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是枝裕和監督『歩いても 歩いても』

2013-11-18 11:10:00 | ノンジャンル
 是枝裕和監督・原作・脚本・編集の'08年作品『歩いても 歩いても』をスカパーの日本映画専門チャンネルで見ました。
 引退して散歩を日課とする医者(原田芳雄)とその妻(樹木希林)の元に、お盆ということで、兄妹の孫を連れて娘(YOU)の夫婦が帰省します。医者夫婦は長男のジュンペイが溺れた子供を助けて死に、その弟のリョウタはアツシという男の子を持つユカリと結婚し、未だにアツシから「リョウちゃん」と呼ばれています。帰省しても無愛想な父と話すことがないとこぼすリョウタ。リョウタ夫婦が帰省しても、父は少し顔を出しただけで自室に籠ります。リョウタに学校のことを聞かれ「普通」と答えたアツシは、「学校のうさぎが死んだ時、なぜ笑った?」と問われると、「誰も読まないうさぎへの手紙を書こうと言い出した子がいたから」と答えます。今晩は寿司をとると祖母に言われ、昨晩も回転寿司に行ったと騒ぐ娘の子どもたちと、自室に籠る父。ユカリはアツシに今日だけでもリョウタのことを「リョウちゃん」と呼ぶのを止めてと言い、リョウタが失業中であることも隠そうと言います。ジュンペイの嫁を連れて来たときも父が無愛想だったと言う母。リョウタは風呂に手すりが設置されているのに気付きます。とうもろこしの天ぷらを食べ、ジュンペイの好物だったと言う父でしたが、とうもろこしの天ぷらが好きだったのは自分だったとリョウタに言われます。妹の夫はリョウタにRVの購入を勧めると、母は子どもの車で買い物をするのが夢だったと語ります。
 リョウタは絵画の修復師をしていると話し、父の問いに、家族を養える程度には食えてると答えます。母と娘はリョウタの幼い頃の写真をユカリに見せてあげると言い、将来は医者になりたいというリョウタの作文も読み出しますが、リョウタは怒って作文を奪い取ります。記念写真を撮ろうとしても、一人姿を消す父。遊ぶ3人の子供。父は自分が建てた家なのに、皆が「オバアチャンち」と呼ぶのが気に入りません。アツシは密かにピアノを弾き、祖父の部屋に入ると、やって来た祖父は小遣いをくれます。音楽の先生が好きなので、将来はピアノの調律師になりたいと言うアツシに、祖父は医者もやりがいのあるいい仕事だぞと言い、やって来たリョウタに変なことを吹き込まないでくださいと言われます。
 床にパチンコの玉を見つけ、母が父に秘密でパチンコに行っているのを知る娘は、診察室を壊して2世帯住宅にすれば自分たちもここに住めるのにと言います。涼しくなってきたので、墓参りに行こうと言うリョウタ。墓参りの帰り、母は黄色い蝶は年を越した蝶だと話します。パパの墓参りにも今度行こうねとアツシに言うユカリ。夜、ジュンペイに命を助けられたヨシオが今年もやって来て、マスコミ関係のバイトで働いていて、今後もジュンペイさんの命を無駄にしないために頑張って働くと言って帰ります。まだ25歳なんだから何だってなれると彼を励ますリョウタ。父はあんなくだらん奴のためにジュンペイが命を落とすとはと言うと、リョウタは人の人生を比べるなと激昂します。娘の夫が現れ、一気に緊張が緩む部屋。
 妹夫婦は先に帰り、夕食時、若い頃に両親が聞いていた歌謡曲の話になり、リョウタは母が持って来た「ブルーライトヨコハマ」のレコードをかけます。「あるいても~あるいても~」と流れる歌詞。ユカリは母に子供を作るなら早い方がいいけど、やっぱり作らない方がいいかもと言われます。夕食後、部屋に入り込んだ黄色い蝶を「ジュンペイだ」と追い掛ける母。ユカリは人は死んでもいなくなる訳ではないと言い、アツシの半分はパパだし、半分はママだと言います。じゃあリョウちゃんは?と言われたユカリは、これからじわじわ入ってくると言います。
 翌日、海に散歩に出かけるリョウタとアツシと父。父はそのうちアツシも連れて横浜マリノスの試合を見に行こうと言います。その3年後、父は死に、結局マリノスの試合には行けず、父とケンカばかりしていた母もその直後に死に、やはり子どもの車に乗って買い物に行くことはありませんでした。娘が増えたリョウタの家族はリョウタの両親の墓参りをし、好天の下、帰っていくのでした。

 基本的に“演出”の映画だと思いましたが、ところどころに“ショット”の存在を感じました。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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