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熊切和嘉監督『私の男』その1

2017-06-12 13:06:00 | ノンジャンル
 熊切和嘉監督の’13年作品『私の男』をWOWOWシネマで見ました。
 氷のきしむ音。流氷。海から流氷上に上がって来る娘。波。深夜を示す時計。ガラクタ。起きる青年(浅野忠信)。波打ち際。小屋から炎。顔が汚れた女の子。小屋で何度か爆発。「お嬢ちゃん、家族は?」。
 避難所。北海道南西地震についてのラジオニュース。服も汚れている女の子。
 廊下。水のペットボトルを抱き、歩く女の子。泣き声。遺体置き場。泣きすがる女。おがんで毛布をめくり、顔を確かめる初老の男(藤竜也)。女の子は2番目の女性の遺体のところへ行き、遺体を蹴る。
 外。夕方。髪の毛を編む女の子。女「あんたお金持ってるかい?」
 初老の男「朝から探してるが、父ちゃんと孫が見つからない」。女の子、青年に「お水、飲みますか?」青年「飲もうか」。
 夜。屋内。歩く女の子。人探しの掲示板。蝋燭をつけて歩く青年、女の子に「それ飲まないのか?」「う~ん」「お前一人か」。ペットボトルのキャップを外し、「家族は?」。遺体置き場を指さす女の子。「みんなか?」。こくりとうなずく女の子。「そうか」。女性「腐野さん」青年「久しぶり」「いつこちらへ」「ついさっき」「私は…導犬を連れて。親戚どうでした?」「いたよ。一人」。青年、女の子を抱き上げ、「俺の子だ」。
 昼。初老の男に青年「大塩さん」「迷子か? 分かってるよ。(中略)」女の子に「あんた、えらい目に会ったね。もう大丈夫。あんたすごい。よく一人で戻ったね」「お父さんがね、生きろって。おぶって逃げてくれたから」「うん、うん、ちょっと待ってな」。ストーブの前に行く青年と女の子。「あの人は遠い親戚なんだ」。青年、タバコを吸い、女の子に「何だ? 怒ったのか?」「怒ってない」。大塩、戻って来て「連れて帰っていいって」。
 船に乗ってる女の子「奥尻に来たことある?」青年「中学の時、半年だけ。お前んちに預けられた。それっきり来てない。お前のおばさん、好きだった」大塩「ジュンゴ君、戻ろうか?」。
 上陸する3人。大塩「私はやっぱりこっちに残る」ジュンゴ「俺がこの子の親父に」「女と暮らすのとは訳が違うぞ」「家族がほしいが、作り方が分かんない」。
 森の中を疾走する車。運転するジュンゴと助手席の女の子。
 女の子の回想。津波。女の子を背負い、「大丈夫だ、ハア、ハア」と走る父。迫る波の音。
 泣き出す女の子。手を握り、「俺はお前のものだ」とジュンゴ。
 花。
 朝の漁港。
 犬を連れて散歩する若い女性。女子学生「コマチさん、おはよう」「ジュンゴは?」「いないよ。コマチさんのここ綺麗」と目の切れ目を触る。「少し早いね。産毛も生えてるし。毎日楽しい? こんな町だもんね」。波と風の音。女子学生「この世の終わりだ」と笑う。女子学生の回想。
 警官(モロ師岡)、事務員に「ご苦労さん」「田岡さん、暇なんですね」「パトロール中で忙しいよ。強盗とか、強盗とか、強盗とかないようにしないとね」。
 家路につくコマチ。
 車の中のジュンゴ。
 夜の海岸。
 コマチ「昨日、どこ行ってたの? 仕事だったの?」ジュンゴ「旭川だ」「一人で?」「買い物に」。
 ラブホテルでセックスするジュンゴとコマチ。うつ伏せの全裸のコマチを天上からの俯瞰。後背位。横たわるコマチ。シャワーを浴びるジュンゴ。コマチがジュンゴのポケットを探ると、イヤリングの入った箱が出て来る。悲し気なコマチ。
 コマチが車に乗り、ジュンゴが助手席に乗ろうとするが、コマチは一人で立ち去る。
 窓からイヤリングの箱を捨てるコマチ。
 宴会。酔った男、コマチに「コマチちゃんもジュンゴとそろそろ結婚すれば。もう長いんだろ?」。
 真っ暗な窓の外を眺め、窓に背を向けるとお菓子を食べだすコマチ。ジュンゴが現れると、大塩「やっと来たね。いつもマイペースなんだから。うまくやれてるみたいじゃない? よかった、よかった。ハナちゃん、お晩です」女子学生「今晩は」「よく来たね。まあ上がって」「お邪魔します」。コマチ、堅い表情。
 テレビゲームに飽きるハナは、ジュンゴの手を見て、「指、ケガしてる」と言って舐める。コマチは忍び足で2階へ。ジュンゴとハナの様子をうかがう。コマチ「ジュンゴ、ちょっといい?」「いや」「今話したいんだけど」「別にいい」。「ウフ」と言って、ジュンゴの指を舐めるハナ。自分の指の臭いを嗅ぎ、「臭いの?」と言うと、またハナは「ウフフフ」と笑う。(明日へ続きます……)

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