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増村保造監督『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』

2021-09-28 05:13:00 | ノンジャンル
 増村保造監督・脚本、宮川一夫撮影、富田勲音楽、勝プロダクション製作の1973年作品『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』をDVDで観ました。
 サイト「MOVIE WALKER PRESS」のあらすじに加筆修正させていただくと、
「江戸北町奉行所同心・板見半蔵(勝新太郎)は、二人組の盗っ人を捕えたところ、盗品は水車小屋に捨てられていた女の屍体から盗んだものだ、と白状した。半蔵はその死体の状況から、今、寺や神社で流行っている“子おろし”に関係があるとにらんだ。
 寺や神社は半蔵の管轄外だったが、子分の二人(一人は蟹江敬三で、二人とも島流しの過去を持つ)と強引に女神主・大酔女のところへ押しかけ、“ややおろし”の現場をおさえた。そして、大酔女に娘の死体を見せ、その死体が駿河屋の娘お町であることを白状させた。
 駿河屋の主人から、お町が海山寺にお茶、お花を習いに通っていたことを知った半蔵は、その尼寺に潜り込んだ。その茶室では、住職の如海尼が豪商たちを集め、全裸の女を囲んでせりを行っていた。踏み込んだ半蔵に驚いて逃げ回る豪商たち。半蔵は錦地の覆面男を追うが、突然御子柴十内(黒沢年男)が現われ、その男を逃がした。
 住職の如海尼に対し、半蔵は最初は石抱えの拷問を失神するまで行ない、次に性奴隷にする拷問を与えると、如海尼は「もっと続けて」と言い、バックについている男が大久保山城守(小松方正)だと告白する。
 そんな時、半蔵は奉行の矢部常陸守から、大泥棒で大悪党の浜島庄兵衛(佐藤慶)が江戸にやって来て、金座(幕府の命じるもとに金貨、銀貨を作っている場所)を狙っているという噂を聞かされ、捕えるように上司から命ぜられる。
 半蔵は、金座の若後家のりくを犯して、肉体の喜びを思い出させ、彼女の寝床の押し入れに身を隠す。ところが、その部屋で、半蔵が潜んでいるとは知らない、大久保と筆頭与力の大西孫兵衛(西村晃)が私腹を肥やす悪事(金貨の純度を半分にし、それで生じる儲けを自分たちで分ける)の相談を始めた。
 やがて、半蔵がにらんだように庄兵衛が昼間、金座改めと称して武士の格好をし、正面玄関から堂々と屋敷に入って来た。夜、泥棒姿に着替えた庄兵衛とその部下たちは、まずりくの部屋へ向かうが、りくの布団を剥ぐと、そこにいたのは上半身裸の半蔵だった。半蔵は子分が笛を吹き、番屋に詰めていた役人たちが到着するまで、屋敷に仕掛けられた様々な殺人マシーンを使いながら、白兵戦を庄兵衛の部下たちと演じる。やがて不利と見た庄兵衛は、幼い娘を人質にし、半蔵に刀を捨てなければ娘の首を掻っ切ると言い出す。半蔵は大きな桶を背中にしょって現われ、刀を捨てて庄兵衛の部下たちの中に進む。すると庄兵衛は半蔵との約束を反故にし、半蔵の見ている前で幼い娘を強姦しようとする。それを知った半蔵は桶の中から武器を取り出し、次から次へと庄兵衛の部下を斬り殺していき、幼い娘を桶に入れると、安全な場所へとその樽を転がす。最後に残った庄兵衛を半蔵はコテンパンにやっつけ、庄兵衛の身は役人たちの手に落ちる。
 その場に現れた庄兵衛逮捕に喜ぶ大西に、半蔵は褒美に大久保の首を頂きたい、と言う。半蔵は金貨の話、寺で売春をさせていた話を多くの人が見守る中でして、証人として如海尼とりくの名前を挙げる。半蔵の話に相違ないとうなずくりく。半蔵の上司は、今の話が本当なら大久保と大西に追って沙汰があるだろうと言うと、大久保は「自分は覚悟ができている」と言い放ち、駕籠に乗って去る。
 数日後、半蔵は父の墓参りをする。子分たちの話によると、半蔵の父も十手持ちで、間違って寺社を取調べ、勘定奉行の仕事に手をつけたことを理由に切腹したのだと言う。そして彼らは「自分だったら大久保らから大金を脅し取り、父のために立派な墓を作るのに」と言って、半蔵のことを笑い合う。
 橋の上。大久保の家来だった剣豪、御子柴十内とすれ違い、彼から大久保は土地と名誉をすべて幕府によってはく奪されたと聞かされる。そしてどうしても半蔵と決闘をしたいと十内は言う。何度も断る半蔵に対し、諦めない十内。半蔵は仕方なく刀を抜き、十内と決闘する。刀を何回か交し合った後、二人は動きを止める。したたる血。半蔵が後ろに離れると、その血は十内の腹から流れ落ちているのが分かる。「バカが」と言い放つ半蔵。崩れ落ちる十内を残し、半蔵と二人の子分は江戸の町の見回りに出かけるのだった。」

 文句なしの傑作です。宮川一夫さんが撮る暗い画面も印象的でした。