函館市教育委員会では,今年の3月に市内の小・中学校の統廃合を検討する「函館市立小・中学校再編計画」をまとめた。先月に具体的取組の第一段階が市の学校教育審議会に諮問されたという。
http://www.ehako.com/news/news2011a/4732_index_msg.shtml
まずは,あまり一般には知られていないと思うので一読することをお勧めする。
http://www.hakodate-hkd.ed.jp/gakkyo/saihentop/saihenkeikaku.pdf
背景は,少子高齢化による子どもの数の激減だ。
これは事実なのだから,受け止めるしかないであろう。
計画は,市内を7グループに分け,再編するとされている。
目的は,「豊かな教育環境の整備」という一点だが,人によっては少人数教育のどこが悪いのかという意見もあるだろう。
だが,この計画にある,現在の児童・生徒数のデータを見てボクは愕然とした。
第1グループ(西部地区),第2グループ(中央地区)の学校は,どこも1学年1~2学級。
ボクの通学した時代は,小学校は1学年5学級,中学校は1学年10学級だったから,現在のような学校環境は思いもよらなかった。
1学年に1学級なら,学年が変わる時のクラス替えがない,クラス対抗の行事もできない,友達の範囲が大きく拡がらないばかりか,中学校では,団体スポーツのクラブ活動さえできないという事態になる。
事実,そうした傾向が市内中心で起こっており,計画でも社会性や人間性を育む機会の拡大を目指しているようだ。
今の学校規模は市内中心にありながら,かつての過疎地の学校のような状況。
だが,学校を統合するというと必ず反対運動も起こるのが今までの歴史だ。
その最たるものが,町会や同窓会の反対,「母校をなくすのか」,「学校がなくなれば地域の崩壊につながる」といったいわばセンチメンタルな部分。
今現在,学校に通おうとする児童のことは軽視されている。
そして,決まって「函館市は財政が苦しいから学校を減らそうとしている」というネガティブな意見として集約されるだろう。
ところで,計画の見通しでは小学校が46校→34校,中学校が28校→19校に再編とされているが,どこの学校が廃校となるかは明記されていないし,時期も示されていない。
まあ,いろいろな立場の人を気にしての措置なのだろうが,実は建設年も明記されており,位置等などと丹念に考え併せると廃校になる学校は自然と見えてくるのではないかとボクは思う。
ボクとしては,限界をいつまで保ち続けるかを待つような消極策ではなく,積極的に再編を進めることがこれからの子どもたちに対してのせめてもの思いやりだと思うのだが。