙されているページにくると、息子は大喜び。特に気に入ったのが、次の三つだ。
「はなくそを、なめました」「うわばきを手にはいて、かおをなでました」「おべんとうのとき、わざと、にんじんをおとしました」‥‥ぐひぐひ笑って、実に嬉しそう。まあ自分も、似たようなことをやっているのだろう。
机に乗ったことを謝らないしげる。『ちこちゃんもやったから、いい』というのが理由だ。じゃあ、なんでもちこちゃんの真似をするのですねと言って、先生はちこちゃんのスカートをしげるにはかせてしまう。
『なるほど~そういう手があるか』と私が感心している横で、息子は涙目になって、本の中の先生をにらんでいた。ひどい、そこまですることはないじゃないか! と、気持ちは完全にしげるの味方、というよりしげるそのもののようだ。
『いやいやえん』は、保育園に行きたくないというしげるが連れて行かれる不思議な園だ。そこでは、子どもは好き勝手なことばかりしている。悪いことをしても、先生は叱らない。ケンカも、止めたりしない。お弁当は、みんな好きなものしか食べない。
ここで一日過ごしたしげるは、すっかり自分の保育園が懐かしくなる。規則で縛らなくても、好き勝手をやりつくせば、子どもはこうなるんですよ、と囁かれているような気がした。『いやいやえん』は、子どもへの信頼なくしては成立しない。自分は、息子にとっての『いやいやえん』を作ってやれるだろうか。小学生の時には思いもしなかった感想を抱き、最後のページを閉じた。
『いやいやえん」を一緒に読んだからかどうかは、わからないが、翌日から息子は、また元気に幼稚園に通っている。」
何かいい話です。特に、本の主人公が叱られたことの列挙に、俵さんの息子さんが大喜びする場面が最高にいい。また先生の不等な罰に憤慨する息子さんもいい。
私もよく相談を持ちかけられた時言うのですが、人間、何やったって自由なのです。しなちゃいけないこと、こうあらなきゃいけないことなど、人間が勝手に作り出した事で、それに従わなければいけない義務などこれっぽっちもない。ただし、自由を謳歌することによって、人に迷惑をかけたり、人を傷つけたりしたら、それなりのとばっちりは覚悟しといた方がいい、ということです。
人生楽しく生きるなら、まず自由。これが私のモットーです。
さて、5月28日の夕刊に俵万智さんのコーナー「かーかん、はあい 子どもと本と私」にいい話が書かれていました。引用しますと、
「朝、子どもが幼稚園に行きたくないと言う。
『どうして?』『どうしても』『どこか痛いの?』『どこもいたくない』『なら、行こうよ』『いやだ、いきたくない』『そういうの、ずる休みっていうんだよ』『じゃあ、ずる休みする』
園バスを見送ったあとも説得したが、とにかく『いかない』の一点張りだ。あまり深追いしても、いい結果にならないような気がして、とうとうその日は休むことにした。
ちなみに息子は去年、年少児ではかなり珍しい『皆勤賞』だった。それが、こんな、なんだかよくわからない理由で休むことになろうとは。とんだ変化球に、私も戸惑ってしまう。
とりあえず、こういう時は気晴らしだと思い、二人で、近所の図書館に出かけた。児童書の並ぶコーナーへ足を運ぶと、懐かしい一冊が目にとまった。『いやいやえん』(中川李枝子作、大村百合子絵、福音館書店・1260円)。小学生の時、夢中になって読んだ記憶がある。息子もまた、題を見て目を輝かせた。
『これだよ。ようちえんじゃなくて、今日は、いやいやえんなんだよ!』
主人公のしげるは、ちょうど息子と同じ四歳だ。やんちゃ坊主で、叱られるようなことばかりしている。しげるがやった17のことが列挙されているページにくると、息子は大喜び。特に気に入ったのが、次の三つだ。
「はなくそを、なめました」「うわばきを手にはいて、かおをなでました」「おべんとうのとき、わざと、にんじんをおとしました」‥‥ぐひぐひ笑って、実に嬉しそう。まあ自分も、似たようなことをやっているのだろう。
机に乗ったことを謝らないしげる。『ちこちゃんもやったから、いい』というのが理由だ。じゃあ、なんでもちこちゃんの真似をするのですねと言って、先生はちこちゃんのスカートをしげるにはかせてしまう。
『なるほど~そういう手があるか』と私が感心している横で、息子は涙目になって、本の中の先生をにらんでいた。ひどい、そこまですることはないじゃないか! と、気持ちは完全にしげるの味方、というよりしげるそのもののようだ。
『いやいやえん』は、保育園に行きたくないというしげるが連れて行かれる不思議な園だ。そこでは、子どもは好き勝手なことばかりしている。悪いことをしても、先生は叱らない。ケンカも、止めたりしない。お弁当は、みんな好きなものしか食べない。
ここで一日過ごしたしげるは、すっかり自分の保育園が懐かしくなる。規則で縛らなくても、好き勝手をやりつくせば、子どもはこうなるんですよ、と囁かれているような気がした。『いやいやえん』は、子どもへの信頼なくしては成立しない。自分は、息子にとっての『いやいやえん』を作ってやれるだろうか。小学生の時には思いもしなかった感想を抱き、最後のページを閉じた。
『いやいやえん」を一緒に読んだからかどうかは、わからないが、翌日から息子は、また元気に幼稚園に通っている。」
何かいい話です。特に、本の主人公が叱られたことの列挙に、俵さんの息子さんが大喜びする場面が最高にいい。また先生の不等な罰に憤慨する息子さんもいい。
私もよく相談を持ちかけられた時言うのですが、人間、何やったって自由なのです。しなちゃいけないこと、こうあらなきゃいけないことなど、人間が勝手に作り出した事で、それに従わなければいけない義務などこれっぽっちもない。ただし、自由を謳歌することによって、人に迷惑をかけたり、人を傷つけたりしたら、それなりのとばっちりは覚悟しといた方がいい、ということです。
人生楽しく生きるなら、まず自由。これが私のモットーです。
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