相米慎二監督の'94年作品『夏の庭 The Friends』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
仲のいい木下と川辺と山下は、この近所に一人暮らしのおじいちゃんが住んでいると聞き、死ぬのを自分たちで発見しようと、監視することにします。雑草が生えっぱなしの汚い家。もしかしたらテレビをつけっぱなしで死んでしまってるのかも、と考えた3人は敷地の中に入ると、老人(三國連太郎)がガラス戸を開けて現れ、3人は驚いて逃げ出します。老人は傘をさして買物に出かけ、3人は尾行します。
夏休みに入り、塾に行くため早く家を出た木下は、ゴミのポリ袋を敷地から出し、山下は新聞も腐ってると言いますが、老人は「お前たち、何してる? 勝手に人の家に入ったりして」と言います。死んだお父さんは消防士で、人を助けるために死んだと語る川辺。買物を尾行し、やがて老人を見失い、病院は老人ばかりいるということで、木下は病院へ行きますが、病院内を彷徨い、やがて死体置き場に至り、逃げ出します。川辺はお父さんは死んでなく、別のお母さんとの間に別の子がいると言い出します。上半身裸の3人。長い歯をつけてバアと言う老人に、バカにすんなと言う3人。老人は縄を張り、洗濯物を干します。
雑草のために蚊が多くて困ったもんだ、と老人が言うので、3人は草取りをします。老人は「ここは御国を三百里」と口笛で吹きます。草取りを終え、古井戸に「おーい」と叫ぶ老人と3人。老人はスイカを出し、魚屋をやっている山下は器用に包丁を研ぎます。スイカにかぶりつく4人。庭に種を捲こうと老人が言い出すと、様々な花の名前を皆が言い出し、早速明日捲くことにします。畝を作り、コスモスの種を捲く3人。そこへ彼らの担任の近藤先生(戸田菜穂)が現れ、君たち感心ねと誉めてくれます。しけてる畳みを干し、縁側を修理し、障子紙を貼り直し、窓をふき、屋根に青いペンキを塗る3人。ブランコから見下ろして、甦った家を4人は見ます。老人は川辺の質問に答え、結婚をしたことはあるが、弥生という名の奥さんと別れてしまい、子供はいなかったと答えます。その夜台風が来て、3人が老人の家に集まると、老人は戦争には行ったが、仲間とジャングルを逃げ回っただけで、窓にやってくる蛾は死んだ人間が挨拶に来てるんじゃないかと言います。そしてジャングルの中で小さい家に行き当たり、そこには女と子と老人しかいませんでしたが、敵への通報を恐れ、皆殺しにしてしまい、食べ物をたらふく食って、今こうして生きていると言うのでした。
3人は弥生さんを探し出してしまい、老人ホームに会いに行くと、弥生さんは近藤先生の祖母でした。老人の写真を見せ、「この人分かるよね、自分を捨ててひどいと思いますか?」と聞くと、弥生(淡島千景)は「私が奥様なら、その方を恨んでなんかない。私の旦那様はとうに亡くなってしまった」と言います。近藤先生は「死んでないの。戦死したことになってるんやけど」と言います。近藤先生はおじいさん宅を訪れ、弥生という女性と幸福な生活を送っていたが、召集され、その時妻は娘を妊娠していて、父が戻らず、娘が20歳の時に私が生まれた、つまり喜八の子供が私だと言います。新婚当時の喜八と弥生の写真を見せますが、老人は喜八は自分ではないと言い、その様子を3人は外から伺います。3人は老人の名前を知り、老人が名前を隠したがっていることも知ります。老人は明日弥生さんの元を訪ねると言い出し、3人は自分たちはサッカーの試合で行けないがお互い頑張ろうと言います。試合から帰り、コスモスが咲く庭を通り、老人の元へ行くと老人は既に亡くなっていました。泣き出す3人。葬儀社の者(笑福亭鶴瓶)に頼んで焼香させてもらった3人は焼き場に向かいますが、そこへ弥生を連れた近藤先生が来て、弥生に故人と会わせてやってほしいと言います。喜八の顔を見て、しゃがみ込み、「おかえり、なさいませ」と言う弥生。
「ここどないなるんやろ、跡形もなくなるんやろうな」と話した3人は「お弔いしよう」と言って、古井戸に「おーい、お弔いやでー」と言って蝶を落します。すると井戸から無数の蝶が舞い出てきて、「今の何? おじいちゃんや、きっとあいさつしたんや」と話し、「さいならー、さいならー」と言って去ります。重機の音。喜八と3人の話し声。井戸には亀裂が走り水が洩れ、家は廃墟化していくのでした。
ここでもワンシーン・ワンカットの魅力的なシーンが多く見られました。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
