まてぃの徒然映画+雑記

中華系アジア映画が好きで、映画の感想メインです。
たまにライヴや本の感想、中小企業診断士活動もアップします。

星の大地に降る涙 地球ゴージャス公演vol.10

2012-06-24 23:38:10 | 演劇

DVDとはいえ、演劇をきちんと見るのは初めてです。舞台の映画化は、本谷由紀子作品の『腑抜けども、悲しみの愛をみせろ』と『乱暴と待機』、それに『今度は愛妻家』もそうか、素晴らしい作品が多いのだけど、ヒットした舞台が映画化されるんだから、いい作品ばかりになるのもうなずけます。そういう意味では、この作品もいいものなのかな?

岸谷五朗と寺脇康文の2人で構成する演劇プロデュースユニット、地球ゴージャスの第10回公演作品です。寡聞にして岸谷五朗と寺脇康文が演劇ユニットを組んでいるとは知りませんでした。寺脇康文なんて、王様のブランチか相棒の亀山刑事役の印象が強くて、演劇畑だとは全く知らなかったし。

歌と踊りを愛する部族、タバラ族が住む集落の浜辺に、和人のシャチ(三浦春馬)とトド(岸谷五朗)が記憶を失ったまま流れ着いた。武器を持たないタバラ族は、戦争が好きな和人とは共存できないと考えているのですが、シャチとトドはタバラ族の生活になじんでいきます。しかし、星の大地に野菜を収穫しに行った仲間が帰ってこない、というあたりからきな臭い雰囲気が漂いはじめて、急転直下タバラ族は和人の戦乱に巻き込まれ、シャチとトドも記憶を取り戻します。。。

冒頭から歌と踊りが始まり、これはミュージカルか?と思ったのですが、歌あり踊りあり笑いあり、が地球ゴージャスの姿みたいですね。演劇は劇団毎にいろんなスタイルがあると聞きました。笑いを取るためか、ドリフのコントばりに岸谷五朗と寺脇康文がやるべたなギャグシーンも入っています。タバラ族はアイヌを模したもので、和人の戦乱は明治維新の新政府軍と旧幕府軍の争いなんですが、衣装が薄着なのであくまで設定だけ借りた創作の世界ですね。

映画と演劇の関係って、音楽でいうとCDとライヴの関係に近いのかな、とふと思いました。ロケハンしていろんなセットや自然のロケーションを選んで、何回もテイクを重ねて監督の思いが伝わるシーンを作り、さらに編集して音楽なども後から加えてフィルムに残す流れは、そのままレコーディングにも当てはまりそうです。プリプロから始まり、やはり何度もテイクを重ねて録った音をリミックスしたりしながら曲を作り上げていって音源として残す。どちらも完成したものはもちろん何度でも同じものを再生可能です。

一方、お芝居もライヴも、観客と同じ時間と空間を共有して、同じ空気の中で味わうものです。一度として同じものの無い、時にはミスをすることだってあるけれど、そうしたアクシデントを含めて『生』の波動を身体全体で感じて、共有体験に身を委ねる。優劣の問題ではなくて、そもそも性質が違うものなのでしょう。だとすると、舞台のDVD化というのは、そもそもの位置付けが自分の中では曖昧だなあ、と思うわけで。

カメラが入ったからこそ見える部分はもちろんあるわけで、三浦春馬の秀麗な顔に滴る汗とか、木村佳乃演じるステラの出産シーンをいろんな角度から見ることは、その舞台の客席にいたらありえないことだけど、やっぱりまずは舞台の空気を充分に味わったうえでそういう細部を楽しんだり、舞台そのものの雰囲気を分かっている人が見られなかった公演を見たりするのが、本来の演劇DVDの楽しみ方なんだろうな、と思います。今度は生でお芝居を見る機会があるので、そうした舞台の空気感、ライヴ感がどんなものなのか、楽しみです。

公式サイトはこちら

6/3 DVD鑑賞
クリックで救える命がある。イーココロ!クリック募金投資信託



最新の画像もっと見る

コメントを投稿