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増村保造監督『音楽』

2021-09-27 06:08:00 | ノンジャンル
 先日『やるっきゃない! 吉武輝子が聞く土井たか子の人生』を読み終わりました。自民党の対抗勢力として護憲政党・日本社会党が活躍していた頃の話が中心で、今こそ社民党の総選挙のために応援演説を土井さんにしてもらいたいと思ったりしました。

 さて、増村保造監督・脚本の1972年作品『音楽』をDVDで観ました。

サイト「映画ウォッチ」のあらすじに加筆修正させていただくと、
「都心で精神分析の診療所を開いている汐見和順(細川俊之)のところに、貿易会社に勤める若い女性(黒沢のり子)が治療を受けに来ます。名前は弓川麗子。まぶたがヒステリーのせいでチック症状を起こし、いかにも落ち着きがありません。彼女は「音楽が聞こえない」と汐見に訴えます。テレビやラジオをつけていても人の声は聞こえるのに、音楽が流れ出すとそれだけが耳に入ってこないというのです。
 麗子には江上隆一(森次浩司)という恋人がいました。江上とは肉体関係がありましたが、麗子は以前親の決めた許婚である又従兄にレイプされた経験があり、そのことを江上に打ち明けることができません。「そのせいで体の不調が起こるのでは?」と麗子は自己分析を行います。汐見は麗子に勝手な分析をすることを禁じ、毎週診察に来ることを命じます。
 やがて麗子の本格的な治療が始まりました。汐見が話を聞くうち、麗子は「音楽が聞こえない」というのは実は嘘だということ、幼い頃に兄と性的な遊びをしたこと、それ以降ハサミに異常な執着を持つようになったこと、温泉宿で叔母が男と逢引した場面を見てしまったことなどを語り始めます。
 そしてある日、診療所にひとりの男が怒鳴り込んできます。彼は麗子の恋人である江上でした。江上は麗子の日記を盗み読みし、そこに書いてあった嘘の記録から汐見と麗子が肉体関係を持ったと勘違いしたのです。汐見の説明で江上は自分の行為を反省。「麗子の精神疾患を治してほしい」と汐見に頭を下げます。
 麗子の治療はまだまだ続きました。自由連想法がキッカケとなり、麗子は高校生の頃の体験を思い出します。それは実の兄が指先で麗子の女性器を探り、麗子もエクスタシーを感じたという出来事でした。そして温泉宿で叔母が逢引したのもその兄だったのです。叔母との関係がバレて兄は勘当され、今は行方知れずになっています。治療が続くうち、麗子はその兄と再会。彼のアパートに行くと、兄は水商売の女と同棲していました。彼女から妹との関係を疑われた兄はその女の求めにしたがって、女の目の前で麗子を抱きます。ついに近親相姦の関係になってしまうのでした。
 麗子はそのことを汐見に報告。汐見は「麗子は兄への肉体的欲望とそれを拒否する良心に引き裂かれている」という診断を下します。完治には荒療治と判断し、汐見は麗子と一緒に彼女の兄に会いに行きます。そこには兄と同棲女性の間にできた赤ん坊がいました。その赤ん坊を抱きしめながら泣き出す麗子。結局、麗子は兄との間に赤ん坊を作りたいという強い気持ちに捕らえられ、他の男とのセックスに没頭できなかったのです。妊娠してしまっては兄との赤ん坊が作れないからでした。そのことが分かった麗子は兄への執着を捨て、江上と再び恋人の関係に戻ります。江上が汐見に当てた手紙によると、今度はちゃんと「音楽」が聞こえ、麗子はエクスタシーを感じられるようになっていたのでした。

 黒沢のり子の吐き捨てるようなセリフ回しが印象的でした。

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