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ジェイムズ・キャメロン監督『タイタニック』その3

2019-12-14 17:15:00 | ノンジャンル
 また昨日の続きです。

 船首にいたジャックにローズが近づく。「考え直したの。やはりここに…」「シー。手を。目を閉じて。ここへ手を手すりに。のぞくなよ。柵に登って。つかまって。目を閉じて。僕を信じて」「信じるわ」(ローズの両手を横に挙げさせ)「よし、目を開いて」「空を飛んでるわ! ジョゼフィーン、空飛ぶマシーンで僕の所へ、高く高く大空に舞って」。キスする二人。
 年老いたローズ「それがタイタニックが見た最後の太陽の光」「日が暮れて沈没まであと6時間。信じられん! 氷山の警告を手に握ってて? なのにスピードを上げた?」「船長の26年の経験が裏目に出た。“障害物は急旋回でよけられる”と」「だが図体のわりに小さな舵。小回りは利かない。すべての判断が間違っていた」。
「大丈夫よ。入って。ここが居間。光は大丈夫? 光が要るでしょ?」「こんなひどい部屋で絵を描かせるのか? モネだ!」「知ってる?」「もちろん。この光の描き方」「本当に見事だわ」。
「キャルはどこへでも金庫を持っていくの」「彼、戻ってこない?」「シガーとブランデーを楽しんでるわ」「すごいな。サファイア?」「ダイヤよ。とても珍しいダイヤ。フランス娘と同じに描いて。胸にはこれ(ダイヤ)」「いいよ」「これだけ身につけて」。
「陶器の人形みたいな絵にはもうたくさん。お金を払うわ。お客の注文通りに」「じゃ、ベッド、…長椅子に、横になって」「こう?」「腕を今のように。片方の手は顔に添えるように。頭を下げて。目は僕の方を。動かないで」「真剣な顔ね。顔が赤くなってるわ。モネも顔を赤くする?」「彼は風景画家だ。緊張しないで。笑うなよ」。
 年老いたローズ「私の心臓は終始ドキドキ。生涯で一番エロティックなひと時、初めての体験だった」「その次は?」「一線を越えたかってこと? ガッカリさせて悪いけどボーディーンさん」。
「彼はプロの画家だった」「ありがとう」。キスする二人。
 ローズ「これを金庫に」。
 キャルの手下「姿が見えません」キャル「船の中だぞ。どこかにいるに決まってる。探しだすんだ」。
 夜のタイタニックの全景。
 船長「晴天だ」「はい。穏やかで海とは思えません」「池のようだ。完全に無風」「縁に波が立たないので、氷山が見つけにくいですね」「私は休もう。速度と進路を維持」「はい」。
 ローズ「寒い」ジャック「きれいだ」。ノック。「僕の絵は?」「逃げて!」。キャルの手下をエレベータで一旦はまく二人。エレベータを降り、隠れていると、手下がまた現われる。「しつこい奴だ。まるで刑事だな」「元刑事とか」「来た!」。機関室に通ずる部屋に入り手下から逃れる二人。機関室を通り抜けると倉庫。車に乗り込み、ローズは運転手役のジャックに手を取られて後部座席に。運転手席にはジャック。ジャック「どちらへ?」「星の世界へ」。ジャック、ローズに後部座席に引っ張り込まれる。ジャック「怖くない?」「いいえ」。ジャックの指にキスするローズ。「私に触れて」。倒れ込む二人。
 夜のタイタニックの全景。
 見張り番「冷えてきたな」「俺は氷の匂いが分かる」「嘘つけ」「本当だよ」。
 船員「双眼鏡はあったか?」「見つかりません」「俺は見回りをしてくる」。
 裸で体を重ね見つめあうジャックとローズ。「震えてるわ」「大丈夫、心配しないで」。
「こっちです」。ローズを捜しにサーチライトを手に持つ二人。
 キャルの手下「何か紛失を?」キャル、金庫の中の紙片を読む。「私も金庫に保管したら? ローズ」。キャル「見てろよ」。
 倉庫の車の窓が曇っているので、そこに二人がいると確信した男たちがドアを開けると、中は無人。
 笑い転げるジャックとローズはデッキに。「あいつらの間抜け面を見たかい?」「あなたと駆け落ちするわ」「本気か?」「正気じゃないわね。でもいいの」。キスする二人。
 見張り番「見ろよ。羨ましい。お熱いね。こっちは寒さに震えているのに。不公平だ」「大変だ!」鐘を鳴らし、電話をする。「誰かそこに?」「どうした?」「氷山にぶつかる!」「左舵一杯! 急げ! 左舵一杯だ! 全速後進!」「舵は一杯です」「蒸気圧を下げろ! 蒸気弁を閉じろ! 慎重に! エンジンを逆回転に!」「直進してるぞ! 舵は一杯か?」「左に一杯です」「頼む。方向を変えてくれ。頼む」「ぶつかる。ぶつかった! 大変だ!」「右舵一杯!」。氷山を見上げるジャックとローズ。
 機関室。「出ろ! 閉じ込められるぞ! もたもたするな! 早く出るんだ!」。隔壁扉が次々に閉じられていく。
 コントロール室。“水密扉作動”のランプ、点灯。
 見張り番「見たか?」「危なかった」「氷が匂うと言ったのは誰だ?」
「時間を記録しろ」船長「どうした?」「氷山です。左に転舵してエンジンを逆回転に。でも接触しました。水密扉を閉じました」。

(また明日へ続きます……)

 →サイト「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto

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