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熊切和嘉監督『私の男』その2

2017-06-13 09:05:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 コマチ、海の見える公園で車の中。遠くに遊ぶ女子学生たち。帰宅時間を知らせる放送。ハナ「私、休憩」と言って、コマチの許へ。「元気?」「あれ、馬鹿でしょ」「口の中にあるの、飴?」。ハナ、舌出すと、ピアス。「外れ。欲しいって言ったらくれた」「お父さん? あいつまた買ったんだ」「コマチさん、ジュンゴに殺されてもいい?」「何それ?」「コマチさんだったら嫌だろうな。だけどコマチさんは美人。美人薄命って言ってみて。私は殺されたっていい派。ジュンゴは淋しくてずっと我慢してる。家族が欲しいだけ。他人じゃだめ。だからコマチじゃダメってジュンゴ言ってたよ」。
 ジュンゴ「クソみたいな家族だった。皆で死んだ」。
 ハナ「我慢なんてしなくていいと思う。キスしよう。私は嫌じゃないし。して」。飛ぶカモメ。「待つ必要もないと思う。じゃあね。ハハハ」。
 冬の海岸。海鳥。魚の加工工場で働くジュンゴ。
 歩くジュンゴ、ハナ、コマチ。ハナ「チョーつれー」「お前、暇あると海ばかり見てるな」。帰宅するコマチ。
 服を手洗いするコマチ。
 屋外のハナ。大塩「何してんの? 今日も留守?」「久しぶりに夜に携帯が鳴って出てった。ここんところずっと。いいんです。別に。ちゃんと帰ってくるから。男ってそういうもんでしょ?」「大人になったね。幸せか?」「顔見て。でも時々考える。あれのこと」「コマチは東京に出て行ってしまって。本当はあの二人に一緒になってほしかった。もう無理かな?」「うん」「話してくれてありがとう」「あっ、ジュンゴだ。ボーとしてる。じゃあね」。ジュンゴに駆け寄るハナ。「待ってたのか? 何だ?」「何でもない」「ここでか?」。キスする2人。ハナはもっと求め、二人はディープキス。
 ジュンゴ「おい、朝だよ」「ん?」「飯だよ」。外見たハナ「ねえ、流氷だよ」。
 顔を洗うハナ。
 ジュンゴ、携帯で「了解しました」。切るとすぐにこちらから電話し、「あっ、腐野です。(中略)」。ハナの頭をなでるジュンゴ。雑にトーストにバターを塗るハナ。ジュンゴ「少し寝よう。な? 少しの辛抱だ。10日間」。ジュンゴ、ハナの唇を触る。ジュンゴの指を舐めるハナ。ハナの胸を揉むジュンゴ。「シワになる」とハナ。口にキス。ハナ、メガネ外し、シャツを脱ぐ。「ウフフ」。ハナの体を舐め回すジュンゴは、パンティも脱がす。ジュンゴのペニスをズボンの上から触るハナ。その手に血が垂れる。ジュンゴの背中にも血が点々と。騎乗位。二人とも全身血だらけ。天井から血が雨のように降り注いでいる。窓の外に男。それにハナが気づき、二人が体を放すと、血も消えている。「大塩さん?」。
 男子学生「おせえし、さみーし。お前んところ1週間もうちに来ねえとじいちゃんがうるさい。」ハナ「どうする?」男子学生「愛されてんだよ。今朝も散歩とか言って、お前んち行ってんじゃねえの?」。ハナ、立ち止まる。
 ハナ、流氷へ。泳ぐマネ。やがて踊り出す。「チョーかわいくない?」。
 大塩と路上でハナ会う。ハナ「こんにちは」「ちょうどよかった。今日実はあんたのことで旭川まで行ってきた」。ハナ、歩いて行ってしまう。「ハナ、ハナさん!」。ハナ、流氷の上へ逃げる。「危ないから戻ろう。ハナさん、私の話を聞いて。あんたとあの男のことはよく知っとる。あんたはあの男に似てる。カーっとして見境がなくなる。あの男は母の首を絞めた。あんな男に家族なんて無理だ」「無理じゃない」「話というのは旭川に親戚がいて、高校を出るまであんたを預かってもいいと言ってる」「何なのよ? あれが本当の家族?」「早い方がいい。私は誰にも言わないから。これはあんたと私の秘密だ」「決めればいい」「ハナさん、どういうつもりだ?」「あの人は心がほしいの。だからあたしの心をあげただけ。男とか女とか関係ない」「知らないと思うけど、あんたとあの男が……」「本当の父さんなんでしょ? 悲しいよ。最低」「あんた、親子の実感があったのか?」「しちゃいけないことなんてない。同じ血が流れてる。他の誰とも違う」「そんなもの、神様が許さん」「私が許す」。流氷の上に押し倒された大塩、流氷が流れ出して「助けてー。ハナちゃん、連絡して」「泳げばいい。あの時の私みたいに」。ハナ、海に飛び込む。暗転。
 雪の林の中を捜索中の人々。
 電話の音。目覚めるハナ。「大丈夫?」「だるい」「誰かいるかと思って」。
 海の流氷はなくなっている。
 走るハナ。「大塩のおじさん、見つかった。コチンコチンに凍ってたらしい」。(また明日へ続きます……)

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