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斎藤美奈子さんのコラム・その4

2016-05-27 17:14:00 | ノンジャンル
 今村将昌平監督の’79年作品『復讐するは我にあり』をWOWOWシネマで再見しました。連続殺人犯で詐欺犯でもある榎津巌を緒形拳、正体を知ってからも彼を惚れて、最後にはやはり殺されてしまう宿屋の女将を小川真由美、その夫を北村和夫、母を清川虹子、榎津の父を三國連太郎、母をミヤコ蝶々、刑事をフランキー堺、殺される被害者を殿山泰司や加藤嘉、詐欺の被害者を菅井きん、質屋を河原崎長一郎が演じ、殺しのシーンの残酷さは実録風でありながら、イメージショットがかなりありました。

 さて恒例となった、水曜日の東京新聞に掲載されている、斎藤美奈子さんのコラム「本音のコラム」の第四弾。
 まず、4月27日に掲載された、「チェルノブイリ後」と題されたコラム。
「1986年にチェルノブイリ原発事故から昨日で30年。あの日のことは忘れない。インターネットなんかない時代だ。テレビの報道に目を凝らし、購読していた新聞の関連記事はすべて切り抜いてノートに貼った。
 あの事故は日本にも大きな影響を与えた。本間龍『原発広告』(亜紀書房)によると、原発推進派が大量の広告費を投下し、タレントを起用するなどのイメージ作戦でメディアの『懐柔』に乗り出したのはチェルノブイリ後だという。86年に年間121億円だった東京電力の広告費は、翌87年には24%増の150億円。4年後の90年には226億円にまで膨れ上がった。
 電力会社が広告に前のめりになったのは、事故で覚醒した市民も多かったためだろう。建設が予定されていた原発でも、中国電力豊北原発(山口県)、九州電力串間原発(宮崎県)、中部電力芦原原発(三重県)、東北電力巻原発(新潟県)、関西電力日高原発(和歌山県)その他が、住民の粘り強い反対運動などで白紙撤回や計画断念に追い込まれた。反原発ソングを含むRCサクセションのアルバム『COVERS(カバーズ)』を東芝EMIが発売中止にしたのは88年である。
 昨日の新聞各紙は『その後のチェルノブイリ』をしきりに報じていたけれど、日本国内の30年も振り返ったほうがいいよね。」
 また、5月4日に掲載された、「押せば引く」と題されたコラム。
「改憲は必要か」を質問した今年の世論調査の結果が興味深い。
 NHKの調査では『改正する必要はない』が31%((昨年は25%)で『必要がある』の27%(昨年は28%)を上回り、例年の通り最多の『どちらともいえない』も38%で昨年の43%より減った。
 朝日新聞の調査は『憲法を変える必要がない』が55%(昨年は48%)。『変える必要がある』は37%(昨年は43%)。
 さらに共同通信社の調査では『安倍晋三首相の下での憲法改正』に『反対』が56.5%。『賛成』が33.4%だった。
 かつては改憲派が多かったのに、改憲反対論が軒並み増加。安倍政権が改憲の必要性を力説すればするほどうさんくささが倍増し、改憲に意欲を燃やせば燃やすほど国民は警戒する。この結果から見えるのは『押せば引く』の原理である。
 恋愛テクニックなんかだと『そんな場合はいったん引いて、相手の出方を待ちましょう』と教える。政権与党もそのくらいは考えるでしょうね。
 参院選後までこの件は封印する(そして勝ったら『国民の理解は得られた』という)。首相を黙らせて別の改憲派論客をスカウトする(いまごろ人材を物色中?)。
 『押せば引く』は昔の話。下心が見え見えの相手は嫌われる。危険な匂いのする政権自体が改憲への壁だとしたら、政権ごと取りかえるのが先かもね。」
 また、「NOよりYES」と題された、5月11日のコラム。
「7月の参院選を前に野党共闘が進んでいる。9日には憲法学者の小林節さんが政治団体『国民怒りの声』を立ち上げた。有権者の選択肢が増えるのは悪いことではない。問題はしかし、選挙戦をどう戦うかだ。
 8日の朝日新聞に、元国会議員秘書の森原秀樹さんのインタビューが載っていた。2012年の衆院選で、脱原発、消費税反対、TPP反対を掲げて嘉田由紀子さんらが立ち上げた『日本未来の党』の裏方をつとめた森原さんは、同党の失敗を振り返って『“NO”だけでは勝てないと痛感した』と述べ、チリ映画『NO』の例を引く。
 1988年、軍事独裁政権を敷くピノチェト政権の信任を問う国民投票で、政権反対派『NO』のPRを請け負った主人公。当初悪政を非難するだけだった陣営は、それでは勝てないという彼の説得で作戦を変更。歌や踊りや笑いを交え、独裁後の未来を描いたCMで、あきらめムードだった人々の心を動かしていく。
 森原さんが中心を担った昨年の世田谷区長選では、再選をめざす保坂展人さんが大勝した。その保坂さんは『SIGHT』5月号のインタビューで『安倍NO』を禁句にしたと語っている。
 怒りは大事。憲法も安保法制も大事。でも、有権者はYESを求めている。悲壮な顔は封印してぜひ笑いを。そして希望の持てる政策をと望みたい。」
 
 小林節さんの動きに注目していただけに、3番目のコラムは特にいいアドバイスになりました。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/

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