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内山雄人監督『パンケーキを毒見する』

2021-09-22 21:37:00 | ノンジャンル
 内田雄人監督・構成・編集の2021年作品『パンケーキを毒見する』を「あつぎのえいがかんkiki」で観ました。
 パンフレットの「STORY」から転載させていただくと、
「菅義偉(すがよしひで)首相についてのドキュメンタリー制作を始動した制作陣が最初に直面したのは、取材申し込みに対する断りの電話の連続だった。菅氏に近い自民党議員たちが結成した「ガネーシャの会」所属の若手議員をはじめ、市議会や県議会の議員たち、マスコミに評論家、さらにはホテルやスイーツ店までが取材拒否。そんな中で最初に登場するのは、菅氏の半生を丹念に追い、ノンフィクション「菅義偉の正体」にまとめたジャーナリストの森功氏。彼によれば菅氏は「庶民的で親しみ易い、気遣いの人」だという。朝日新聞の記者としてかつて自民党宏池会を担当した鮫島浩氏も、菅氏を「秘書出身の気配りの人」と評し、アクアラインの通行料金や携帯料金、ふるさと納税といった“値下げ”政策で人々の心をつかんできたと分析する。「国会パブリックビューイング」代表として、国会審議を可視化する活動を行ってきた法政大学の大西充子教授は、菅氏の不誠実な答弁について、国会質疑の映像を見ながら解説。「こうした答弁を続けることで、国民の政治に対する関心が失われることを狙っているのでは」と懸念する。
 自由民主党の重鎮である村上誠一郎議員は故・梶山静六の弟子を自認する菅氏の、学問に対するリスペクトのなさを嘆き、「今までの総理大臣には上に立つものとしての見識があったが、菅さんにはない」と言い切る。同じく自由民主党の石破茂議員は現在の国会を「初めて見る言論空間。議論が嚙み合っていない」と憂慮する。立憲民主党の江田憲司議員は、横浜市を選挙区とする菅氏は「都会派で、国民の思いが分かる政治家」と「利権に聡(さと)く、金集めのうまい旧来の自民党の利権政治家」という二つの顔を併せ持っていると語る。官僚の反対を押し切り、ふるさと納税や13年に起きたアルジェリア人質事件での政府専用機派遣など、大胆な政策を実現してきた菅氏の政治家としての力が垣間見える。
 菅氏は1948年に秋田県で4人兄弟の長男として生まれた。父・和三郎はイチゴ農家として財をなし、町議会議員も務めた人物だった。法政大学卒業後、元通産大臣の小此木彦三郎の秘書として政治の世界へ。最初の“バクチ”は87年。38歳の時に横浜市議選挙に出馬し、自民党の現職議員を破って初当選を果たす。96年には国会議員となり、98年の自民党総裁選で絶対不利にあった梶山静六を担ぎ出すという大胆さを見せ、周囲を驚かせた。その後、選挙対策副委員長を務めていた09年の総選挙で大惨敗するが、安倍晋三という盟友を得て、20年9月に首相の地位にまで上り詰める。鮫島氏は安倍政権とそれに続く菅政権を、戦後、日本をリードしてきたエリート集団に対する「仕返し政権」だったと指摘。出身母体でトップに立ったことがないという共通点を持つ、内閣官房副長官の杉田和博氏、内閣総理大臣補佐官の和泉洋人氏、警察庁出身で国家安全保障局長の北村滋氏を重用していることにも、その本質が現れている。彼らは“人事”という武器を握り、官僚たちを動かす。
 スクープ記事と共産党議員の国会質問の連携で上げてきた、しんぶん赤旗。日曜版編集長である山本豊彦氏は「権力の監視がメディアの役割」と語る。赤旗は菅首相に対しても官房長官時代の官房機密費について追及した。一方、ニュース番組でのコメントをめぐって官房長官時代の菅氏から圧力をかけられた経験を持つ経済産業省出身の古賀茂明氏は、番組交番に至る経緯を回想。また、鮫島氏は、菅氏が就任直後に行なった“パンケーキ懇談会”に対する批判の背景には、政権を監視すべきマスコミの見せてきた“甘さ”への不信があったのではと指摘する。さらに、近現代史研究家である辻田真佐憲氏は、戦時中、新聞社が揃って「大本営発表」に陥ってしまった歴史を「ジャーナリズムの批判機能が損なわれた結果起きた出来事は、こんなにデタラメになる」という実例として提示する。それは現在進行形の出来事でもある。菅首相の「新たな〈成長の原動力〉を日本が率先して作り上げていく」との言葉を古賀氏はパロディだと語ったように日本の産業が驚くほど衰退していることにお「大本営発表」に慣らされた国民は気付いていないのだ。そして、若者と政治の距離を近づけようと活動する学生団体ivoteのメンバーは「投票しても現状は変わらない」という意識が投票率の低さにつながっているのでは、と分析する。こうしたことが私たちに示すものとは━━。「政治なんて人ごと」と、過ごしていて、本当にいいのだろうか?」

 映画の冒頭で、菅政権の権力の権化の悪癖ぶりをどれだけ描いてくれるのか、と期待しましたが、あまり見ごたえのない映画だったように思います。