仲のいい木下と川辺と山下は、この近所に一人暮らしのおじいちゃんが住んでいると聞き、死ぬのを自分たちで発見しようと、監視することにします。雑草が生えっぱなしの汚い家。もしかしたらテレビをつけっぱなしで死んでしまってるのかも、と考えた3人は敷地の中に入ると、老人(三國連太郎)がガラス戸を開けて現れ、3人は驚いて逃げ出します。老人は傘をさして買物に出かけ、3人は尾行します。
夏休みに入り、塾に行くため早く家を出た木下は、ゴミのポリ袋を敷地から出し、山下は新聞も腐ってると言いますが、老人は「お前たち、何してる? 勝手に人の家に入ったりして」と言います。死んだお父さんは消防士で、人を助けるために死んだと語る川辺。買物を尾行し、やがて老人を見失い、病院は老人ばかりいるということで、木下は病院へ行きますが、病院内を彷徨い、やがて死体置き場に至り、逃げ出します。川辺はお父さんは死んでなく、別のお母さんとの間に別の子がいると言い出します。上半身裸の3人。長い歯をつけてバアと言う老人に、バカにすんなと言う3人。老人は縄を張り、洗濯物を干します。
雑草のために蚊が多くて困ったもんだ、と老人が言うので、3人は草取りをします。老人は「ここは御国を三百里」と口笛で吹きます。草取りを終え、古井戸に「おーい」と叫ぶ老人と3人。老人はスイカを出し、魚屋をやっている山下は器用に包丁を研ぎます。スイカにかぶりつく4人。庭に種を捲こうと老人が言い出すと、様々な花の名前を皆が言い出し、早速明日捲くことにします。畝を作り、コスモスの種を捲く3人。そこへ彼らの担任の近藤先生(戸田菜穂)が現れ、君たち感心ねと誉めてくれます。しけてる畳みを干し、縁側を修理し、障子紙を貼り直し、窓をふき、屋根に青いペンキを塗る3人。ブランコから見下ろして、甦った家を4人は見ます。老人は川辺の質問に答え、結婚をしたことはあるが、弥生という名の奥さんと別れてしまい、子供はいなかったと答えます。その夜台風が来て、3人が老人の家に集まると、老人は戦争には行ったが、仲間とジャングルを逃げ回っただけで、窓にやってくる蛾は死んだ人間が挨拶に来てるんじゃないかと言います。そしてジャングルの中で小さい家に行き当たり、そこには女と子と老人しかいませんでしたが、敵への通報を恐れ、皆殺しにしてしまい、食べ物をたらふく食って、今こうして生きていると言うのでした。
3人は弥生さんを探し出してしまい、老人ホームに会いに行くと、弥生さんは近藤先生の祖母でした。老人の写真を見せ、「この人分かるよね、自分を捨ててひどいと思いますか?」と聞くと、弥生(淡島千景)は「私が奥様なら、その方を恨んでなんかない。私の旦那様はとうに亡くなってしまった」と言います。近藤先生は「死んでないの。戦死したことになってるんやけど」と言います。近藤先生はおじいさん宅を訪れ、弥生という女性と幸福な生活を送っていたが、召集され、その時妻は娘を妊娠していて、父が戻らず、娘が20歳の時に私が生まれた、つまり喜八の子供が私だと言います。新婚当時の喜八と弥生の写真を見せますが、老人は喜八は自分ではないと言い、その様子を3人は外から伺います。3人は老人の名前を知り、老人が名前を隠したがっていることも知ります。老人は明日弥生さんの元を訪ねると言い出し、3人は自分たちはサッカーの試合で行けないがお互い頑張ろうと言います。試合から帰り、コスモスが咲く庭を通り、老人の元へ行くと老人は既に亡くなっていました。泣き出す3人。葬儀社の者(笑福亭鶴瓶)に頼んで焼香させてもらった3人は焼き場に向かいますが、そこへ弥生を連れた近藤先生が来て、弥生に故人と会わせてやってほしいと言います。喜八の顔を見て、しゃがみ込み、「おかえり、なさいませ」と言う弥生。
「ここどないなるんやろ、跡形もなくなるんやろうな」と話した3人は「お弔いしよう」と言って、古井戸に「おーい、お弔いやでー」と言って蝶を落します。すると井戸から無数の蝶が舞い出てきて、「今の何? おじいちゃんや、きっとあいさつしたんや」と話し、「さいならー、さいならー」と言って去ります。重機の音。喜八と3人の話し声。井戸には亀裂が走り水が洩れ、家は廃墟化していくのでした。
ここでもワンシーン・ワンカットの魅力的なシーンが多く見られました。
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto)
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